議会報告

令和6年6月21日一般質問②

三沢川流域の水害対策について

2024.06.21

質問

駅のすぐそばに水路が通っているという話の続きで、三沢川水害対策、あくまでも市がやられているのは浸水対策ですが、私は水害対策として捉えて質問させていただきます。さきの予算審査特別委員会でも伺いましたが、この地域にお住まいの2万4,000人の市民のための施策でございます。管整備により域内の流下能力は向上させ、これを域内新設4か所のポンプ施設で三沢川にしっかりと排水する計画です。ここでこの施策の有効性を改めて確認するために、既存の排水施設に既往最大降雨である時間当たり92ミリの降雨があった場合の浸水想定について伺います。

答弁

(上下水道事業管理者)
当該地区における浸水対策につきましては、既存の排水施設に加え、新たな雨水管やポンプ施設などを整備することにより、10年確率降雨である1時間当たり58ミリの降雨に対応するとともに、既往最大降雨である1時間当たり92ミリの降雨の際にも、浸水の深さを45センチメートル以下に抑え、床上浸水とならない対策を進めているところでございます。なお、現在の雨水排水施設の状態で1時間当たり92ミリの降雨があった場合には、菅及び菅稲田堤地区では約19ヘクタールが浸水し、浸水の深さについては最大で約90センチメートルに達するものと試算しているところでございます。

質問

大丸用水の影響についてです。令和元年東日本台風のときと同じような状況を想定し、水門が開けっ放しになると、菅・菅稲田堤地域においてどの程度増水効果があるのか伺います。

答弁

(上下水道事業管理者)
令和元年東日本台風の際には、三沢川の大丸用水出口付近の水位は、菅第3公園付近の地盤高である海抜約27メートルよりも高い海抜約28メートルに達したところでございまして、菅及び菅稲田堤地区においてはこのような地盤の低い場所が複数点在しており、その面積の合計は約22ヘクタールとなっております。したがいまして、大丸用水の水門を開けたままにすると、これらの場所で三沢川による浸水のリスクが高まるものと考えているところでございます。

質問

お昼休みに、ちょっと店の前、浸水したんだけどと言って連絡があったんですよね。やっぱりこの地域というのは水にとても弱いというか、感受性が高い地域なんだなと感じております。続きまして、今回4ポンプ施設を整備予定でございますけれども、1時間当たり92ミリの降雨があった場合、どの程度減水能力を期待できるものか伺いたいと思います。

答弁

(上下水道事業管理者)
ポンプ施設の効果についての御質問でございますが、三沢川の水位が大丸用水よりも高い場合には、大丸用水の水門を閉じる必要があるため、雨水を排水することができなくなることから、新たにポンプ施設を整備し、雨水をポンプで排水する計画としております。菅及び菅稲田堤地区において1時間当たり92ミリの降雨があった場合に想定される浸水面積は、ポンプ施設を含めた浸水対策の実施前には約19ヘクタール、実施後には約6ヘクタールと試算しており、浸水面積を約70%縮減できるものでございます。また、浸水の深さについては、最大で約90センチメートルであったところを約40センチメートルまで低減できるものと試算しており、床上浸水の被害は解消できるものと考えております。

質問

この質問に至りました経緯としては、地元で、このポンプ場は意味ないんじゃないかというような地域の声が一部流れているというか、耳にしまして、これはいかんぞと。どの程度この施策に一生懸命取り組んでいただいていて、これがどれぐらいの効果なのかを表現しないといけないというふうに使命感でやっておるわけですけれども、19ヘクタールが6ヘクタールに減る、最大深さ90センチが40センチに減るので床上浸水がなくなる、これは画期的なことじゃないかなと私は思います。

続きまして、国が河道掘削、樹木伐採などを行い、石原水位観測所近辺10キロ前後に関する多摩川の治水対策を行いました。地域での減水効果について伺います。

答弁

(建設緑政局長)
多摩川における治水対策についての御質問でございますが、多摩川緊急治水対策プロジェクトにおける河道掘削等につきましては、令和7年度までに全体で約139万立方メートルの河道掘削などを進めていく計画でございまして、効果といたしましては、石原水位観測所付近においては、令和元年東日本台風と同規模の洪水が発生した場合、約60センチメートルの水位低下が見込まれるものと国から伺っているところでございます。

質問

ありがとうございます。京浜河川事務所が公表している5月末時点の進捗状況で、流域における対策に我々のポンプ場新設というのが書いてございませんので、ぜひ書いていただきたいなと思っています。あともう一つは、進捗状況、先ほど井口議員からの質問に御答弁があったと思うんですけれども、これはまだ半分も進んでいないということなので、当然60センチの半分よりは減水効果が期待できないということで、引き続き注視が必要かなと思っております。

続きまして、ポンプ場がなければどのような不都合が考えられるのか、改めて伺いたいと思います。

答弁

(上下水道事業管理者)
菅及び菅稲田堤地区における浸水対策は、大雨や多摩川の増水などの影響で三沢川の水位が上昇し、大丸用水の水門を閉鎖しなければならない場合でも、地区内に降った雨を三沢川へ確実に排水できるよう、ポンプ施設の整備を計画しているところでございます。ポンプ施設が設置できない場合には、大丸用水の水門を閉鎖した際に、地区内に降った雨を三沢川に排水することができず、浸水被害の発生につながるものでございます。

質問

水門を閉めたらたまるという話を4年前、前の議場で、おっかなびっくり市長の前でさせていただいた覚えが非常に脳裏に浮かんでおります。結局、この三沢川のポンプ、三沢川水門というのは、多摩川の水位が上がった状態で三沢川の水位も上がった状態だと閉められないという構造的な問題を持っているところです。なので、三沢川から多摩川に対して排水するポンプが必要なんじゃないか、そんな話を4年前にもした覚えがございます。これについては当然住民の理解が必要になってくるわけでございますが、3月予算審査特別委員会での答弁では、今回計画は地域の方々の御要望を伺いながら進めてまいりたいとの御答弁をいただいております。本年度の計画を伺います。

答弁

(上下水道事業管理者)
地域の方々との調整についての御質問でございますが、菅及び菅稲田堤地区の浸水対策における地域の方々との調整につきましては、昨年7月から、菅町会の役員をはじめ、町内会の自主防災組織の役員の方などに順次説明をさせていただき、本年2月には、菅稲田堤3丁目にお住まいの方を対象に説明会を開催したところでございます。今後につきましては、菅稲田堤3丁目にお住まいの方を対象に、7月を目途に浸水対策の手法などについて、また、年内を目途にポンプ施設の配置等の検討案について説明会を開催し、御意見、御要望などを伺いながら検討を進め、地域の方にお示しした上で、ポンプ施設の設置案を年度内に決定してまいりたいと考えております。

上原

ありがとうございます。この説明会等で声があって、このままじゃまずいよね、この議会でもそういう話があったと思うんですけれども、高さであったりとか、大きさであったりとか、公園はどうするんだという話ですよね。それに対して1回持ち帰ってまた御検討いただけていること、そしてそれをまた報告していただけるということで、期待しているところでございます。

この問題が分かりにくいのは何だというと、多摩川と三沢川と大丸用水と主語がいっぱい出てきてしまうということなんですよね。多摩川の水が少し増えて、三沢川の水が少し増えても、地域の水は大丸用水などの水路でもって出ていっちゃうと。問題ないですよね。水が増えてくると、当然地元にもたまりやすいし、三沢川にも排水しにくいという状況が起こります。

これで、多摩川が増水し過ぎて、三沢川にそんなに水は流れていなくても、三沢川水門を閉じなければ三沢川にバックウオーターを起こして、大丸用水の水門を閉じなければ、当然地域に水が三沢川からバックウオーターで入ってきちゃうと。
多摩川だけ大変なときは三沢川水門を閉めれば地元には水が入らないので、大丸用水の水門は関係ないですよね。
逆に、多摩川も三沢川も水が多い場合は、三沢川水門が閉められないので、大丸用水水門を開けたままにしてしまうと地域が水浸しになってしまいます。
それは地域の水が少なくてもですね。

でも、だったら大丸用水水門を閉めればいいじゃんって、閉めるわけですよ。閉めるんだけれども、これを放っておくと、地域への降雨はたまっていくものですから、やっぱり結局沈むんですよね。だからポンプ場は必要だという話なんです。なので、先ほどのケースにポンプ機能がついたならば、当たり前ですけれども、閉めたところから水が出せるのでポンプが必要ですねという議論が成り立つわけですよね。この議論がなかなか地元に浸透しないということで、何とか地域の皆様とかに御理解いただきたいという思いでわざわざ議場でも説明させていただいているところなんです。

あと、この件についてのリスク要因を特定というか、簡単に示してみました。真ん中のオレンジ色の箱状になっているところは我々の住む地域として、地域への浸透する水は減っている中で、地域への降雨はどんどん増えていますよね。線状降水帯でばんばん水が増えるようになりましたよね。川崎市に至っては、他自治体からの面的な流入ですよね。

要は表面から水が入ってきちゃうというのは当然あります。市境では起こることです。大丸用水取水口からの流入は令和元年東日本台風で起こってしまったことで、三沢川からのバックウオーター、多摩川からのバックウオーターは先ほど説明したとおりですよね。ずっと歴史を重ねて河道の堆積が起こってきたという状態です。これは市長も覚えていらっしゃるか分からないですけれども、稲城市を御訪問いただいて、門を閉めてくれよ、閉めますよとぱっと解決した、これはすばらしいですね。

次です。三沢川からのバックウオーターというのは、大丸用水の水門を閉めなければいけなかったんですけれども、前回は物理的にできなかった、これをできるようにしましょう、これは市の方針としてとても骨太で正しいと思っています。必要なことです。

次、河道掘削については、今、国がやっていますよね。ごめんなさい、R9と書いていますが、あれは一応令和7年度なので、訂正させていただきたいと思います。なので、今のところリスク要因はこれだけ抑えられていますよね。地域への降雨についての対策は、ポンプをつけることでやっとこさ改善する、そういった状況です。


今後を見据えると、結局、水に対する水害対策助成金みたいなものが実は日本全国、はやっているようでして、個別住宅であったりとか施設防水系では土のうの購入から始まって、盛土工事であったりとか、高床、要はかさ上げ工事の補助を出していたり、曳家にもあるところもあれば、耐水住宅の新築というメニューも取りそろえている自治体もあるようです。雨水流出抑制をするためには、雨水貯留施設を造るんですけれども、浄化槽を転用したり、雨水のタンクですよね。危機管理所管の小さなタンクの話ではなくて、もう少し大きなタンクです。水の再利用を目的としているというよりは、水を避ける、よけることを目的としたものです。あと、雨水浸透ますとかを造る補助金とかも出ているので、ぜひこういうものも御検討いただきたいなと思っております。