議会報告
令和7年決算審査特別委員会②
河川整備費における工事請負費について
2025.09.25
質問
8款5項2目河川整備費における工事請負費について伺います。まず、この23億円の河川整備費のうち、そのほとんどが工事請負費に使われていますが、その概要を伺いたいと思います。
答弁
(河川課長)
令和6年度の河川整備費の執行済額のうち、工事請負費につきましては約16億7,400万円でございまして、主な内訳としては、二ヶ領用水などの護岸天端等の補修や、その他河川等の維持補修工事に約8億5,500万円、五反田川放水路整備に約3億8,400万円、平瀬川護岸の改修工事に3億円でございます。
質問
関連して国の進める多摩川河川整備と当市の動きについて伺います。
また、河川被害が出た場合、流域全体で27兆円の被害が出るといいますが、川崎市にはどの程度の被害が想定されるのか伺います。
答弁
(河川課長)
現在、国は多摩川緊急治水対策プロジェクトを策定し、令和元年東日本台風と同規模の洪水に対して、水位を低下させ、多摩川からの氾濫を防止するため、必要な掘削等を実施しております。また、本市といたしましては、多摩川水系平瀬川ブロック河川整備計画に基づき、多摩川本川の水位を考慮し、平瀬川の堤防のかさ上げを行う平瀬川背水堤防整備工事を令和7年3月に着手したところでございます。
(企画課長)
多摩川で河川被害が出た場合の被害想定についての御質問でございますが、現在、多摩川を管理している国土交通省では、今後30年程度で実施する具体的な整備内容などを定める将来の川づくりの計画である多摩川水系河川整備計画について、計画策定から20年以上が経過し、気候変動等の影響による水害の頻発化、激甚化を踏まえ、変更に向けて検討が進められているところでございます。この中で示されている国が想定する被害額につきましては、多摩川が破堤した場合を想定し算出されたもので、自治体別の被害額については算出していないと国から伺っているところでございます。
質問
これは27兆円、どこが破堤したらどんなふうに被害が出るのかというのが、シミュレーションが分からないまま27兆円という数字だけ出されても困りますよね、川崎市としては。さらにちょっと進めさせていただきますけれども、市域に係る河道掘削の範囲というのがありますけれども、石原水位観測所付近と、あと河口付近だけやっているようにお見受けするんですけれども、これは十分な対応なのかということを本市の見解を伺いたいということと、また、地域の方々から、当たり前ですけれども、中洲が残っていて、中洲に木がぼうぼう生えていますよという話が出るんですけれども、これも計画のうちなのかということを伺いたいと思います。
答弁
(企画課長)
同計画原案に示されている整備水準につきましては、気候変動により予測される将来の降水量の増加等を考慮し、年超過確率70分の1から80分の1の降雨規模で計画していると国から伺っているところでございます。本市といたしましては、国の予算編成に対する要請などを通じて、多摩川と平瀬川などとの合流部や、排水樋管の放流部における河道掘削を早急に実施することを要望しているところでございます。また、河道掘削等の実施予定箇所につきましては、同計画原案において、中洲等も含めて検討を行い、洪水を安全に流下させるために必要な箇所を示していると国から伺っているところでございます。
質問
本市から多摩川に流入させる水量は十分確保できているのか伺います。
答弁
(企画課長)
同計画原案に示されている整備水準につきましては、本市内からの流入を踏まえて、気候変動により予測されている将来の降水量の増加等を考慮し、年超過確率70分の1から80分の1の降雨規模で計画していると国から伺っているところでございます。
質問
この計画を見ると利用という言葉が非常に目立つわけなんですけれども、利用との調和ということが重視されているんですけれども、私たちとしては安全のほうが大事なのかなと思っていまして、これは利用と調和しての河川流路を維持ということなんですけれども、その流路を、そもそも利用を少し縮小して変えることとかの必要性は検討されていたのか伺いたいと思います。また、特に幸区から多摩川が大きく湾曲しておりますけれども、近辺では河道掘削のみならず水衝部対策というのがやられていると思うんですが、流路整備あるいはバイパスなどの方法は検討されたのか伺いたいと思います。
答弁
(企画課長)
整備手法につきましては、限られた費用と時間の制約の中での整備の実現性や、地域社会への影響などを総合的に勘案した結果、現在の流路を掘削することとしたと国から伺っているところでございます。
上原
ありがとうございます。ちょっと聞いていて分かるとおり、国から伺っておりますが続く答弁なんですよね。多摩川は川崎の背骨みたいにべったりくっついていて、その多摩川について国は何かやってきて、それを予算要望のタイミングだけで何とか要求するというので今までずっとやってきているように思うんですけれども、私、令和元年東日本台風のときに、三沢川から多摩川に流入するその水量はちゃんと確保できているのという話に対して、国土交通省の方はがいらっしゃって、そのときに、忘れもしませんけれども、元建設緑政局長と当時の道路河川整備部長といらっしゃって、ここの水量というのはちゃんと確保できているんですかと国の役人に聞いたらば、国からは、いや、ここはもう検討の余地もありませんよみたいな話をするんですよね。検討の余地がないって、現場の地元の行政機関の長というか、その担当者が必要なんじゃないですかと言っているのに対して検討の余地がないというのは、それはコミュニケーションが取れていないわけなんですよね。こういう何かちょっと冷め切った関係が続いているのかなと思っていまして、結局、国との対話がしっかりできていないというのを目の当たりにしたような、非常にショッキング。あのときは国土交通省が20人も来たので、これは何とかなるんじゃないかなと思ったわけなんですけれども、今後、川のことを考えるに際して、治水プロジェクトを国がどうこうやっていくというのは構わないんですけれども、当然川崎市という行政が置き去りになってしまっている感じの答弁に見えてしまいますし、私たち地元の住民側の人間としては、国から直接説明をいただけることはほとんどないので、どうしても直接の自治体である川崎市に頼らざるを得ないわけなんです。
質問
追加で建設緑政局長に、これを市民に対してどうやって説明するんですかというようなアプローチをしようと思ったんですけれども、この質問と答弁をずっと見ているとなかなか難しいなと思って、要は今の条件を変えないと、なかなか国とのコミュニケーション、情報の共有の仕方であったりとか、年に1度の予算要望であったりとか、そういうところだけでコミュニケーションが取れないということはもうほぼ実証されたと思うので、じゃ、今後に向けて国とはどういうふうな協議をしていったらいいのかということを、非常に申し訳ないんですけれども、建設緑政局長にお考えというか、方向性をお示しいただけないかなと思います。
答弁
(建設緑政局長)
国との協議の関係の御質問でございますが、やはり一番不安を感じているのは市民の方々だと思います。
それに対する対応としては、国、川崎市に限らず行政のしっかりとした対応。昨今、激甚化、頻発化するので、流域治水みたいな形でみんなで協働して対応するとところが大変重要にはなっておりますが、やはり市民の不安だったりといったものをまず解消していくのは、国、市問わず行政の責任という部分では重要なところもございます。そういった中では、日々、会議体という中での情報共有という場もございますし、あらゆる場面で国とは、利活用の場面だったり、そういった治水での場面だったり、会議のほかの場面でも打合せをしたり、協議調整する場がございますので、まずはやはり令和元年東日本台風であれだけの被害を我々も経験して、これから先どんな被害が発生するか分からない気候になってまいりますので、そういったところを常にトップの念頭に入れて、あらゆる会議の中で少し情報を聞き出したり、我々も情報を与えて、市民の声をしっかり伝えるような、そういった本当に心通じる考え、思いが前提にあって共有ができるのかなと思っておりますので、職員にもそういった意識を、別に治水に限らず利活用の場面でもいいので、常にそういったものを念頭に置いて、打合せ、コミュニケーションを図るように努めていきたいなと思っております。
質問
流量が幾らにならないとまちが安全にならないという協議をするに際して、建設緑政局さんだけで終わらせられる話ではなくて、上下水道局も加わっていただかなければならないでしょうし、そこはまだ親和性が高いと思うんですけれども、危機管理的な話ですよね。
要は、もしこうなったらこれぐらいの流量が地面に降って、川から流れてくるとどれぐらいの水圧で戻ってくる、バックウオーターが発生するというシミュレーションをちゃんとやらないと、僕らはもう体感して、あっ、これはバックウオーターが起こるなというのが分かるんですね、現場にいるので。だけれども、それが感覚によるものなので当然エビデンスが必要で、エビデンスをつくるのに今の当局のお仕事だけでは多分不可能だと思うので、やっぱりちょっとほかの局を巻き込まなければいけない形になるような気がするんです。
建設緑政局長、他局に対して、流量のシミュレーションを行って、それを基に国へ要望するということは可能かどうか。
答弁
(建設緑政局長)
川崎市で少し検証してという御質問だと思うんですが、いろんな条件があると思いますので、内水の関係だったり、上下水道局とも確認というか、しっかり連携して整理も必要ですし、ある意味では、もしかしたら広い意味での市域全体ということであれば危機管理本部と、そういった地形等のエビデンスにつながるような共有だったりとか、どういう形で精査しようかというような話もあると思います。
そういう意味では多岐にわたる部分ではございます。そういったことを行政、基礎的自治体の川崎市でどこまでやるかというところの判断もあると思いますので、ハザードマップ等で示したり、それ以上に何が必要なのかというところも含めて考えなければいけないですし、果たして正直そういった数字を川崎市単独でつくれるのかというところもございますし、そういったところについてはまだまだ調査研究の域なのかなというところは、少しちょっと感想めいている答弁ではございますが、以上とさせていただきたいと思います。
上原
県と国の調整をたくさんしていただく道路河川整備部さん、あるいは河川課さんなので、非常に仕事の内容は多岐にわたるし、深い知見が必要になってくるので非常に大変だなと思いますし、感謝もしていますし、期待したいというふうに申し上げまして、私の質問を終わります。