議会報告

令和5年2月27日代表質問⑨

議案第6号地球温暖化対策の推進に関する条例の一部改正について②

2023.02.27

質問

市民理解と制度名についてです。答弁では、脱炭素の取組の重要性と、太陽光の発電設備に関する正しい知識について、市民理解が十分に進んでいないとしています。一方で、制度名に関しては、市民の皆様にできるだけわかりやすい名称としたい旨の答弁でした。「わかりやすい制度名」のはずが、市民に対して、特定の商品群を意識させることで、却って、サプライチェーンへの懸念、新技術導入への閉鎖性、災害対策への不安などを喚起したとも考えられます。結果として、実態を反映しない制度名、あるいは制度説明となったと考えられますが、環境局長に改めて見解と対応を伺います。

答弁

(環境局長)
地球温暖化対策は喫緊の課題であり、国や世界の定める2050年のCO2削減目標の達成に向け、本市におきましても様々な取組を加速的に進める必要があると考えており、市民説明会や全町内会連合会への説明、各種広報媒体によって、周知を行ってきたところでございます。
また、現時点では、新築建築物への太陽光発電設備の設置が民生家庭部門のCO2削減の有力な手法であることから、環境審議会の答申を踏まえ、また、国のエネルギー基本計画において「2030年において新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が設置されていることを目指す」としていることとも整合を図り、市民にとって最も分かりやすい、この制度名としたところでございます。
パブリックコメントにおいては、様々な御意見をいただいておりますので、今後につきましても、太陽光発電設備をはじめとしたCO2削減に寄与する設備設置の必要性や、制度の趣旨を市民、事業者の皆様に御理解をいただくために、より一層丁寧な説明を行っていくとともに、市民・事業者・行政が一体となって、脱炭素社会の実現を目指した取組を推進してまいります。

質問

新たな環境技術への本市の考え方、市内産あるいは国内産製品の活用についてです。国際的なサプライチェーンについての安全保障上の課題、あるいは人道的な懸念から、国内産技術と製品普及に特化した取組が重要と考えます。答弁では、市内には、ペロブスカイト太陽電池の開発等を行う事業者、新エネルギ一・産業技術総合開発機構といった研究機関との、情報共有と一層の連携を図るとしています。国産、市内産、新技術に対する、本市の姿勢が明確にわかる制度名への変更、あるいは条文の修正が必要と考えます。見解を伺います。

答弁

(環境局長)
新エネルギー・産業技術総合開発機構におけるグリーンイノベーション基金事業におきましては、国産製品であるペロブスカイト太陽電池の発電コストについて、2030年までに従来型シリコン太陽電池と同等とすることを目指すなど、新技術の研究開発を進めていると伺っております。
再エネ設備の一層の普及のためには、現在、一般に普及が進みつつある設備である太陽光発電設備の活用を念頭に置くため、制度名の変更は考えておりません。
一方、新技術による発電効率の向上やコストダウンに加え、安定したサプライチェーンの構築も重要と考えておりまして、新たな技術が開発された際には柔軟に本市の制度対象とすることで、国産技術の普及拡大にも貢献できるよう取り組んでまいります。

質問

本議案と地域エネルギー会社との関わりについてです。地域エネルギー会社に対する質問への答弁では、地域エネルギープラットフォームへの市民の皆様の参画も重要とのことです。間接的とはいえ市民の選択肢を制限する「義務化」を標榜する以上、市としても最大限の努力をする姿勢を示すことも肝要と考えます。特に、制度への懸念払拭に資する、市内家庭より創出された電力の買取制度の早期実現は重要です。
時期について、答弁では明言は避けていますが、本取組に向けた姿勢表明が必要と考えます。市長に決意を伺います。


答弁

(市長)
地球温暖化対策は、喫緊の課題であり、早急に具体的な行動を起こす必要があるとの認識のもと、計画に位置付けた5つの重要なプロジェクトに取り組んでおります。今回提出している条例の改正議案は、そうした課題認識を市民や事業者の皆様と共有し、様々な主体がそれぞれの役割に応じ、スピード感をもって自らがすべき最善のことを選択し、実行することができる社会の構築を目指すため必要なものと考えております。

本年、設立する地域エネルギー会社は、単なる再エネ電力の小売事業者にとどまるものではありません。新たな再エネ電源の開発や、地域単位でのエネルギー利用の最適化を図るマネジメントの取組など、本市のエネルギ一施策を強力に推進するものであり、家庭を含めたエネルギーの地産地消の視点は大変重要と考えておりますので、御意見も踏まえ、市域への再エネ普及拡大を図ってまいります。