議会報告
令和7年決算審査特別委員会④
仮称次期川崎市観光振興計画の基本的な考え方案について
2025.10.03
質問
現行の新・かわさき観光振興プランでは、観光客が訪れてみたいまちは、地域の住民が住んでみたいまちであると掲げています。ただ訪れてみたいまちは短期的な体験価値を重視する一方、住んでみたいまちは時間経過とともに深まる愛着や発見を重視するもので、両者は異なる視点です。この異なる2つの視点を同一視して基本理念としている点について、どのような考えに基づいて設定されたのか、見解を伺います。
答弁
(経済労働局長)
現行計画の基本理念につきましては、川崎のまちの楽しみ力の向上――住んで良かった、行って良かったを目指して――でございまして、平成19年1月に施行された観光立国推進基本法における基本理念である、住んでよし、訪れてよしの国づくりの考えを踏まえて設定したものでございます。本市におきましても、こうした考え方を基として、市民と観光をつくり出し、交流が活発になることで観光の楽しみが増し、生活の楽しさ自体が変容していくという考えから、生活者が住んでよかった、来訪者が行ってよかったと心からの満足が得られるよう取り組むことを目指してきたところでございまして、訪れたいまちの要素としては短期的な体験価値を重視する要素もあることから、全てを同一として捉えてはいないところでございますが、住みたいまちと訪れたいまちという考え方につきましては、地域住民の誇りや愛着など、共通する点は多いものと考えております。基本理念につきましては、次期計画ではそれに相当するものとしてビジョンを掲げることとし、川崎のありのままの魅力に光をあて、住む人、訪れる人が共に楽しい川崎らしい観光を目指しますとしているものでございまして、これまでの基本理念と同様に、住む人と訪れる人の共通点や、それぞれが相互に作用することに着目しているものでございます。
質問
基本理念の再考の必要性への見解と対応を伺います。現行計画は168項目と多岐にわたり、誰に向けた施策なのかが分かりにくいとの指摘が総務委員会にてありました。ターゲット像が不明確で、川崎らしさが十分に伝わってこないという意見もあり、次期計画では、国内外の具体的なターゲット像を明確にし、川崎らしさを打ち出した施策構成とすべきと考えますが、見解と対応を伺います。
答弁
(経済労働局長)
計画期間の12年間を4年ごとの3つのフェーズに区分し、令和8年度から令和11年度までのフェーズ1の重点ターゲットといたしましては、設計者、プレーヤーとして、交流を生み出し、観光カルチャーを創造する人、サポーター、フォロワーとして、ありのままの川崎をポジティブに捉える国内外の人など3つのターゲットを掲げております。本市におきましては、市域が細長く、都心や羽田空港等から各エリアへの交通アクセスも異なり、各観光資源の魅力やエリアの特性に合わせたターゲット設定が必要であると認識しておりますことから、今後の計画案の作成に当たりましては、市内各地域の川崎らしさを打ち出した施策となるよう、具体的な取組について検討を進めてまいります
市民や事業者の参画等につきましては、これまでも市民、事業者の皆様によって、飲み歩きイベントやインバウンド向けツアーなど、本市への誘客につながる様々な取組が行われており、本市といたしましても市観光協会と共にそれらの取組を後押ししていくことが重要と考えておりますことから、各地域の市民、事業者の皆様との対話を重ね、顔の見える関係を築くなど、共創による観光振興の実現に向けて、引き続き取組を進めてまいります。
質問
観光推進体制についても、現行計画では市と観光協会の役割分担が不明確で、市全体の調整機能が十分に働いていないとされています。観光協会の役割や現場支援が見えにくいとの意見も出されています。次期計画ではどのように観光推進体制を強化し、実効性と柔軟性を持った仕組みを構築していくのか、見解を伺います。
答弁
(経済労働局長)
マーケティングや観光ツアーの商品造成、販路開拓など、民間の知見を十分に発揮していくことが重要であることから、実行性と柔軟性を備えた観光推進体制を構築していくことが大切であると認識しております。本市におきましては、平成21年度に市観光協会で初となる民間人登用に係る支援を行い、工場夜景ツアーの定期開催など産業観光の推進につなげてきたところでございますが、次期観光振興計画に基づく取組等を効果的に進めていくためには、産業観光にとどまらず市全域での観光推進体制を整えていく必要があることから、関係局や市観光協会との調整等を行いながら、民間企業と連携した専門人材の活用など、必要な体制や支援等について幅広く検討を進めてまいりたいと存じます。
質問
現行プランでは宿泊、滞在する楽しみが増す体験型観光の充実を掲げていますが、本市は宿泊施設の絶対数が不足しており、また、立地の偏在も見られます。体験型観光やナイトタイムエコノミーの推進、観光客の誘致には宿泊施設の充実が欠かせません。宿泊施設に関する現状認識と今後の対応について見解を伺います。
答弁
(経済労働局長)
宿泊施設に関する現状認識等につきましては、市内の宿泊施設は、現行計画期間中の平成28年度からこれまでの間、川崎駅周辺をはじめ、殿町地区、武蔵小杉駅周辺などで宿泊施設が新設され、合計1,000室以上増加しており、本市の宿泊需要に応じて各企業により設備投資がなされていることと認識しております。そのため、本市といたしましては、宿泊施設の皆様と宿泊状況等について意見交換を行うとともに、継続的に宿泊需要を高めていくなど、観光施策に取り組んでまいりたいと存じます。
質問
企業や業界等の会議、報奨・研修旅行、国際的な会合、イベントを組み合わせたMICE需要にも対応するホスピタリティの高いホテルの誘致も必要ですが、見解と今後の取組を伺います。昨年度の宿泊施設の年間観光客数は目標を20万人超える実績となりましたが、本市が持ち得ている観光資源である主要観光施設への年間観光客数は目標を大きく下回る結果となりました。併せて指摘すべきは、外国人宿泊客が川崎区と幸区に8割集中し、宿泊しても飲食や小売につながっていないことです。市内全域に消費行動を広げていくことは、観光振興の波及効果を高める上で不可欠です。見解と対応を伺います。
答弁
(経済労働局長)
宿泊施設の誘致につきましては、本市ではこれまでも各企業により様々な宿泊需要に対応した宿泊施設の整備が進められており、今後につきましても、MICE需要をはじめとした幅広い宿泊需要への対応がなされていくものと考えておりますので、本市といたしましては、こうした各企業による取組の情報を収集するとともに、関係局や観光協会と情報共有や意見交換を行ってまいりたいと存じます。市内全域への消費拡大につきましては、外国人動態分析調査におきまして、市内に宿泊する訪日外国人は市内飲食店等の利用が少ないという結果が出ておりますことから、重要な取組であると認識しております。
そうした状況を踏まえまして、今年度から、まずは市内で最も訪日外国人が訪れている川崎駅周辺の飲食店等において、グーグルマップにおける店舗情報の登録等を支援し、店舗情報の充実を図るとともに、市内に宿泊する訪日外国人に向けて、昔ながらの居酒屋や焼肉などのソウルフードといった本市の強みである食を中心とした情報を発信し、誘客を図る取組を進めているところでございますので、それらの進捗状況や各地域の特性も踏まえて、エリアの拡大に向けて取組を進めてまいりたいと存じます。
質問
本市の観光の強みに、若者文化やエンターテインメント性のあるサブカルチャーも挙げられていますが、文化不毛の地とまで言われた本市において、戦禍を乗り越えて復興した歴史的資源は、100年の時を経た本市が元来持つ貴重な観光資源であることは言うまでもありません。市民の営みや風習の由来にもつながる寺社仏閣など、伝統文化に対する評価と今後の観光活性化のための取組を伺います。
答弁
(経済労働局長)
地域のにぎわい創出や活性化等に寄与するものと考えておりますことから、川崎大師薪能やかわさき阿波おどり等に対する事業費の助成や広報関連の支援を行っているほか、観光協会と連携して訪日外国人向けに、とんとこあめ切り、護摩、写経等の体験ツアーを販売しているところでございます。今後に向けましても、これらの取組を通じて川崎らしい観光振興につなげてまいります。
質問
まちの人々がこぞってにぎわい、観光資源となる祭礼に対し、政教分離などとの理由で一線を画すことがないよう申し述べておきますが、念のため、見解を市長に伺います。
答弁
(市長)
観光資源となる伝統行事等についての御質問でございますが、地域の伝統行事等につきましては、まちのにぎわい創出や活性化等に寄与するものと考えておりまして、本市におきましても、市内外から注目されるお祭りが開催されるなど、観光資源としてポテンシャルがあることから、主催者や伝統行事等との適切な関係性に留意しながら、地域の新たな魅力として発信するなど、地域ならではの観光資源として活用してまいりたいと考えております。