議会報告

令和3年9月13日第3回定例会代表質問

川崎市の医療提供体制について

2021.09.13

質問

同感染症の流行を受けた市内の医療提供体制についてです。医療提供体制は直接的には県の管轄ですが、市営三病院を擁し、さらには大きな人口を抱える本市では、医療体制への負荷はどの程度なのか、これによる影響はどの程度なのかという論点は、市民生活と日々の安心に直結します。そこで、これまでの重症病床の設定の変遷とその背景、およびこれに応ずる平時医療提供への影響について伺います。

また新たな国内変異株の発見、国外変異株の新規感染の発見など不確定要素が多く、見通しの難しい状況ではありますが、今後想定される流行シナリオと、これに対して考えられる、本市医療提供体制上、進めておくべき準備の内容について、本市の考え方を伺います。

答弁

主に集中治療室等が充てられておりますが、新型コロナ以外の重症傷病者の治療ニーズも絶えずあることから、通常の地域医療とのバランスを慎重に見極めながら、病床確保・運用を行う必要があると考えております。

このことを踏まえて、本市の重症確保病床につきましては、第5波に伴う感染急拡大に対応するため、市内病院の多大なる御協力の下、従来の30床から66床に増床を行うとともに、中等症患者受入れを担う重点医療機関において、重症化した患者については、可能な範囲で自院での入院加療を継続していただくなどにより、重症病床数には表れないものの、実質的な重症者の受入れ枠を増やしているところでございます。

一方で、重症病床を含めてコロナ病床を確保するため、不急の手術や入院の延期について、県から県内医療機関に要請しているところでございまして、通常医療を縮小して緊急性が高い医療から対応せざるを得ないという影響が出ております。

今後につきましては、更なる入院患者の増加も視野に、引き続き病床確保の取組を推進するとともに、病院の機能・規模等に応じた、コロナ医療と通常医療需要の受け皿の役割分担と連携に向けた取組を進めてまいりたいと存じます。 

質問

仮に臨時の医療施設の設置を求められた場合、ハード面での可否について、また人材確保の可否について見解を伺います。

答弁

臨時医療施設の設置についてでございますが、新たな臨時医療施設の設置につきましては、感染制御等の専門性を有した多数の臨床医療従事者の確保が最大の課題となっているところでございます。

通常の医療需要に上乗せされるコロナ医療への対応のほか、ワクチン接種の迅速な推進、及び自宅療養者への医療的フォローなど、県及び市内の医療機関・医療関係団体とともに総力を挙げて対応しているところでございまして、全県的に医療従事者に限りがある中、最も効率的な手法として、臨時施設に一時的な医療従事者を配置するよりも、日常的に従事している職場環境にて、組織的に診療等を行うことが最適であるとの考えの下、既設病院の病床拡大を優先して取組を進めているところでございます。