議会報告

令和4年第3回定例会一般質問-6月24日-

登戸・向ヶ丘遊園駅周辺地区における区画整理事業後のまちづくりについて

2022.06.24

・事業の最新の進捗状況及び地域の人口推移予測について
・人口増加に伴う影響及び対応について
・まちづくり推進業務委託について
・民家園通りでの緊急車両の通行について
・区画整理事業域内での水に関するインフラについて
・地元自治会との協議及び地域とのつながりについて
録画映像
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・ 事業の最新の進捗状況及び地域の人口推移予測について

質問

まず、登戸・向ヶ丘遊園区画整理事業の最新の進捗状況について伺います。

答弁

(まちづくり局長)登戸土地区画整理事業の進捗状況のご質問でございますが、 本年4月1日までに、宅地面積の94.8%を仮換地指定し、使用開始につきましては、81.6%となっております。また、建物移動棟数は、1,237棟で全体の91.2%となっております.。

質問

次に、登戸街区では駅前で広範囲かつ同時に、多くの建物の解体が進みました。この間の当該地域の人口増減について伺います。    

答弁

(まちづくり局長)登戸地区の人口についてのご質問でございますが、 登戸地区は、土地区画整理事業区域を含むJR南武線と主要地方道川崎府中に挟まれた広い地区になっており、住民基本台帳による人口動態では、近年、穏やかな増加傾向となってございます。

質問

広範囲、同時取り壊しが進んだ結果、区画整理事業域内の住民数が最も減少した時期について伺います。また登戸街区全体としては、結果的に人口増となった要因について、見解を伺います。 

答弁

(まちづくり局長)登戸土地区画整理事業区域の人口についてのご質問でございますが、はじめに、事業区域内の人口が最も減少した時期につきましては、過去20年間において、建物の解体数が最も多い令和元年度と考えております。 次に、登戸地区の人口増加につきましては、区画整理事業の進捗に伴うまちの魅力の向上や、交通利便性の高さなどが主な要因として考えております

質問

事業前後の人口推移について、事業実施前にはどのような前提としていたのか、まちづくり局長に伺います。   

答弁

(まちづくり局長)登戸土地区画整理事業の計画人口についてのご質問でございますが、登戸・向ヶ丘遊園駅周辺は、川崎市の地域生活拠点として位置づけられており、駅周辺などにおいては、事業の進捗に応じて商業・業務機能が集積すると見込まれ、建物の高度利用が想定されております。 しかしながら、その大部分は商業・業務機能と想定され、当事業の計画人口は、事業着手時点の人口としております。

     

・ 人口増加に伴う影響及び対応について

質問

登戸の人口は、ここ数年想定を上回って増えており、現地で公表されている建築計画を見ても、今後人口5千人規模での人口増の可能性が考えられます。事業スキームが区画整理である以上、民間の開発に未来が委ねられているとはいえ、事前の準備は必要です。仮に事前の前提を大幅に上回った場合、登戸駅の利用、向ヶ丘遊園の利用に支障は出ないのか、見解を伺います。 

答弁

(まちづくり局長)人口増による駅への影響についてのご質問でございますが、鉄道事業者からは、今後想定される建築計画等を踏まえても、駅利用への支障は想定されないと伺っておりますが、引き続き、開発の動向等を注視しながら、鉄道事業者と連携を図ってまいります。

質問

仮に想定を上回る5千人規模での人口増が社会的人口増によって起こった場合、多くの子どもを地域に受け入れる、嬉しい誤算が起こります。近隣の登戸小学校、宿河原小学校でしっかりと受け皿になりうるのか、教育次長に見解を伺います。

質問

仮に想定を上回る5千人規模での人口増が社会的人口増によって起こった場合、多くの子どもを地域に受け入れる、嬉しい誤算が起こります。近隣の登戸小学校、宿河原小学校でしっかりと受け皿になりうるのか、教育次長に見解を伺います。

答弁

(教育次長) 児童数等についてのご質問でございますが、本年5月現在における普通学級の児童数等に就きましては、登戸小学校は児童数713名、学級数23学級、宿河原小学校は児童数771名、学級数24学級でございます。
今後の児童数等の見込みにつきましては、現行推計の最終年度である令和9年度には、登戸小学校は児童数953名、学級数31学級、宿河原小学校は児童数766名、学級数24学級と予測しているところでございます。
登戸小学校においては、今後、段階的な自動増加に対し、余裕教室等の転用により対処して参りますが、令和9年度には、2学級分の教室不足を見込んでおり、その後も一定の増加を想定していることから、令和4年度中に、校舎増築等基礎調査を実施し、普通教室6教室、多目的教室その他諸室の設備を検討し、令和9年度の供用開始に向けた取組を進めてまいります。 また、宿河原小学校においても、区画整理事業等による児童数の増加に対し、教室不足が生じないよう、必要に応じて取り組んでまいります。

意見

人口増加を推計されている局もある中で、事業前後で人口フラットとおくのは無理があると思われますので、登戸の人口が増加していくとの見方で各部局で有いただきたいと思います。

質問

次に交通インフラについてです。そもそも今回の区画整理事業は、急速な都市化に公共施設が追いつかず、結果として建物の密集と狭隘道路にあって、救急車両の通行が困難なことも背景にありました。事業域内の通行、事業域内外への行き来は、いかに改善されたのか、建設緑政局長に伺います。

答弁

(建設緑政局長)交通インフラについてのご質問でございますが、はじめに、事業区域内には、都市計画道路や区画道路を計画的に配置しており、道路築造延長につきましては、令和4年4月1日現在、8,959メートルで、進捗率75.6%となっております。
さらに、当事業と関連して、小泉橋付近の主要地方道川崎府中との交差部の整備が完了し、交通環境の改善が図られたところでございます。 また、都市計画道路世田谷町田線の登戸交差点部の改良を進めるとともに、JR南武線の下河原踏切における歩行空間の拡張や、小田急線の登戸1号踏切においても踏切を廃止し、跨線橋の整備を予定しております。今後も、交通環境改善に向け、引き続き取り組んでまいります。

意見

今の管理上は事業前後の人口を仮にフラットで置いていると思いますが、今後人口が今までの想定を上回って増えると予定した場合には、住民との対話の機会を増やしていかないといけないと思います。

     

・ まちづくり推進業務委託について

質問

遊園南口周辺の賑わいの創出や生田緑地の玄関口にふさわしいまちづくりのあり方について検討する目的で、令和4年度登戸・向ヶ丘駅周辺地区まちづくり推進業務委託の事業者を公募型プロポーザル方式にて選定するとのことです。改めて、このプロポーザル実施の目的と求める成果物について伺います。特に区画整理事業範囲外で、プロポーザル実施を要した経緯について伺います。

答弁

(まちづくり局長)登戸・向ヶ丘遊園駅周辺地区まちづくり推進業務委託についてのご質問でございますが、プロポーザル方式により業者選定を行う目的に就きましては、本市として、同地区周辺の魅力あるまちづくりの検討に向けて、コンサルタントの実績やノウハウに基づく創意工夫による優れた企画提案を行っていただくため、プロポーザル方式を採用したものでございます。
成果につきましては、登戸2号線や区役所通り登栄会商店街の道路空間の利活用、向ヶ丘遊園駅南口周辺のまちづくりのあり方等について、取りまとめることとしております。 また事業区域外を含めて検討を行う経緯につきましては、昨年度策定した「登戸・向ヶ丘遊園駅周辺地区まちづくりビジョン」において、向ヶ丘遊園駅南口周辺を、事業区域内と合わせて、賑わいの核や自然・文化・観光軸に位置付けていることから、同駅南口周辺のまちづくりにていて検討を行うものでございます。

意見

本件さらっとご答弁いただきましたが、大いに期待しております。3年前6月のまちづくり委員会で、この地域のアクセスを議論しました。多摩区には観光資源も数多くある中でどうやって人を送るか、どんな提案が出てくるか分かりませんが、一気に解決できるのではないかと期待しています。

  

・ 民家園通りでの緊急車両の通行について

質問

 ダイエー跡地の再開発では、民家園通りでの出入りが想定されています。再開発により店舗部分利用者のみならず、住民の出入りも想定されます。稲生橋と登戸1号踏切間の渋滞により緊急車両の通行が危ぶまれますが、消防局長に見解を伺います。また、この区間で、いかに円滑な交通状態を確保するのか建設緑政局長に伺います。

答弁

(消防局長)緊急車両の通行についてのご質問でございますが、渋滞が予測される道路に就きましては、渋滞箇所や時間帯を確認しており、通行する必要がある場合につきましては、出場部隊に対し無線等により注意を促し、安全管理の徹底を図っているところでございます。
また、迂回路の使用が可能な場合につきましては、迂回路を使用し、現場到着等に支障をきたすことがないよう対応しているところでございまして、稲生橋と登戸1号踏切間の道路につきましても、同様に対応してまいります。
(建設緑政局長)ダイエー跡地の周辺道路についてのご質問でございますが、これまで、ダイエー向ヶ丘店跡地開発事業者とバス停の移設や工事車両の通行ルートの変更等、交通の円滑化に向けた協議を行ってきたところでございますが、今後につきましても、引き続き、交通負荷の低減に向けた対応について事業者と協議を行ってまいります。

意見

我々の懸念は消防局の運用で解決可能で、また事後業者との協議もぜひ進めて頂きたいところです。一方出庫の時は裏から出してはどうか等地元のアイディアもあり、ぜひこうしたアイディアも汲み上げて生かしていただきたいと思います。 

   

・ 区画整理事業域内での水に関するインフラについて

質問

多摩区のインフラを語る上で、水に関するインフラは欠かせません。先の予算審査特別委員会でも触れましたが、多摩区内には水路が高い密度で張り巡らされています。本区画整理事業域内での水路の種類とその扱いについて、まちづくり局長に伺います。  

答弁

(まちづくり局長)登戸土地区画整理事業区域内の水路についてのご質問でございますが、 事業区域内の水路につきましては、主に雨水排水用の水路となっており、区画整理事業により、新たに整備する都市計画道路や区画整理道路に、側溝やボックスカルパート等を整備した後、その管理を多摩区役所へ引き継いでいるところでございます。

質問

本市では、水路の廃止は、基本的には下流端から、に限定されるのが原則かと思います。本区画整理事業では、多くの不要水路の廃止に成功したと考えられます。不要水路の判定経過、特に水路利用者との確認協議と、廃止後の用途及びその事業主体について、まちづくり局長に伺います。

答弁

(まちづくり局長)水路についてのご質問でございますが、 従前の水路につきましては、機能上の支障が生じないよう、新たに雨水排水施設として整備し、水路敷につきましては、区画整理事業として、道路等の公共施設や宅地に換地しております。

質問

また区画整理事業実施前は、生活用水を、個々の浄化槽などから、雨水とともに、道路の側溝や水路に排水されていました。今後は下水は、下水道管に排水され、雨水は道路側溝やコンクリート製水路により排水するとのことです。当該地域の人口は、想定よりも上振れる可能性がありますが、生活下水の施設規模で対応可能か、上下水道事業管理者に伺います。また雨水排水施設の設計は、多摩区に甚大な被害をもたらした令和令和元年度東日本大風以前に実施されたものと考えられますが、現状設計で今後の雨水増加にどの程度耐えうるものなのか、伺います。

答弁

(上下水道事業管理者)登戸土地区画整理事業区域内における下水道整備についてのご質問でございますが、分流新規下水道である当該地区の汚水管渠につきましては、「下水道施設計画・設計指針」に基づき、人口増加などに対する余裕量を見込んで流下能力を決定しておりまして、計画人口と1人当たりの計画汚水量から算出される水量の2倍を流下させることができるよう設計し、整備しております。したがいまして、新たに整備している汚水管渠は十分な能力を有しており、人口増加にも対応する能力が確保できております。
(まちづくり局長)登戸土地区画整理事業区域内の計画雨量についてのご質問でございますが、 事業区画域内の雨水排水施設は、5年確率降雨である、1時間当たり52ミリに対応する計画としてございます。

意見

街づくり局から多摩区に移るボックスカルバートはそもそも下水だと考えます。基本的には下水で本来管理しやすいところが管理する方が利便性も上がり、市民の利益にも寄与すると思います。まちづくり局の区画整理事務所は5-10年後には閉まるので移管先をしっかり見定めて頂きたいです。業務のやり方がおかしいということではなく、前提が変わってズレてきているので、早めの精査をお願いします。 区画整理前後でボックスカルバートの整備とU字溝の敷設で水路は整理されていますが、上流と下流での機能等につき更に精査を進めていただきたいと思います。

    

・ 駐輪場・駐車場の付置義務について

質問

特に、駐輪場・駐車場の付置義務は、地権者の収益を圧迫します。金沢市のように「歩けるまちづくり条例」を前提とした協定の上緩和する、あるいは他都市の事例があるように膈地要件の導入はできないのか、まちづくり局長に伺います。

答弁

(まちづくり局長)駐車場、駐輪場の附置義務についてのご質問でございますが、はじめに、駐車場につきましては、建物の規模や用途、また用途地域などに応じて「川崎市建築物における駐車施設の附置等に関する条例」等の規定に基づき、設置を義務付けております。この中で、共同住宅の住戸面積が居一定規模未満である場合や、カーシェアリングを導入した場合には、緩和措置が適用となります。
また、隔地駐車場につきましては、敷地の接する道路に自動車の出入り口を設けることが、法令上等により禁止されている場合や、敷地の形態が著しく不整形又は狭小で駐車場の設置が不可能又は極めて困難である場合などにおいて、特例として、建物の敷地内からおおむね300メートル以内の場所に隔地駐車場を設けることができることとしております。
次に、駐輪場につきましては、自転車等の駐輪需要を生じさせる一定規模以上の商業施設等を新設又は増築する場合において「川崎市自転車等駐車場の附設等に関する条例」に基づき、施設の規模や用途に応じた駐輪場の設置を義務づけております。 この中で、隔地駐輪場の要件といたしましては、当該施設まで歩いて利用できる、おおむね50メートル以内に設置するものと関係局から伺っております

意見

既存の制度で解決できることは多々あると思いますので、制度の周知に努めていただければと思います。

・ 地元自治会との協議及び地域とのつながりについて

質問

最後に当該地域における市民活動についてです。従来より、当該地域では、歴史も人のつながりも充実した町内会・自治会が活躍されています。区画整理後は、活動エリアにも影響が出ます。地元自治会との協議状況について伺います。 町内会・自治会の活動エリアに変化があれば、当然、町内会・自治会を中心に推薦される民政委員・児童委員の選出にも影響が出ます。さらには人口増も起これば、選出数の増も想定しなければなりません。地域の人的繋がりが一層重要となりますが、市民文化局長に見解を伺います。

答弁

(市民文化局長)町内会・自治会についてのご質問でございますが、区画整理後の町内会・自治会の区域につきましては、当該区域にある各町内会・自治会の自主的な協議により合意されるものですが、町内会・自治会は、防災や地域包括ケアシステムの基盤となる地域のつながりづくりに加え、民生委員の推薦に当って重要な役割を担っているなど、コミュニティを支える中核的組織であり、地域と行政をつなぐ大切な協働のパートナーであると考えております。 今後につきましても、多摩区役所と関係局が連携しながら、住民自治組織により暮らしやすい地域社会を築くことができるよう必要な支援に取り組んでまいります。

質問

急速に変化を遂げる登戸・遊園では、地域のつながりが一層重要な局面を迎えます。他市の事例では、住民の地域の誇りを高めるコミュニティ面の施策として、旧町名復活が行われた事例があります。登戸・遊園に対する歴史観と未来への思い、あえて旧町名を用いる手法含め今後の本市の住居表示について、市長に伺います。

答弁

(福田市長)今後の本市の住居表示についてのご質問でございますが、地名は、土地を識別するだけでなく、その土地で育まれてきた歴史が刻まれているものでございまして、その地域に住んでいる人たちの関係や歴史を物語るものであり、生活や文化などについて伝えることができる貴重な文化財の一つと考えております。 住居表示を実施する場合には、地域住民の方々のご意見を伺い、地域の歴史、伝統、文化等も考慮しながら、検討を進めてまいります。

意見

地権者との話し合いは重々進めてこられ、商店街の方々ともよくお話しされてきたと思います。ただ町会等々地域とのお話をもう少ししていただきたいとのお願いをして質問を終了いたします。