議会報告

令和4年9月13日第4回定例会代表質問①

上下水道局の各事業の内部統制のあり方

2022.09.13

・ 上下水道局の各事業の内部統制のあり方について

質問

上下水道局の各事業の内部統制のあり方について伺います。
先月の環境委員会にて、「上下水道局の物品購入における不正行為について」として、下水道事務所および下水道管理事務所での、職員の架空発注・差替え・預け金などの不正行為が報告されました。
これまでの経過としては、二度にわたる市長への手紙をきっかけとして、調査を行なったとのことです。もし仮に市長への手紙がなければ判明しなかったのか、局内でも既に調査に至る動きがあったのか伺います。

また今回の報告に至る前に、神奈川県警の調査を確認したため、局の調査を保留しましたが、それまでの4ヶ月もの調査を経てもなお、議会への報告に至らなかった経緯について伺います。特に、今回報告に至る前の令和4年5月から7月にかけても調査を継続していたにもかかわらず、6月定例会に報告されなかった理由について伺います。
次に、処分対象者についてです。実際に不正行為を行ったのは4人とのことですが、他に同様の行為が存在する可能性はないのか、調査の内容・方法と合わせて伺います。
また不正行為のほとんどは各職員が単独で行っていたとの報告ですが、不正発注あるいは架空発注するという行為そのものは共通しており、他にも類似行為の存在を疑わざるを得ません。もしも同様の行為はないのであれば、しっかりと膿を吐き出したことを、市民に対して根拠と共に示すべきだと考えますが、担当副市長に見解を伺います。

次に、再発防止についてです。委員会でも再発防止に当たって、在庫管理の適正化などについて触れられましたがその内容については十分には説明されていません。一方で平成29年の地方自治法の改正に伴い、本市でも令和2年4月からの内部統制が本格導入されています。今回事案のようなリスクを把握する仕組みは整っていたのか、上下水道事業管理者に伺います。
また、川崎市内部統制の推進に関する要綱では、総務企画局コンプライアンス推進室が、事務に潜むリスクを見える化するなど、庁内周知および認識共有を行うとあります。同時に事務ミス等を起こした課の再発防止策などの取りまとめを行うものとあります。今回の事案について、いつ、どのように報告を受けたのか伺います。
また、総務企画局としてどのように再発防止策を取りまとめるのか伺います。また、既に上下水道局から報告のあった再発防止策は、総務企画局として取りまとめる再発防止策との整合性は保てるのか、見解を伺います。

答弁

(副市長)
不祥事の防止に向けては、これまであらゆる機会を捉え、全庁を挙げて様々な対策を講じてきたところでございますが、この度の不祥事は市政に対する市民の信頼を損なうものであり、大変申し訳なく、事態を重く受け止めているところでございます。
今後、上下水道局が関係局と連携して再調査を行うこととしておりますので、しっかりと事実確認を行い、その調査結果をお示しするとともに、再発防止の徹底を図ることで、市民の皆様の信頼回復に努めてまいりたいと存じます。

(上下水道事業管理者)
はじめに、この度の職員の行為は、市民の皆様の信頼を著しく損なうものであり、深くおわび申し上げます。
調査開始の経過についてでございますが、本件につきましては、市長への手紙をきっかけとして調査を開始したものでございまして、それ以前には不正行為が行われていることについては把握しておりませんでした。
次に、議会への報告についてでございますが、市長への手紙を受け、令和3年4月から調査を開始し、同年9月に調査を保留いたしましたが、その時点では事案の全体像を把握できていなかったことから、議会への報告には至らなかったものでございます。
また、令和4年4月から調査を再開しておりますが、最終的に事案の全体像を解明できたのは8月上旬でございまして、8月25日に処分の発令と合わせて環境委員会に御報告したものでございます。
次に、今回の処分に至る調査の内容及び方法についてでございますが、職員及び事業者へのヒアリング、事業者から提供を受けた資料の分析、上下水道局における物品の発注記録の確認等を行い、下水道事務所等において不正行為を行った職員を特定したものでございます。
次に、リスクを把握する仕組みについてでございますが、本市の内部統制におけるリスクチェックリストでは、「預け」、「差し替え」などの不適切な物品調達をリスクとして認識し、各部署において予防的措置をとることとしておりますが、今回の事例では、受入検査や在庫管理が適切に実施されていなかったなど、チェック機能が働いていなかったものでございます。
今後につきましては、二度とこのようなことが起こらないよう、物品調達に関するルールの明確化、在庫管理の適正化、服務規律に関する研修の実施などに取り組み、再発防止の徹底を図ってまいりたいと存じます。

(総務企画局長)
この度の上下水道局の物品購入における不正行為につきましては、令和4年8月3日に上下水道局庶務課から総務企画局コンプライアンス推進室にこれまでの経緯や今後の対応について具体的な情報提供を受けたところでございます。
それを踏まえ、財政局及び会計室など内部統制推進部署へ必要な情報提供を行うとともに関係者会議を開催し、まずは迅速な注意喚起を行った上で、今後、物品出納に係る検査の強化や契約事務の手引きへの反映により、職員への周知を行うことなどを確認したところでございます。
当該事案につきましては、大変重大な事案であると認識していることから、今後、上下水道局における再調査等も踏まえ、再発防止策につきまして改めて内部統制推進部署と検討・調整を行った上で、市長を委員長とする川崎市内部統制委員会に諮り内容の確認を行うとともに、不祥事防止委員会と連携を図り、課題認識や再発防止に向けた取組について、全庁で共有してまいりたいと考えております。