議会報告

令和2年3月9日予算審査特別委員会

2款3項1目危機管理対策費について

2020.03.09

令和2年3月9日の予算審査特別委員会で質問しました。

質問

危機管理費、いわゆる事業化されているものはおよそ13億円超、その中でもおおよそ11億円計上されている危機管理対策費ですが、そのうち7億円が防災行政無線設備整備事業、これが大半を占めています。

一方で、さきに申し上げたとおり、本市の危機管理に関わる計画策定は十分ではありません。様々危機と題されるものはありますが、そういった非常事態には、事態の内容に応じて、定常組織が受け切れない事態を、いわば特務部隊として関係各所との調整を行う対策本部の仕組みは、要綱として存在してはいます。

しかし、実際は本部が立ち上がった後に現場で誰がどのように動くか、コンセンサスが取れるような計画はございません。危機管理室は、平時においてはその準備や計画調整に当たることになりますが、現状で準備に関するマニュアルの整備、備蓄内容の明確化など、手が回っていないのではないでしょうか。危機管理は忙しいといったことが常態化してはいませんでしょうか。

令和元年東日本台風及び今回の新型コロナウイルス感染症の実感からも、危機管理への需要と期待が高まる中、まずは実効性のある計画策定体制を整える、または計画策定を事業化するタイミングと考えます。見解を伺います。

答弁

危機管理に関する計画等についての御質問でございますが、本市では昨年4月の改正災害救助法に基づく救助実施市の指定に合わせ、発災時における救助実施主体として円滑かつ迅速に救助等を行うため、改めて各種計画や要綱を実効性の観点から確認し、見直す体制として、危機管理室に計画調整担当を設置いたしました。

今回の令和元年東日本台風におきましては、避難所運営における業務フローや備蓄提供の考え方、災害対策本部におけるリスクの確認やフェーズに応じた判断事項等、事前準備の強化が課題であると認識しているところでございまして、今後、外部リソースの活用を含め、計画調整機能の強化に向けて検討してまいります。

(上原)

計画調整担当を設置したことは重要でございます。ですが、調整担当は具体的には2名、計画担当2名、合計4名体制で本当に危機管理計画が早急に立ち上がるものとは考えづらいと考えております。

もし可能であるならば、なぜ今まで計画が立っていないのか矛盾が生じます。全体的に人数が不足しているのではないかと思います。

また、御答弁の中に、外部リソースの活用も含め、計画調整機能の強化に向けて検討するという内容をいただきました。組織づくりと計画づくりを両立する、また、計画づくりの中でも調整と策定と両方あろうかと思いますが、本市職員にしかできない調整の部分に力を注いで、策定部分は外部リソースを活用する、そんなアイデアがあると思われます。

質問

関連して危機管理組織の在り方について伺います。現況の危機管理組織で十分でしょうか。

令和元年東日本台風の直後で、目下、危機管理体制が問われている現況でも予算は前年並みにしか積まれていません。対策費の内容も、もはやレガシーと言えるようなものが主で、昨今の社会状況や、これに応じて変化する市民の期待に応えるものに近づけていく、今は攻めの姿勢、攻めの危機管理が必要ではないかと考えています。

より機動的な組織体制を目指すべく、また人事権及び予算決定権限を危機管理室に与えるべきと考えますが、見解を伺います。

答弁

各局区の危機管理施策を統括し、それぞれの主体的な取組を有機的につなげる総合調整機能として総務企画局に危機管理監を平成30年度に設置し、災害時の動員体制の見直しや、避難所を運営する職員の人材育成等の取組を進めてまいりました。

今後も起こり得る危機事象に対しましては、臨機応変な対応と、市民の皆様とともに一丸となって災害対応を行う組織風土の醸成も必要であると考えており、自助、共助、公助のバランスを図りながら総合的な危機管理体制の充実に努めてまいりたいと存じます。

(上原)

有機的につなげる総合調整機能という点はとても理解できます。効率的に進めていきたいということだと思われます。

また、平成30年度に危機管理監を設置したばかりという背景についても承知しております。災害時の動員体制の見直し、避難所運営に当たる職員の育成についても、さきの班体制の話の中でよくわかりました。

ですが、つなげるためのハブ機能としての危機管理室のリソースや、その自由度は本当に担保されているのか、もしこれが足りないのならどう対処するのかという点、危機管理監の外部リソースの活用も視野に入れるとの答弁と併せて、機動的に動いてくださることを期待しております。ぜひ即応性の高いものに関しては事業化して対応していただくようお願いいたします。

加えて、ほかの自治体では、危機管理費目の中に、災害時避難所となる小中学校体育館へのエアコンの設置など、危機管理という観点からほかの市民の要望にも応えるというモデルも出ておりますので、釈迦に説法とは存じますが、ぜひこれらも事業化を検討していただくと同時に、事業化した際の、そもそもの担当のリソースが必要であるということも踏まえて、組織の在り方を再度御検討願います。

また、御答弁の後半にありました市民の皆様とともにという点ですが、市民と危機管理を調整するそのワークホースは本当に不足していないのか、もう一度確認をお願いいたしたいと思います。