議会報告

令和2年6月10日6月総務委員会 代表質問

川崎市環境基本計画改定素案について

2020.06.10

質問

川崎市環境基本計画改定素案について伺います。

環境、経済、社会の複合的な課題や気候変動など地球規模の環境の危機的状況に加え、少子高齢化や人口減少等、環境行政を取り巻く状況が大きく変化したことを踏まえ、持続可能なまちづくりを一層推進するため、川崎市環境基本計画の改定がなされるとのことです。現行計画について、おおむね順調に取組が進捗したとの判断ですが、その具体的な評価を伺います。

答弁

現行計画の評価についてでございますが、毎年度、年次報告書を作成し、政策ごとに評価を行っておりまして、これまで多様な主体との協働・連携により、地域からの地球環境保全や施策による緑地保全が図られるなど、現計画に基づく取組はおおむね順調に進捗してきたものと考えているところでございます。

質問

現行計画の達成状況について、環境に優しい循環型社会が営まれるまちを目指す政策ですが、平成27年度を境に評価BからCになり、以降改善ができておりませんが、その原因を伺います。

答弁

資源循環分野の評価についてでございますが、ごみ焼却量などが順調に減少する一方、一部の資源物の分別率の停滞等により、家庭系資源化率が減少傾向にあることの影響などから、C評価のおおむね施策は進捗しているとしているところでございます。

質問

令和12年度の人口ピークを踏まえた本計画ですが、その反映部分を伺います。

答弁

改定素案への人口推計の反映についてでございますが、当面人口が増加する中におきましても、温室効果ガス排出量やごみ焼却量を減少させる等の施策の方向性についてお示ししております。

質問

基本条例に定められている市民の責務、事業者の責務について、その理解と促進のためにどのような取組をしているのか伺います。

答弁

市民、事業者の責務に関わる理解促進に向けた取組についてでございますが、現計画におきましても、環境配慮に資する取組を指針としてお示ししておりますが、改定素案におきましても、基本的施策の中で具体的な行動例をお示しすることにより、市民、事業者の環境配慮行動に結びつくよう工夫を図ったものでございます。

質問

本計画は、庁内各局横断で取り組んでいくことも重要です。例えば基本方針の、これまで培った協働の精神を次の世代へ引き継ぐことについては、これからのコミュニティ施策の基本的考え方や地域包括ケアシステム構築とも深く関連しています。他局横断の取組について見解を伺います。

答弁

施策横断的な取組についてでございますが、災害時にも活用できる多様なエネルギーの創出やフードドライブといったごみの減量化に向けた取組による社会貢献など、環境課題の解決に加え、様々な地域課題の解決にも貢献する取組やSDGsの考え方を踏まえた環境教育・学習の実施など、関係局等と連携しながら総合的な取組を推進してまいりたいと考えております。

質問

本計画の目標指針「自然共生」について、本市は南北で自然環境の特徴を持ち、その数値目標は各区ごとに設定することが重要ですが、見解を伺います。

答弁

自然共生分野の取組についてでございますが、新たな環境基本計画におきましては、環境分野の個別計画との役割を明確化し、環境基本計画は、環境施策全体に関わる方向性や横断的な視点を示すものとし、個別計画は、各分野の具体的な取組を網羅的に位置づけるものとしております。自然共生分野におきましては、川崎市緑の基本計画や生物多様性かわさき戦略などにおいて、施策目標や具体的な取組を位置づけているところでございまして、各計画において、より効果的な手法について検討していくものと考えております。

質問

現行計画では、3Rの取組を三位一体に推進していましたが、本計画ではリサイクルは別立てになっております。その意図を伺います

答弁

3Rの位置づけについてでございますが、環境負荷の低減を図るためには、リデュース、リユースの、いわゆる2Rの取組を優先的に推進することが大変重要であり、川崎市一般廃棄物処理基本計画では、そうした考え方を位置づけていることから、改定素案におきましても、リサイクルはもとより、2Rの取組を一層推進することとしております。

質問

計画の推進について、地域の環境保全活動への参加の促進等で市民や事業者との協働・連携体制の充実を図るとのことですが、市内活動団体の把握はできているのか伺います

答弁

環境に関する活動団体等についてでございますが、地球環境保全や自然共生、廃棄物の減量など、環境の各分野における協働・連携の取組等を通じ、関係団体やその活動状況について把握しているところでございます。

質問

ウェブアンケートにおいて、本計画の認知が低いという結果が出ており、それを踏まえて効果的な情報発信について強化すべきと考察しています。現状行っている情報発信について、また今後の強化策を伺います。

質問

本市には、環境に関するSNSアカウントやアプリ、定期発行の冊子といった媒体が複数あり、イメージキャラクターも多数います。本計画は、本市の環境に関する取組の根幹となっている大変重要なものであり、本計画単体の認知度向上の取組に加え、既存媒体と相乗効果になるよう、戦略的にそれらを整理、管理運営することも重要ですが、見解を伺います。

答弁

情報発信等についてでございますが、市ホームページや各種SNSの活用、紙媒体の発行などにより随時情報を発信しているところでございます。今後につきましては、各主体の積極的な参加を促すため、市民や事業者が環境に対する関心を持ちやすい課題設定、伝え方の工夫やICTを活用した双方向コミュニケーションの拡充など、相乗効果につながる情報発信を戦略的に実施してまいります。

質問

本計画の期間は、令和3年度から令和12年度の10年間です。今後、アフターコロナという考えにおいて、新たな日常をつくり上げていく必要があり、新しい生活様式が前提となることが想定されます。生活に密接に関係する本計画の改定は、そのような観点も避けることはできませんが、見解を伺います。

答弁

いわゆるアフターコロナについてでございますが、テレワークの急速な普及など人の行動様式が大きく変化しておりますので、こうした社会動向を十分に注視し、秋までに策定する計画改定案を検討する中で、状況変化等につきまして適切に反映してまいります

質問

関連して、川崎市気候変動情報センターの設置についてです。

本センターは、地域における気候変動影響や適応に関する情報の収集、整理及び調査研究等の機能を担う拠点として、環境総合研究所内に設置されました。

まず、庁内関係各課の課題の吸い上げ、それに対する適応策の提案や分析結果の共有について、その方法を伺います。

答弁

川崎市気候変動情報センターについての御質問でございますが、同センターは、気候変動影響及び気候変動適応に関する情報の収集、整理、分析等を目的として、本年4月、環境総合研究所内に設置したところでございます。

初めに、庁内における取組についてでございますが、センターの設置に当たり、関係各課にヒアリング調査を実施し、気候変動に関わる課題等の抽出を行ってきたところでございます。こうした課題等につきましては、国が持つ関連情報の提供を受け、分析、整理して、各施策に生かせるよう、関係各課に還元してまいりたいと考えております。

質問

会議体をつくり、日々の情報交換を図ることも有効ですが、見解を伺います。

答弁

会議体につきましては、今後、川崎市温暖化対策庁内推進本部の活用なども含め、設置について検討してまいります。

質問

市民への情報発信について、本センターと庁内関係各課の役割やフローを伺います。

答弁

情報発信についてでございますが、本市のホームページや環境総合研究所のSNS等を通じて広く市民に情報発信を行うとともに、様々な情報の中から、関係各課へ施策に関連した情報を提供し、適応策の推進につながるよう支援してまいりたいと考えております。

質問

気候変動に関する情報の適応について、各種災害等に反映できる今後の取組の計画や可能性はあるのか伺います。

答弁

今後の取組についてでございますが、これまで環境総合研究所において、大気常時監視により収集した気温データや消防局がまとめた熱中症による搬送状況等を用いて分析を行っており、こうしたデータを活用し、効果的な熱中症予防、暑熱対策につながるよう取り組んでまいります。

質問

本センターの役割フロー図に、市民や事業者からの事例の収集があります。それぞれの収集方法を伺います。

答弁

市民や事業者からの情報収集についてでございますが、様々なセミナーやイベントにおいてアンケートを実施するなどにより、適応策の取組事例などの調査を行ってまいりたいと考えております。

質問

国や県との連携や情報共有の方法を伺います。

答弁

国や県との連携についてでございますが、国立環境研究所との暑熱環境に関する共同研究への参加に向けて準備を進めているところでございます。また、神奈川県市環境研究機関協議会において、神奈川県、横浜市と優良事例等の情報共有を図っており、こうした広域的な情報を本市の適応策の推進に生かしてまいりたいと考えております。