議会報告

令和5年9月13日代表質問⑧

指定都市市長会議について

2023.09.13

質問

「第56回指定都市市長会議」について、及び指定都市市長会「多様な大都市制度実現プロジェクト」について伺います。
まず始めに、今回の指定都市市長会議の内容について伺います。また、成果等があれば伺います。

答弁

(総務企画局長)
「第56回指定都市市長会議」につきましては、会議冒頭に松本総務大臣との意見交換が行われ、「多様な大都市制度の早期実現に向けて」及び「生成AIについて」をテーマに活発な議論が行われるとともに、議題として、本市から提案した「サイバーセキュリティ対策に対する指定都市市長会要請」を含め、国に対する4件の要請及び提言案が採択されたところでございます。
なお、4件の要請等につきましては、会議後速やかに関係省庁への要請活動を終えたところでございまして、本市は、谷内閣府特命担当大臣及び長峯経済産業大臣政務官へ、サイバーセキュリティ対策に対する指定都市の課題等について、働きかけを行ったところでございます。

質問

多様な大都市制度実現プロジェクトについて、構成メンバーについて改めて伺います。また、会議の内容についても伺います。

答弁

(総務企画局長)
「多様な大都市制度実現プロジェクト」につきましては、福田市長をプロジェクトリーダーとして、13の市長が参加し、特別市の法制化に向けた機運醸成の取組を進めているところでございます。
第5回プロジェクト会議では、9月から3月までを重点取組期間として指定都市が一体となって情報発信を行っていくことなどを確認するとともに、特別市がもたらす具体的なメリットや圏域の発展による効果などについて、学識経験者をお招きし、意見交換を行ったところでございます。

質問

多様な大都市制度とは、法制化されている政令指定都市制度、及び特別区設置制度に加え、特別市制度の法制化を目指し、各政令指定都市に選択肢の幅を持たせると理解しております。特別区設置制度所謂大阪都構想の住民投票に至るまでは、スピード感がありました。コロナ禍において、例えば、国から県に来たワクチンが、基礎自治体である本市に中々届かなかった事案が、奇しくも特別市についての議論を加速化させる要因になりました。選択肢の一つの特別市制度も早期実現を目指すべきと考えますが、見解と目標について伺います。

答弁

(総務企画局長)
新型コロナウイルス感染症など、多様化、複雑化する行政課題に迅速、的確に対応するためには、住民に身近な基礎自治体である指定都市に権限と財源を一元化し、地域における全ての事務を一体的に担うことが重要であると考えており、引き続き、特別市の法制化の早期実現に向けて取組を進めてまいります。

質問

政令指定都市とその広域自治体との二重行政が少なからず存在しておりますが、改めて具体的な例について伺います。
また、政令指定都市である本市の認識と広域自治である神奈川県の認識はどの程度整合しているのか伺います。

答弁

(総務企画局長)
二重行政の事例といたしましては、就労支援相談窓口の設置など広域自治体と基礎自治体が同一の施策を実施しているものや、私立幼稚園と認定こども園の認可・認定権限の所管が異なるなど類似の行政分野で広域自治体と基礎自治体に事務・権限が分断されているものなどがございます。
また、昨年3月に神奈川県が公表した「特別自治市構想に対する神奈川県の見解」では、特別自治市構想が二重行政にあたると指摘している事例は、法令による役割分担がなされているものや、住民ニーズに基づくものであり、二重行政の指摘は当たらないなどの見解が示されたところでございます
これを受けまして、昨年7月に、県内3指定都市の市長による共同記者会見を開催し、二重行政による弊害は存在するなど、3市の基本的な考え方と今後の方向性を明らかにしているところでございます。

質問

福田市長はじめ県内政令指定都市市長と神奈川県知事では話し合いが始まっておりますが、現場レベルでの市と県の職員間での議論がないように伺えます。勿論我々市議会議員も県議会議員と様々な場において議論を展開しておりますが、職員間議論は始めないのか伺います。

答弁

(総務企画局長)
市と県の職員間での議論につきましては、これまでも特別市の法制化の実現に向けた様々な取組の中で、事案に応じて、情報交換や資料提供依頼など、必要な事務調整を行っているところでございます。
特別市制度の創設については、我が国の大都市制度改革の取組として、今後もトップレベルでの協議が行われる中で、引き続き、職員間での必要な事務調整も進めてまいります。

質問

総理大臣の諮問機関である、地方制度調査会は、見解はどのように示されているのか伺います。

答弁

(総務企画局長)
地方制度調査会の見解につきましては、第30次地方制度調査会の答申において、特別市が警察事務を担う場合の広域犯罪への対応などの課題も一部示されておりますが、特別市の区域内における二重行政が完全に解消され、今後の大都市地域における高齢化や社会資本の老朽化に備えた効率的・効果的な行政体制の整備に資する点で大きな意義を有するとともに、大規模な都市が日本全体の経済発展を支えるため、一元的な行政権限を獲得し、政策選択の自由度が高まるという点にも意義があるとされているところです。

質問

特別市移行に向けては、財政論は欠かせません。本市が特別市になった場合に、現段階の個人または法人市民税と県民税はどのような扱いになるのか伺います。また、県管轄の警察行政等を除き、本市の財源はどのように確保する想定なのか伺います。
加えて、二重行政が解消された場合の財政効果についても伺います。

答弁

(総務企画局長)
市民税と県民税の取扱いや本市の財源確保につきましては、特別市は県の区域外となることから、現在、県民税として負担している分を市民税として負担いただくことを想定しておりますが、詳細につきましては、今後の特別市の法制化に向けた地方税財政制度の見直し等の検討の中で、具体的に整理されていくものと考えております。
そのため、特別市が担う事務量に見合った適切な税配分がなされるよう引き続き国等へ要請してまいりたいと考えております。

二重行政が解消された場合につきましては、行政サービスの利便性向上や行政課題への対応の迅速化のほか、効率的・効果的な行政体制の整備などによる財政効果があるものと考えております。

意見要望

(上原)
ご答弁で、本市は広域自治体と基礎自治体が同一の施策や、事務・権限が分断されているとありながらも、県は二重行政の指摘には当たらないと、議論の平行線は変わっておりません。これでは、本市と県の職員間レベルでの議論が始まらないのは言わずもがなであります。

現在は、情報交換や資料提供依頼など、必要な事務調整を行っているとの事ですが、一日でも早い本音での議論が始まるよう期待しております。二重行政が解消された際は、行政サービスの利便性向上や迅速な対応、はたまた、財政効果もあるとの答弁があるならば、市民理解は更に深まっていくと思います。
各大都市が特別市に当てはまるとは思いませんが、少なからず本市は特別市を目指しておりますので、市民説明会など通じて、多くの市民の方々にご理解をいただける様要望します。