議会報告
令和6年9月12日代表質問
川崎市立看護大学条例と川崎市健康保険条例について
2024.09.12
・議案第165号、川崎市立看護大学条例の一部を改正する条例について
質問
議案第165号、川崎市立看護大学条例の一部を改正する条例の制定について伺います。
川崎市立看護大学に大学院を置くために改正するものですが、大学院開学の意義と思いを伺います。博士前期課程の助産コースの学生は原則として既存校舎に通い、それ以外の学生は第2キャンパスとして川崎フロンティアビルに通うとのことです。費用低減のために市有施設は検討されたのか、当ビルの選択に至った経緯と判断理由を伺います。
答弁
(健康福祉局長)
市立看護大学大学院についての御質問でございますが、大学院開学の意義につきましては、地域において地域包括ケアシステムの推進役となる人材、高度な専門性と実践力を有する看護職等を養成することで、地域包括ケアシステムをより実効性のあるものとし、本市が取り組む全市民を対象とした地域包括ケアシステムの推進に寄与するものと考えております。第2キャンパスの開学場所につきましては、地域で活躍する社会人が働きながら通うことを想定し、アクセスのよい川崎駅近隣にキャンパスを設置することとして検討してまいりました。そうした中、令和3年8月の第4庁舎庁内利活用希望調査において、大学院キャンパスとしての利用を希望したところでございますが、その後、同庁舎での開学が難しい状況となったことから、新本庁舎整備に伴い空きフロアが生じる複数の民間ビルと協議を重ねてまいりました。結果として、必要面積を確保できることと、学校設置に伴う用途変更等、建築基準法への対応を踏まえ、合意に至った川崎フロンティアビルに設置することとしたものでございます。
質問
収容定員や専任教員といった大学院の規模感と施設規模の整合性について伺います。博士前後期制とはいえ、専攻数と定員といった面で限られた規模でのスタートとなります。
今後強化していきたい研究あるいは専門職育成の展開と規模感に対する見解を伺います。特に医師の働き方改革に向けても、特定行為に係る看護師教育については喫緊の課題ですが、大学院における特定行為研修の目指すべき方向性について見解を伺います。
また、大学院設置の必要性として、ライフサイクル全般で女性の性と生殖に関わる健康を支援する人材の養成と掲げていますが、特化した理由を伺います。
答弁
(健康福祉局長)
大学院の収容定員等の規模感と施設規模の整合性につきましては、第2キャンパスには博士前期課程の研究コースと高度実践看護コース及び博士後期課程の学生が通うこととし、収容定員は合計で45名、同キャンパスに研究室を設ける教員は4名となり、必要なゼミ室や実習室、研究室等を機能的に配置する整備を予定しているところでございます。大学院の今後の展開につきましては、まずは2年間の博士前期課程、3年間の博士後期課程を計画に基づき適正に履行できるよう取り組んでまいります。その後の収容定員や養成コースの内容等につきましては、今後の医療施策や、市内における専門看護師資格取得者、特定行為研修修了者の動向等を踏まえながら、適宜、検討してまいりたいと考えております。特定行為研修につきましては、大学院では高度実践看護コース履修生に対する選択科目としているところでございまして、今後の選択者、履修者の状況を注視してまいります。
助産コースで養成する人材像につきましては、大学院の設置の趣旨、目的において、ライフサイクル全般で女性の性と生殖に関わる健康を支援する人材としたところでございまして、大学院では、市が目指す全市民を対象とした地域包括ケアシステムの構築に資するため、出産前後だけではなく、出産後も女性のライフサイクル全般において関わることのできる助産師の養成を行うものでございまして、医療機関内のみならず、地域で活躍することを期待するものでございます。
質問
大学院設置の意義を満たすには、川崎病院との連携も重要となります。連携の内容とその重要性について伺います。入学料について、市内在勤者に対する優遇措置の判断理由が、卒業後に市域で活躍する可能性が高いとしていますが、入学後あるいは卒業後に市外へ転職した場合はどのような対応となるのか伺います。例えば大学の制度である地域定着促進奨学金では、市内医療機関等に就職し業務に3年間従事した場合、貸与金額の返還を免除、地域就職促進奨学金では、市内医療機関等に就職した場合は利息を免除と明確に定めております。見解を伺います。
答弁
(健康福祉局長)
川崎病院との連携につきましては、大学院設置申請に当たり、市立病院をはじめとする複数の市内医療機関から、高度実践看護コース、特定行為研修、助産コースにおける実習施設として院生の受入れについて御承諾をいただいているほか、講師として授業を実施していただくなど取り組んでいるところでございます。市内医療機関等との連携は、より高度な専門性と実践力を有する看護職の育成において、また卒業後の進路・就職先の選択において重要であると考えておりますので、引き続き取り組んでまいります。
市内在勤者に対する入学料の優遇措置につきましては、現在市域で活躍している方に入学いただき、働きながらスキルアップし、卒業後においても市域でさらなる活躍をしていただくことを目的としたものでございまして、大学における奨学金制度とは異なり、仮に入学後や卒業後に市外に転職した場合であっても返還を求めることは想定しておりません。
再質問
医師の働き方改革につながるなど、今後の大学院機能の拡充に期待されるところです。改めて、今回開学する大学院について、将来的な拡充の必要性について健康福祉局長に伺います。
また、先ほどの答弁では、第4庁舎への展開を希望したが開学が難しかったとのことです。開学が難しかったその理由について、施設利用調整を管轄する総務企画局長に伺います。
また、今後の第4庁舎の利用調整のスケジュールを伺います。あわせて、利用調整に当たっては最低限必要な現状のみならず、同大学院の将来的なビジョンも視野に選定に当たるべきかと思いますが、見解を伺います
答弁
(総務企画局長)
令和3年8月に第4庁舎に係る庁内利活用希望調査を行い、候補の中から上下水道局の本庁機能、事務所機能の再編を中心に、大学院キャンパスを含め複数の機能を組み合わせたパターンに対し整理を進めてまいりましたが、この間の物価高騰など様々な状況変化が生じたことにより、令和5年7月に上下水道局から利活用希望の取下げがございました。こうした状況変化の下、大学院キャンパスにつきましては、令和7年4月の開学に向け建築基準法への対応などについて関係局と検討調整を行いましたが、開学までのスケジュールに合わせることが困難と判明したため、民間ビルでの開学を決定したところでございます。第4庁舎の本格活用に向けましては、大学院を含めて、中長期的な視点で検討を進め、令和7年度末を目途に方向性を整理してまいります。
(健康福祉局長)
大学院の将来的な拡充につきましては、市内における医療現場のニーズ及び専門看護師資格や特定行為研修の入学志願者の動向等を踏まえるとともに、地域包括ケアシステムの進展度合いに応じて適宜検討してまいりたいと存じます。
・議案第165号、川崎市立看護大学条例の一部を改正する条例について
質問
議案第166号、川崎市健康保険条例の一部を改正する条例の制定について伺います。国民保険法の一部改正により、被保険者証の返還の求めに応じない者に対し過料を科する規定を削除すること等のため、改正するものです。対象者数を伺います。
対象者に対しては10万円以下の過料とありますが、実際に適用された事例及びその金額を伺います。また、条例の改正後、対象者にはどのような対応がされるのか伺います。
答弁
(健康福祉局長)
被保険者証の返還を求め、応じなかった件数につきましては、本年7月末現在約1,200世帯でございまして、本市において過料の適用は確認できる範囲においてございません。条例改正後の返還請求の対象者につきましては、被保険者証の返還を求めないことから、その求めに代わる通知を対象者に送付することが国民健康保険法で定められており、その通知を行う前に、納付勧奨、相談機会の確保等、納付に資する取組を行った上で、特別療養費への切り替えを行うよう規定されております。具体的な事務手順や切り替えの時期につきましては、今後、国から示される予定の事務フローを参考にしてまいりたいと存じます。