議会報告

令和7年決算審査特別委員会⑧

北朝鮮による日本人拉致問題について

2025.10.03

質問

平成14年9月、北朝鮮が日本人を拉致したことを認め謝罪し、同年10月には5名の拉致被害者が帰国しました。23年が経過しますが、その後、帰国者は一人もなく、被害者家族におかれては高齢化も進み、日朝交渉のめども立たず、膠着状態に陥っています。拉致問題の早期解決が求められる中、昨年度、本市では、拉致問題に関する情報収集活動、分析、事務処理をどのように行ったのか伺います。

答弁

(市民文化局長)
初めに、情報収集等につきましては、本市では例年、内閣官房拉致問題対策本部において集約、公表している諸外国や国際機関との連携に関する情報や、各自治体における取組状況に関する情報を得ているほか、県及び県内各市町村で構成する拉致問題連絡会議において、拉致被害者や特定失踪者に関する情報を収集し、状況を確認しております。また、拉致被害者の方々が帰国した際の支援体制に関する情報等を庁内で共有するため、副市長を座長とする拉致被害者及び被害者家族支援連絡会議を開催しているところでございます。

質問


平成18年には、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律が施行され、国や地方の責務が定められ、北朝鮮人権侵害問題啓発週間が創設されましたが、昨年度の啓発週間での取組及び市民の関わりについて伺います。

答弁

(市民文化局長)
啓発週間における取組につきましては、昨年度は当該期間を中心として、「めぐみちゃんと家族のメッセージ~写真展」を市役所本庁舎25階において5日間開催したほか、他の6区で延べ19日間で約9,000人の方々に足を運んでいただいたところでございます。次に、市民意識の把握につきましては、令和2年度に実施した人権に関する市民意識調査では、北朝鮮当局による日本人拉致は、我が国の主権及び国民の生命と安全に関する重大な問題であると思うかとの質問に対し、約90%の方々が「そう思う」または「どちらかといえばそう思う」と回答しており、現在取りまとめを行っている今年度の調査結果を踏まえながら、引き続き拉致問題を風化させないための取組を進めてまいります。

質問

本市議会では令和2年6月に、北朝鮮による拉致問題を風化させないための取組が続けられるよう努めるとともに、拉致被害者の即時帰国の実現に向け、国際社会が連携し、北朝鮮に対する働きかけを継続することを強く望むとした北朝鮮による日本人拉致問題への取組に関する決議を行い、帰国に向けた様々な取組を行っていますが、市民の関心度をどのように把握しているのか、見解を伺います。昨年度実施されたカワサキ・ユース・ミーティングの取組状況と結果及び本市が以前取り組んだ拉致問題啓発舞台劇の現状と本市での再度の上演についての考え、その可能性について伺います。

答弁

(教育長)
人権尊重教育研究推進校である日吉中学校におきましては、社会科の歴史的分野の現代の日本と世界の中で拉致問題を取り上げ、昨年度のカワサキ・ユース・ミーティングでの横田拓也氏の講演動画を視聴し、学習を深める取組をしております。この社会科での学習を踏まえ、後日の道徳の授業で拉致問題に関する中学生サミットで制作されたCMを視聴し、家族愛をテーマに各グループでキャッチコピーを考え、意見交換することを通して、家族愛に気づくことを狙いとした授業を展開しております。加えて、本年11月には、校内で拉致パネル展を計画し、授業だけではなく、人権週間等を利用して広く伝えることを予定しております。今後も、子どもたちが拉致問題に関心を持ち、風化させてはいけないという気持ちを持つことができるよう、こうした教科横断的な優れた実践事例を各学校に周知するなどの取組を進めてまいります。

(市民文化局長)
令和6年11月22日に王禅寺中央中学校で開催し、当日はオンライン参加を含め計7校、約1,500人の中学生が参加し、アンケートでは約99%の生徒から拉致問題についての理解が「深まった」または「どちらかといえば深まった」と回答しており、拉致問題を解決するには一人一人が考えて行動することが大切だと思った、拉致された人が早く帰ってこられるように関心を持ち続けたいと思ったなどの感想がございました。次に、拉致問題啓発舞台劇につきましては、拉致問題への認識を深めること等を目的として、拉致問題対策本部が公募し、各自治体と共催で実施しているものでございまして、平成25年度から令和6年度までの間に全国で計66公演が開催されております。本市におきましては令和2年1月にカルッツかわさきで開催したところでございまして、今後につきましては、他都市の開催状況等を踏まえながら検討してまいります。

質問

市長は就任以来、拉致問題に強い関心を寄せ、率先して広報や啓発に取り組んでいますが、拉致問題をどのように受け止め、進展しない原因はどこにあるのか、何を優先して取り組むべきか、首長として何をなすべきか、伺います。

答弁

(市長)
5人の拉致被害者の方々が帰国してから、この10月で23年が経過いたします。拉致被害者に係る外交交渉については国の専管事項でありますが、本市ではこれまで、自治体として何ができるかを考え、より多くの方々、特に若い世代に向けて、この問題を風化させないための取組を行ってまいりました。拉致被害者家族の年齢などを考えると、この問題の一刻も早い解決が求められることから、引き続き御家族に寄り添いながらしっかりと啓発に取り組むとともに、市民の皆様と共に、北朝鮮に残されている拉致被害者の方々の一日も早い帰国を願い、支援の輪を広げていけるよう取り組んでまいります。

質問

学校教育においては、児童生徒の発達段階に応じて、人権の意義やその内容、重要性について、人権が尊重される社会づくりに向けた行動につながる人権教育を目標として取組を進めていると思いますが、児童生徒の人権感覚の育成について見解を伺います。あわせて、道徳、総合学習、校外学習等における授業の中では拉致問題についてどのような取組が行われているのか、DVDアニメ「めぐみ」の視聴についての取組状況を伺います。

答弁

(教育次長)
児童生徒の人権感覚の育成につきましては、人権が尊重される社会づくりに向け、日常の授業や学級会、生徒会活動、人権講演会など、全ての教育活動を通して、人権侵害を受けている人々を支援しようとする意欲や態度、他者の立場に立って共感する力やコミュニケーション能力等の育成、向上を意識的に図ることが重要であると考えております。次に、授業における拉致問題の取組等につきましては、道徳では、アニメ「めぐみ」の視聴等を行い、自分と同じ中学生に起こった出来事であると知り、家族の心の痛みに共感し、家族愛に気づくことを狙いとした授業を行っており、総合的な学習の時間では、SDGsの目標16、平和と公正をすべての人にの学習と関連させて拉致問題についての理解を深め、自分ができることを考える授業を行っております。また、アニメ「めぐみ」につきましては、令和6年度は、市立学校14校で、道徳や総合的な学習の時間のほかに、社会科の公民的分野、歴史的分野等で視聴しており、もし自分の家族にこんなことがあったら悲しくて何もできなくなる、このような出来事があったことを忘れずに受け継いでいかなければいけないという生徒の感想が学校から報告されております。

質問

拉致問題に関連した優れた実践事例等があれば教育長に伺います。

答弁

人権尊重教育研究推進校である日吉中学校におきましては、社会科の歴史的分野の現代の日本と世界の中で拉致問題を取り上げ、昨年度のカワサキ・ユース・ミーティングでの横田拓也氏の講演動画を視聴し、学習を深める取組をしております。この社会科での学習を踏まえ、後日の道徳の授業で拉致問題に関する中学生サミットで制作されたCMを視聴し、家族愛をテーマに各グループでキャッチコピーを考え、意見交換することを通して、家族愛に気づくことを狙いとした授業を展開しております。加えて、本年11月には、校内で拉致パネル展を計画し、授業だけではなく、人権週間等を利用して広く伝えることを予定しております。今後も、子どもたちが拉致問題に関心を持ち、風化させてはいけないという気持ちを持つことができるよう、こうした教科横断的な優れた実践事例を各学校に周知するなどの取組を進めてまいります。