議会報告
令和5年9月13日代表質問・全文
2023.09.13
令和5年第4回定例会代表質問に登壇しました。
上原
私は、自由民主党川崎市議会議員団を代表し、令和5年第4回定例会に提出されました諸議案並びに市政一般について質問をいたします。
さる9月1日、関東大震災より100年を迎えました。来年、市制100周年を迎える川崎市は、その震災からの復興の最中に誕生しました。近年では震災や火災に加えて、気象変動に伴う大雨、内水氾濫、あるいは土砂崩れなどの災害リスクは高まる一方であり、日々の気温上昇や類を見ない降雨という形でも、つぶさに感じられるところです。
また、この10年の中、本市は田島町、中原町、高津町、日吉町、橘村、稲田村、生田村、宮前村、向丘村、柿生村、岡上村を編入し、現在の東西に長い特徴的な地勢を得ました。その後、政令指定都市となり、現在の区割りに移行するとともに、特に日本の高度成長期の基幹産業を支え続けてきました。その後、バブル崩壊、国内生産拠点の海外流出、そして第3次産業の進展など、世界的な産業構造の変化とともに、その求められる役割も大転換を余儀なくされています。
加えてコロナ禍に端を発した世界的な経済不安、さらに拍車をかけたロシアによるウクライナ侵攻、そしてこれに伴うありとあらゆるコスト増は、市民生活や一般企業はもちろん、安定性を求められる自治体の運営環境にも大きく暗い影を落としています。本市の財政運営においても、少子高齢化の中に活路を見出す政策が求められる局面です。
一方、明るい話題としては、先日、日本男子バスケットボール代表アカツキジャパンが、48年ぶりの自力でのオリンピック出場を勝ち取り、日本中に歓喜の声をとどろかせいまだその興奮を忘れえない市民も多い事かと思います。一勝をも上げることができなかった前回大会、東京オリンピックの結果からの大躍進を果たしました。その背景にはヘッドコーチの主体者意識を育む指導方針が、選手の心に火をつけ、大差をつけられる局面においてもシュートに挑み続ける姿勢が結果につながったものとのことです。
本市においても、大きな変化を求められるこの局面にこそ、志高く、過去の経験を未来につなげ、「川崎市に関わる全ての人がキープレイヤー」であると奮い立つことを期待しつつ、川崎らしい、輝かしい次の百年に向けた夜明けを実現するために、厳しくも生産的な議論を展開することをお約束し、以下、質問いたします。
質問
(上原)
はじめに、令和4年度一般会計・特別会計の決算について伺います。
一般会計決算は、歳入総額が約8580億円に対し、実質収支額は19億4000万円となりました。令和2年度、3年度とコロナ禍において緊急時の対応を迫られる中での財政運営が行われ、令和4年度においても、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、新型コロナウイルス感染症に対応した財政運営が進められました。コロナ対応を除いた歳入・歳出規模、新型コロナウイルス感染症が本市の財政に及ぼした影響について伺います。
歳入の根幹である市税は、所得の増加による個人市民税の増などにより、2年ぶりの増となり過去最高を更新しました。個人市民税の増は、官民が一体となって取り組んできている構造的な賃上げの成果で、賃上げによる個人所得の増加に伴い、住民税が増えたことも要因であると推察されます。所得の増加による個人市民税の増の詳細な分析について見解を伺います。新増築による固定資産税の増については、所得の増のほか、人口増も影響していると思われます。実施計画の策定に向けた将来人口推計では、本市の人口は令和12年頃に約160万人となりピークを迎えることとなっておりますが、令和3年度は対前年度比で、2078人の増、令和4年度は550人の増であり、今年度は人口増の陰りが顕著となっています。人口推計の見直しの必要性と財政運営への影響、収支フレームの見直しについて伺います。
臨海部における国際戦略拠点の形成や大規模な土地利用の転換により、成長が見込まれる分野の産業振興の取組を進めてきておりますが、税収増など令和4年度決算への影響について伺います。
また、川崎大師、ミューザ川崎を始め等々力緑地、藤子・F・不二雄ミュージアムや、さらにラゾーナ川崎やグランツリー武蔵小杉など、市外からの来訪者が増加しております。来年は川崎大師の10年毎の大開帳奉修(赤札授与)の年でもありより多くの方々が川崎を訪れます。こうした動きを商店街の活性化や税源涵養に繋げていくべきと考えますが、見解を伺います。
ふるさと納税により、市税の流出額は加速度的に年々拡大しています。令和4年度の流出額は、過去最高の約104億円となった一方、寄附額については決算額が約6億円で昨年度の約9億円を下回る結果となっております。ふるさと納税は、自治体は納税者の「志」に応えられる施策を向上し、一方で、納税者は地方行政への関心と参加意識を高めるものでありますが、寄附の状況と今後の対策について伺います。
歳出における扶助費ですが、決算額は約2386億円で前年度の約2390億円を下回りました。子育て世帯への臨時特別給付金事業の減によるものと推察しますが、こうした臨時的な支出を除いた扶助費の動向と今後の見込みについて伺います。
エネルギーや原材料などの価格高騰、円安の進行などにより、物価の高騰が続いています。令和4年度における公共事業への影響と今後の見込みについて伺います。
燃料費、水熱光熱費も上昇しておりますが、令和4年度決算における影響と対策及び経営に影響が及んでいる会計はないのか伺います。
新型コロナウイルス感染症対応において顕著でありますが、本市にとって必要となる事業やサービスを推し進めていくためには、国の財源措置を活用していく事も必要と考えます。本市の体制及び市長自らの行動について伺います。
次に、「川崎市総合計画」第3期実施計画・令和4年度事務事業評価結果について伺います。
目標を上回って達成、目標をほぼ達成、の占める割合は全体の九割に迫り、コロナに悩まされた前年度から大幅な改善を見せています。既に3期目となる計画も折り返しに近く、目標の妥当性についてはこの間も再三、議論されて参りました。
行財政改革も量から質へと転換を遂げる中にあって、本実施計画も単なる指標の達成度のみならず、達成までの過程や問題の本質に目を向けることが求められています。
進行管理の全体概要には待機児童が例に挙げられています。成果指標としての待機児童数を踏まえ、認可保育所受入枠の拡大など着実に成果を上げてきた反面、廃園を余儀なくされる保育所や幼稚園における園児の減少。また、国の育休延長に伴い、申請者数が増加を見せる中にあって、既存の受入枠に空きが生じる逆転現象など、様々な要因が複合的に絡む中にあって、従来の目標だけに捉われていては本質を見失いかねない事例も散見されています。
また、道路行政にあっては既存の道路整備プログラムに基づく都市計画道路の進捗等が成果指標に挙げられていますが、用地取得を伴うものだけに目標年次を前に大幅な計画変更が生じるケースも見られるばかりか、通学路の安全対策や生活道路の快適化の為の用地買収は遅々として進まない現状は改善されて然るべきです。
事務事業の成果指標は各部門が自らの目標を定めたものですが、あくまでも役所側の都合であって、今日、寄せられる市民の声や本市が解決すべき課題の中には一部門に留まらず、複数の部門による対応が必要とされるものも含まれます。部門間の協調等について部局横断的な数値目標の設定や情報共有が求められますが、今後の対応を伺います。
次に、「第56回指定都市市長会議」について、及び指定都市市長会「多様な大都市制度実現プロジェクト」について伺います。
まず始めに、今回の指定都市市長会議の内容について伺います。また、成果等があれば伺います。
多様な大都市制度実現プロジェクトについて、構成メンバーについて改めて伺います。また、会議の内容についても伺います。
多様な大都市制度とは、法制化されている政令指定都市制度、及び特別区設置制度に加え、特別市制度の法制化を目指し、各政令指定都市に選択肢の幅を持たせると理解しております。特別区設置制度所謂大阪都構想の住民投票に至るまでは、スピード感がありました。コロナ禍において、例えば、国から県に来たワクチンが、基礎自治体である本市に中々届かなかった事案が、奇しくも特別市についての議論を加速化させる要因になりました。選択肢の一つの特別市制度も早期実現を目指すべきと考えますが、見解と目標について伺います。
政令指定都市とその広域自治体との二重行政が少なからず存在しておりますが、改めて具体的な例について伺います。
また、政令指定都市である本市の認識と広域自治である神奈川県の認識はどの程度整合しているのか伺います。
福田市長はじめ県内政令指定都市市長と神奈川県知事では話し合いが始まっておりますが、現場レベルでの市と県の職員間での議論がないように伺えます。勿論我々市議会議員も県議会議員と様々な場において議論を展開しておりますが、職員間議論は始めないのか伺います。
総理大臣の諮問機関である、地方制度調査会は、見解はどのように示されているのか伺います。
特別市移行に向けては、財政論は欠かせません。本市が特別市になった場合に、現段階の個人または法人市民税と県民税はどのような扱いになるのか伺います。また、県管轄の警察行政等を除き、本市の財源はどのように確保する想定なのか伺います。加えて、二重行政が解消された場合の財政効果についても伺います。
次に、川崎市行政実務研修員について伺います。
本市には、民間企業に勤務する職員を川崎市に行政実務研修員として、要綱を定め1年間受入れる制度があります。現在受入れている人数と派遣元、受入れ部署について伺います。また、研修員の給与や費用について伺います。この制度は、職員から好評との声がありますが、制度の効果やメリットについて伺います。
また、昨今では、東京都や埼玉県などで人事交流を行う企業を公募して、多くの民間人材を受入れ人事交流が行われています。その規模は、数十人で、期間も最長で5年まで延長可となっています。本市の人事交流はクローズドで行われていますが、広く開かれた公募制度導入について伊藤副市長に伺います。
次に、令和4年度中小企業活性化施策の実施状況の検証について伺います。
昨年10月、新川崎・創造のもりにおける量子技術に関するプロジェクトが、国立研究開発法人科学技術振興機構による「共創の場形成支援プログラム」に採択されました。本プログラムは、産学官共創による拠点の形成を推進し、知識集約型社会への変革を促進するものです。
新川崎地区の研究開発拠点としてのブランド力向上が期待されますが、新川崎・創造のもりにおけるプロジェクトの目的と概要について伺います。
Society 5.0時代に向けた今後の展望について伺います。新川崎・創造のもりに対する企業や研究機関等からの認知度が向上している一方、周辺住民による研究開発拠点としての認知度は非常に低く、一層の周知に向けた取組が必要と考えます。見解を伺います。
また本年10月に迫った、いわゆるインボイス制度の開始に向け、昨年9月に特別相談窓口が設置されてから1年が経過しましたが、これまでの相談実績と主な内容について伺います。併せて、インボイス制度開始後の対応についても伺います。
次に、かわさき店舗出店支援プログラムNORENについて伺います。
世間一般に名店といわれる店は自らの店舗への集客のみならず、まちのにぎわい創出に寄与するとともに、御当地の魅力向上に一役買う存在といえます。
しかしながら、出店者にとっては安からぬ投資を伴うものだけに見知らぬ土地への第一歩は躊躇しがちであり、当事者の不安を払拭すべく支援の手を差し伸べることは本市にとって有益といえます。
また、一方において、本件に限らず、雇用創出、創業支援を名目にした施策は他都市においても散見されるものの、委託先等への支出額の割に成果に乏しい事例も少なくありません。
そこで、伺いますが、現在の募集状況と定員を超えた際の対応を伺います。また、昨年度に続いての実施となりますが、昨年度の応募状況と成果、参加者の声と改善点があれば伺います。
また、高津区と中原区に限定した狙いはどこにあるのか他区への展開についても伺います。
次に、川崎市卸売市場について伺います。
先ず、中央卸売市場北部市場の機能更新について伺います。北部市場は開場から40年が経過した中で、この間市場の機能更新に関する検討が進められてきました。当初の機能更新に関する基本的な考え方では、令和3年度中に基本計画策定を目標としていました。2度のスケジュール延期の結果、今年度中の策定を目指す事がこの度公表されました。我が会派は前回の議会において、機能更新について関係者との共通理解が十分図られていない状況であり、北部市場の場内事業者との協議や民間開発事業者へのヒアリング等をしっかり進めた上で、手戻りのない計画策定をすべきであると指摘をしました。以降の北部市場の状況を見ていると、場内事業者等とのコミュニケーションが改善した印象があり、機能更新に関する協議が具体的に進み始めたと認識しています。この間の取組及び事業者等との協議内容を伺います。
併せて、基本計画策定に向けて場内事業者等との共通認識、方向性が整いつつある状況と理解して良いのか伺います。
本年2月の総務委員会で報告のあった内容から、その後の協議検討の中で変更となった内容があればその理由と併せて伺います。
北部市場の機能更新の大きな方向性として、市場全体を複層化・コンパクト化する事で発生した余剰地の有効活用と場内収入等によって、市場経営を自立したものにしていくことが掲げられています。当然、機能更新にあたっては多額の投資が必要となってきますが、収支計画は大変重要な事項となってきます。収支計画に関する基本的な考え方を伺います。
次に、地方卸売市場南部市場について伺います。
昭和32年に中央卸売市場として開設した後、平成19年には地方卸売市場へと転換し、昨今では老朽化も相まって市場としての役目も問われていた中、北部市場の公表に合わせ、南部市場においても今後の運営方針に関するスケジュールが公表されました。これまでは別々に検討が行われておりましたが、北部市場と南部市場が持つそれぞれのポテンシャルや役割を明確にし、両軸として同時並行で検討が行われるものであり、計画の進捗が期待されます。
一方、今後の課題としては北部市場同様に、場内事業者や関係者と協議を重ね、その内容を諮問書に反映させるとともに、共通理解を図ることと考えます。8月には場内事業者と「めざす姿」を取りまとめるとしておりましたが、具体的な協議内容と、その「めざす姿」について伺います。
また、既存建築物等の現況整理が行われておりましたが、その結果について伺います。
次に、都市農業施策について伺います。
麻生区の農業振興地域においては、道路や各種設備が長年の経年劣化により急遽修繕が必要となるケースが発生してきています。本市では、川崎市にニューファーム整備事業補助金等により、計画的な補修と適正な維持管理に努めていますが、昨今の物価等高騰の影響もあり、当初予定していた予算では、元々計画していた工事が行えないという事案も発生しています。例えば、岡上における灌漑設備の維持管理事業については、分割工事を検討しているとのことです。補正予算を組むなど、当初計画通り、年度内での対応が検討できないのか伺います。
川崎市内、約20万平米で栽培している「多摩川梨」をはじめとする果樹栽培管理の剪定作業時に発生する剪定枝の処理については、現在農業者個人で処分をしています。破砕機の利用は住宅街にある都市農業の環境下では騒音や煙の面が制限される為、農業者の大きな負担となっています。本市のごみ処理センターでは現在、「太さ10cm程度、最長辺50cm未満にし、小さく束ねて1回3束程度を目安に出してください。多量に出さなくてはいけない場合は、事前に生活環境事業所に相談してください。最長辺50cm以上のものは粗大ごみとして出してください」とあります。市内の梨生産において発生する剪定枝の量はどの程度なのか、一生産者あたりどの程度を処分しているのか、実態を伺います。
多量廃棄に関する生活環境事業所への相談がどの程度来ているのか伺います。
併せて、生活環境事業所に相談をした場合、どのような対応となるのか伺います。
稲城市では、剪定枝を処理センターに持ち込む場合、その処分料は免除されています。都市農業振興の観点からも本市でも同様の対応が求められています。見解を伺います。
次に、川崎水素戦略について伺います。
水素社会の実現に向けて、水素需要の拡大が重要です。本議会に先立ち、我が会派も視察を実施しましたが、「ENEOS株式会社との連携で行なった「パイプライン供給を主なテーマとした水素のポテンシャル調査」の結果を伺います。
また、官民6社連携による羽田空港及び周辺地域における水素利用の調査が、今月末までに実施されます。水素需要量の把握を目的としたこれらの取組ですが、今後はより精度の高い需要量の把握と、それに見合う供給体制の構築が必要です。今後の取組を伺います。
次に、キングスカイフロント及び新川崎における、夏の科学イベントについて伺います。
今夏、子どもたちが科学を身近に感じる体験型のイベント、恒例のキングスカイフロント夏の科学イベント2023が開催されました。この取組こそ、まさに本市で生まれ育つ子どもたちにとっては、最先端の科学や環境に触れる大きなチャンスであります。本市の大きな特徴である550を超える研究機関があるからこそ出来るイベントであり、他都市では到底簡単には開催できる取組ではありません。我が会派としても、最先端の環境を提供してくださる企業、団体や直接会話してくださる科学者の方々には心より感謝申し上げます。
そこで、今回のキングスカイフロント夏の科学イベントの出展機関とイベント数、来場者数、開催にあたっての取組の工夫について伺います。また、参加された親子の感想を伺います。
新川崎でも、ジュニアベンチャースクールや量子コンピュータを使った夏のイベントも行われましたが、実施状況について伺います。
次に、令和4年度川崎市町内会・自治会活動応援補助金の実績について伺います。
町内会・自治会活動応援補助金は、町内会・自治会の活動の活性化と、暮らしやすい地域の構築を目的に、令和3年度から実施しています。令和4年度においては、予算現額約3億円に対して執行割合は約36%です。また、4割近くの団体が利用を控えております。決算をどう評価したのか伺います。また、申請が多かった補助メニューの主な特徴について伺います。令和3年度との比較についても伺います。
次に、(仮称)川崎市民館・労働会館の再編整備について伺います。
入札不調となった労働会館改修工事(建築)の再発注の取組と今後の対応が文教委員会に示されました。改修工事費は約10億円の増額で約79億円となる見込みとの事ですが、その増額見込み額約10億円の詳細について伺います。
関連する電気設備、空調設備・衛生設備工事については入札不調というような事態にはならないか、関連工事の入札額と工事内容の妥当性について見解を伺います。
市民への説明について、この間にも供用開始が1年程度遅延する見込みという事や今後の対応・スケジュールについて説明をしたとの事ですが、どのようなご意見が出たのか伺います。
富士見公園再編整備への影響として、教育文化会館跡地に整備予定の市民利用施設の供用開始が1年程度遅延する見込みですが、その影響額と負担する所管について伺います。
実施設計における仕様等の具体化及び資材高騰の影響を加味した約69億円で入札を行ったにも関わらず、入札不調となり、その結果を受けて事業者へのヒアリング等を行い、さらに10億円の増額、という事で事前調査や市場分析の見込みの甘さを指摘せざるを得ません。今回の入札不調の顛末は本事業のみならず本市における入札案件においての教訓とすべきですが、担当副市長に本件現状の見解を伺います。
次に、「かわさき多摩川マラソン」について伺います。
本大会の特徴は、等々力陸上競技場を中心に、多摩川河川敷を利用した、安全なコースを売りに、誰もが安心して楽しめるインクルーシブな大会として開催されるものであります。本年度は11月19日に開催予定となっています。
競技種目としては、これまでの6種目から、本年から8種目とし、幅広い市民層をターゲットとして、充実したメニューを揃えています。まず、本大会の特徴について伺います。
市民枠募集後、一般募集しましたが応募状況と本市市民の割合について伺います。
「令和4年度公益財団法人川崎市スポーツ協会経営改善及び連携活用の取組評価」の結果では「長引く自粛生活により競技離れなどから参加者数は定員に届かなかった」としています。法人及び本市の総括には、経営健全化策として、参加料の値上げをするなど収支改善を求めています。令和5年度の参加料については、例えば、ハーフマラソンで5250円に設定しています。値上げを検討する前に、大会の魅力向上に努め、参加者を増やそうとする努力を優先するべきと考えます。参加者の増員策について伺います。
次に、保育所等の利用における多子世帯支援の拡充に向けた取組について伺います。
令和5年6月から約1か月、多子世帯支援の拡充において、きょうだい同一園入所の機会拡充に向けた利用調整の見直しに関する取組のパブリリックコメントを実施しました。この間、保育所等運営事業者との意見交換を実施したとの事でしたが、事業者の納得と理解は得たのか、また、いただいた意見についても伺います。
第1子が保育所等に入所しづらくなるのでは、という心配の声が多数ありましたが、そのような事態にはならないか、見解を伺います。
また、この度の市長の提案説明において、多子世帯支援について第2子の保育料を半額、第3子以降を無償とすることとし、きょうだいの入園に関する優先的な取扱と併せた来年度からの実施に向けて、取組を進めていくとの方針が示されました。
多子保育料減免の現制度は第1子の年齢によっては第2子以降の子どもが減免対象にならず、この件については、これまでも我が会派の代表質問等でその不合理さを指摘してきており、国に対しても「多子世帯における保育料の軽減措置の制限撤廃等を求める意見書」を提出し、必要となる財源の確保についても国の責任において特段の措置を講じるよう求めてきました。
本市が安心して子どもを産み育てることができる街になるため、国の対応を待たず本市が先んじて多子世帯の保育料の軽減における年齢制限及び利用する保育施設の種類による制限を撤廃すべきであると改めて求めますが、実施時期も含めて市長に見解を伺います。
次に、令和5年度実施川崎市立学校教員採用候補者選考試験について伺います。
「教育は国家百年の大計」と言われ、日本の将来を左右する重要な投資です。本市においても充実した教育環境を維持・発展させることが、本市の礎となります。現在、本市においても令和6年度の採用に向け、教員の選考試験が行われています。教員不足が叫ばれる中、各自治体がより能力の高い教員を採用するため、自治体の特色をアピールしながら行われている選考試験ですが、本市の今年度の応募状況とそれに対する見解を伺います。
近年の全国や政令指定都市等の選考試験の実施状況、また、本市の状況を伺います。
今年度の試験に向けた本市の教員募集の案内には、求める教師像として、「子どもの話にきちんと耳を傾けることができる」、「子どもと一緒に考え行動することができる」、「子どもに適切なアドバイスを与えることができる」、「教材研究がきちんとできる」とした4つの能力を求めています。それらにふさわしい資質と能力を有する者をより多く採用していくには、出来るだけ応募者を増やす取組が求められます。見解と取組を伺います。
次に、令和5年度全国学力・学習状況調査結果について伺います。
この調査は「義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善」を目的として、実施しているものであります。全国における小学校6年生、中学校3年生を対象に、平成19年度から始まり、17回目の調査となりました。そこで、本市の各教科の調査結果の主な特徴について伺います。また、得た結果をどのように学力向上へとつなげていくのか伺います。
次に、令和5年度開始の新しい川崎市学習状況調査について伺います。
本調査は今年度より調査対象を拡充し「誰一人取り残さない学び」を目指し、実施されたものです。全国で行われている調査があるにもかかわらず、本市独自の調査について調査対象を拡充して行う目的について伺います。主な結果の特徴について伺います。
また、この結果を受けて、教職員の育成や、学習へのアプローチにどのようにつなげていくのか伺います。併せて、学習についてのアンケートも実施しています。アンケートの概要と結果をどのように指導に生かしていくのか伺います。
次に、学校給食における異物混入について伺います。
本年6月、南部学校給食センターにおいて食材に異物混入があり、当該食材の使用を取りやめて給食を提供するという事案が発生しました。
文部科学省は、給食を提供するに当たり、おいしいことはもちろんのこと、「学校給食衛生管理基準」に伴い、食品事故を起こさないための安全管理が極めて重要です。
しかしながら、本市においては昨年度も異物混入の事案が発生しています。令和4年度及び令和5年度の異物混入の件数、異物の種別や混入の原因について伺います。異物混入の未然防止や衛生管理、異物混入が発生した場合において、納入業者や調理委託業者等に対し、どのような対応を行っているのか伺います。
また、今後の対応についても伺います。
次に、市立小学校のプールにおける水の流出事故について伺います。
本年5月、プールの注水に際し、教職員が止水作業に失敗し5日間注水し続けたことで、プール約6杯分に当たる約2020㎥の水を流出させた事故が発生しました。損害額約190万円の5割相当額である約95万円を校長と教職員に賠償請求した事案になります。本市が関係職員に5割相当額を請求する根拠について、過去にあった同様の他都市の例と併せて伺います。
また教育委員に報告はしたのか、したのであればどのような意見が出たのか伺います。
次に川崎市立看護大学大学院整備基本計画について伺います。
本計画では、大学院を設置・運営し、より高度な専門性と実践力を有する看護職、国際的にも活躍する教育・研究者、地域包括ケアシステムの推進役となる人材、ならびにリプロダクティブヘルスを支援する人材を養成することで、地域社会における健康と福祉の向上ならびに看護学の発展に寄与することを掲げています。県内には既に県立保健福祉大学が設置され、地域看護学など、数々の実績を上げています。本市看護大学および大学院との違いについて伺います。
計画では今年度末には大学院設置に向けた詳細な検討を行い、文部科学省への設置認可申請を進めるとしています。文部科学省の未来医療研究人材養成拠点形成事業申請なども活用する考えはあるのか伺います。
また、看護大学だけでなく市民が将来にわたって安心して医療・看護等を受けられる環境を構築するため、地域の医療機関と連携しながら地域包括ケアシステムに対応できるリサーチマインドを持った総合診療医等の養成も重要と考えますが、本基本計画との整合性をどのように図るのか伺います。
次に看護師等の確保について伺います。
住み慣れた地域で安心して生活するために誕生した地域包括ケアシステムの中核を担うのが看護師等です。医療施設を中心としていた従来の医療体制から、在宅や地域へと療養の場が拡大し、居宅訪問サービスをはじめとする在宅支援においても看護師のニーズが高まっています。令和4年版厚生労働白書によると、経済成長と労働参加が進むと仮定するケースでも、令和22年には医療・福祉分野の就業者数が96万人不足する見込みであり、特に訪問看護ステーションや診療所、さらには介護施設や保育園等の地域で働く看護師等不足は深刻です。加えて、看護師等の採用に向けた紹介業者への支払いが高額で、経営に苦しむ医療機関や施設が多く存在します。見解と対応を伺います。
平成27年の「看護師等の人材確保の促進に関する法律」の改正により、保健師・助産師・看護師・准看護師の免許をお持ちで、その仕事をされていない方は、神奈川県看護協会が運営する神奈川県ナースセンターに届け出る必要があります。届出の促進について、本市としての取組と課題について伺います。
地域包括ケアシステムの推進には、看護師等の確保が必須であり、届出制度を活用した潜在看護師等へのアプローチ方法や川崎市看護協会が運営を委託されている川崎市ナーシングセンターにおける職業紹介事業の検討等の具体的な対策が必要です。次期「かわさき医療プラン」にどのように反映させるのか具体的な対応について伺います。
また、地域医療審議会における検討部会の立ち上げも必要です。対応と見解について伺います。県の調査では本市では、離職率が高いとされていますが見解を伺います。看護師等の確保策立案のために、現状把握と要因分析、課題の明確化が必要です。見解を伺います。
次に、令和4年度川崎市高齢者実態調査について伺います。
本市では、令和7年に団塊の世代が75才以上となる超高齢化社会が到来するとともに、令和32年には高齢者人口がピークを迎えることを踏まえ、地域包括ケアシステムの取組を推進しています。高齢者施策としては、令和3年度から令和5年度を計画期間とする「第8期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」を推進してきましたが、新型コロナ感染症の影響を受けて高齢者を取り巻く環境も変化し、様々な現状や課題が生じているものと考えます。
高齢者向け調査と、事業者・労働者向け調査が実施されましたが、それぞれ調査を通じて明らかとなった課題と改善点について伺います。
また、過去実施してきた実態調査を踏まえて計画された行政施策に対して、高齢者および事業者等の評価はいかがだったのか伺います。
また、新型コロナ感染症の影響に伴い高齢者の外出頻度が低下していますが、調査を踏まえて今後の対応について伺います。
関連して、高齢者就労支援事業ですが、本事業はシルバー人材センターでの就業機会を確保する目的で実施されています。
しかし新型コロナウイルス感染症拡大の影響により就業会員や発注者からの辞退申し出の増加、会員の高齢化による業務の受注の低下など、様々な課題を抱えています。他都市では、家事援助・福祉サービス・育児サービスへの支援などに力を注ぎ、多様な社会資源の一つとして高齢者のマンパワーを活用していますが、本市でも地域包括ケアシステムとの更なる連携を踏まえた施策の強化を図るべきと考えますが見解を伺います。
次に、本市の介護予防の在り方について伺います。
いこい元気広場事業、各区で実施する一般介護予防事業の参加者数と、事業経費について、令和4年度実績と事業開始からの推移について概要を伺います。
令和4年度の国の予算ベースの社会保障の給付の現状報告では、社会保障給付費は131兆円、おおよそ6割が保険料負担とのことです。残りの公費負担4割のうち16兆円が地方一般財源を見込んでいました。本市令和4年度決算における、社会保障に係る費用の合計、とその内訳概要について伺います。
また過去の国の予算ベースでの社会保障給付費の予測からも上振れ傾向が見られています。本市におけるこれら費目の長期傾向について伺います。
今後の人口高齢化傾向、さらには予測を上回る社会保障費に対し、本市の収支フレーム上の高齢者関連費用は今後5年で40億円増、令和12年度には400億円を超過すると見込んでいます。これらがさらに上振れするリスクとその要因について伺います。また収支フレームに甘んじることなく、抑制する必要性についての考え方と具体策について伺います。
先述の通り、本市は積極的に介護予防に取り組んでいますが、効果測定はできているのか、現況を伺います。
また市民サービスを維持向上しつつ、今後の社会保障費の抑制をはかるためには、データあるいはエビデンスに基づいた政策決定が必要と考えますが、本市の考え方を伺います。また効果測定を行う上で、どのような介入施策を行ったかを計測し、結果としてKDBなど、本市が活用可能なデータで検証し、費用対効果を金額ベースで予測を行い、適切に財源を充てることが必要と考えます。本市の見解を伺います。
高齢者の閉じこもりを予防するには、既に活動的な層にアプローチすることはもちろん、運動をしたくない・できない層へのアプローチが必要と考えます。本市の見解と対応を伺います。
また介護予防には、災害時における要支援者等の最少化という防災面での効果が期待されます。本市の介護予防策は、防災に如何に寄与しているのか、現状を伺います
次に、新型コロナウイルスのワクチン接種について伺います。
来週20日から、新型コロナウイルスワクチン、オミクロン株XBB1.5対応の接種が始まります。現在の市内年代別の接種割合、年齢別接種回数について伺います。また、9月11日より、接種券の送付が始まります。今までの接種券を所持している方には、再度接種券は送付されません。配布された接種券を無くされた方の対応について伺います。
また、接種期間が空いているため、再接種に対しての正しい知識の発信の必要性と周知方法について伺います。
次に、本市の動物行政について伺います。
動物愛護センター収容動物への協定を結ぶ川崎市獣医師会による技術的支援等に伴う費用負担は、現在は具体的な取り決めがありません。動物愛護基金の活用も含め整理する必要があると考えますが見解を伺います。
また市民が動物を保護した際、去勢避妊のための費用は公費負担する制度がありません。地域の動物病院で、無料で避妊去勢手術をできるようにする事で、一層の動物愛護施策の推進が図れると考えますが、見解を伺います。
災害時には川崎市動物救援本部が、獣医師会のもと動物愛護センターに開設されます。ボランティアや物資の受け入れ、各区役所・各避難所との連携については図上訓練だけでなく、ペット同行避難など、実地訓練は重要と考えます。見解を伺います。
動物譲渡について、本市では「原則として65歳以上の高齢者世帯ではないこと」が条件です。自治体によっては飼育困難になった際、引き継いで飼育できる方がいる場合はその限りではないという緩和条件が付帯されています。殺処分ゼロの取組を持続していくためにも重要と考えますが、見解を伺います。
次に、川崎市立病院経営計画について伺います。
本計画は、今後の人口減少や高齢化に伴う医療ニーズの質・量の変化、働き方改革の推進等による医療環境の変化や新型コロナウイルス感染症への対応などを踏まえ、更なる経営改革と経営健全化を図ることを目的に策定されました。策定経過においては学識経験者、財務の専門家および医療関係者で構成される、川崎市立病院運営委員会による前計画の外部評価結果や意見を踏まえて策定されたとのことですが、外部評価を踏まえて見直しされた課題ならびに改善点について伺います。
また、外部意見では実績値を基準にした目標値設定が必要と指摘された結果、病院全体の成果指標を設定する運びとなりました。検討される具体的な指標の内容について伺います。
医療介護総合確保推進法により病院完結型から地域完結型への移行が求められていますが、公立病院として具体的な方策を伺います。
また、県地域医療構想での4機能区分ごとの病床数と予定病床数比較では、川崎南部保健医療圏では高度急性期および回復期病床の不足、川崎北部保健医療圏では回復期の病床が不足しています。計画における今後の対応について伺います。
さらに経営健全化の推進として、患者増による収入確保や経費節減の取組を進めるとしていますが、そのためには井田病院の経常損益の黒字化が必要と考えます。具体的な計画について伺います。
次に、首都直下型地震による災害拠点病院の対応について伺います。
先般、首都直下型地震による1都3県の災害拠点病院の6割で受け入れ可能な外来患者数が平時を下回るとの報道がありました。政府の地震調査委員会ではマグニチュード7程度の首都直下型地震の30年以内の発生確率は70%と予測しています。本市での災害拠点病院では災害時に受け入れる患者数の適正水準をどのように把握しているのか、それぞれの指定病院ごとに伺います。
また、適正水準の更なる拡大に向けて、どのような取組を進めているのか伺います。併せて川崎市立病院経営計画との整合性をどのように図るのか伺います。
医療の遅れは首都機能回復や復興に大きな影響を及ぼすため、強靭な医療提供体制の構築が必要とされますが、地元医師会、医療関係機関との連携のみならず、域外の病院や自治体との連携強化も重要であると考えます。域外の病院や自治体との連携計画では受け入れ可能な患者数をどの程度予定しているのか、また搬送手段、医師の広域連携など現状ではどのような計画になっているのか伺います。
次に、等々力大橋(仮称)橋梁整備事業の工事施行協定の変更について伺います。
先のまちづくり委員会にて、協定の変更について報告がありました。その内容は、対岸の東京都側において用地買収が進まず、工事に必要な土地が確保できないとの説明でした。原因は都側にあることは理解できます。今後も自治体間における共同の公共事業は行われるものと考えます。事業調整のあるべき形はどのようなものか伺います。
仮に今回の件で、本市側に原因があった際には、都側にどのような対応をするのか伺います。都側に責任があるとはいえ、5年間の期間延長はまちづくりの観点において簡単には受け入れられないものであります。地元および関連事業者への説明はどのように行っていくのか伺います。また、公共事業においては、費用便益の分析が欠かせませんが、今回の期間延長や今後の進捗状況が、費用便益に与える影響について伺います。
関連して、宮内新横浜線の又玄寺交差点までの進捗状況について伺います。道路整備の効果を最大限発揮するためにも早期完成が望まれますが完成時期についても伺います。
次に、全国都市緑化かわさきフェアについて伺います。
開催まで1年余りとなりましたが、この度、基本・実施計画が示されました。これまでは少しぼやけていた感がありましたが、ここにきて全体像から具体的な中身が見えてきたように感じられます。他都市での開催も目にしてきましたが、実感として総花的になりがちです。基本・実施計画策定の考え方を伺います。
市街化区域が約9割を占める、都市部という地域において、どのような特色を打ち出していくのか伺います。都市部ならではの魅力や強みを活かす取組も伺います。
人と自然、みどりが繋がっていくためには、その機運醸成が肝要と考えます。更なる周知広報の取組について伺います。プレイベントも重要と考えますが、取組を伺います。
フェア成功のためには、飲食・物販などの充実も必要となります。魅力や意欲のある市内業者・団体等との連携について伺います。また、花卉調達についても伺います。
今回の計画策定により、取組は加速していくものと期待しますが、一方で、準備不足や都市緑化機構や業界団体との連携を不安視する声も聴こえてまいります。改めて各団体との連携について伺います。また、開催1年前となった今、組織体制の強化・充実について考えを伺います。
関連して、市制100周年事業、市民まつりと連携して、「市役所通り活用イベント2023」を開催する予定です。本企画の背景、開催場所とその狙いについて伺います。
次に、市内ビッグモーター店舗前の街路樹の状況について伺います。
同社の市内3店舗のうち、本市が管理する道路に面する2店舗の街路樹について、同社により伐採されたことを確認したとのことです。
必要な対応を行うとのことですが、具体的な対応状況を伺います。また、今後の未然防止対策を伺います。
次に、環境省のモデル事業への本市提案の採択について伺います。
令和5年度環境省の「地域ぐるみの脱炭素経営支援体制構築モデル事業」に本市提案事業が採択されました。この事業は本市及び、川崎信用金庫、きらぼし銀行、横浜銀行、川崎商工会議所、市産業振興財団による共同申請ですが本事業の目的及び取組の背景について伺います。
また、課題等があれば伺います。併せて、提案者それぞれの取組ポイントについて伺います。また、市内に店舗を有する多数の金融機関や中小企業を支援する団体等がありますが、採択以降の取組としてどのような支援組織体制、ネットワークを整える考えなのか伺います。併せて誰が主導し、誰がどのように指導するのか伺います。また、期待している効果についても伺います。
本市調査によると半数以上の中小企業が脱炭素化に取り組めていないとの事です。脱炭素化についての市内中小企業等の現況及び取り組めない要因について見解を伺います。また、国からはどのような支援があるのか、どの時点で終了するのか伺います。加えて事業評価の方法及び今後のモデル事業の推進スケジュールについて伺います。
次に、ごみ焼却処理施設の緊急停止等に伴う相互支援協定書について伺います。
川崎市と横浜市では、ごみ焼却処理施設の老朽化が課題となっており、老朽化に伴う不慮の事故や故障が原因で処理施設が停止となり、それぞれの市内での処理が困難となった場合に備える必要が生じておりました。市民の安定的な生活の確保や、衛生的な処理に支障をきたす恐れが発生または想定される場合に於いて、相互支援により、円滑な一般廃棄物の処理を実施することを目的に、この度、一般廃棄物のごみ焼却処理の相互支援に関し、横浜市と本市で協定が締結されました。令和三年十月、堤根ごみ焼却施設2号炉に故障が発生し運転が停止されました。その際、横浜市に普通ごみの焼却処理の支援をいただいた事例がありましたが、故障発生時から支援受入に至るまでの経緯、支援内容及び横浜市、川崎市の普通ごみ収集への影響並びに課題について伺います。
また、この度の相互協定は第一条の「目的」から第十条の「適用」までの構成をもって締結されております。協定書には令和三年十月の経験、教訓はどのように生かされているのか伺います。併せて焼却施設停止時の市民が取るべき対応、周知・広報について伺います。
また、民間事業者の活用、協力体制についての考えを伺います。その上で支援を受け入れる市側に何らかの理由、事情で受け入れることが不可能である時にはどの様な対応を取られるのか考えを伺います。協定書第6条「費用負担」についてでありますが横浜市、川崎市それぞれの負担額及びその算出方法について伺います。また、算出方法算出金額についての見解を伺います。
関連して伺います。老朽化が懸念される本市の焼却処理施設についてでありますが、人口減少や少子高齢化が進行する中で持続可能な適正処理の体制を整えることが必要であると思いますが本市の取組について見解を伺います。
また、今後の施設整備、維持管理、効率化、災害対策等についてどのように取り組まれて行かれるのか伺います。併せて、カーボンニュートラルの取組状況についての見解及び今後の方向付けについての考えを伺います。また以前、環境省から、持続可能な適正処理の確保に向けたごみ処理の広域化及びごみ処理施設の集約化についての通知がありました。ごみ処理の広域化並びにごみ処理施設の集約化の必要性についての見解、また本市として今後推進していく考えはあるのか伺います。
次に、川崎市地球温暖化対策等に関する条例施行規則等
の改正に向けた検討状況について伺います。令和6年度施行内容と同時に公表された、令和7年度施行内容として、大規模建築主に対して太陽光発電設備等の設置を義務付ける制度1と、一定規模以上の建築を行う特定建築事業者に対し、太陽光発電設備の設置を義務付ける制度2について、専門家意見と今後の検討の方向性が示されました。
特に制度2については、市民の負担となるものであるため、慎重な議論を要します。今回の報告では、義務化される内容について、特定製品に関する基準を設けず、基準量のみを明らかとしました。太陽光発電設備の一部製品には、製造工程における海外強制労働との関わりが懸念されてきました。また多摩川に沿って展開する市域において、浸水被害の際のリスクについても懸念材料が残ります。これに対し、軽量・薄型のペロブスカイト電池など、特に国産の新技術が実用化した際に、より積極的に設置を促すインセンティブの導入が、より安心安全な再エネ普及につながると考えます。見解を伺います。
代替措置と除外規定についてです。代替措置については、いわゆる太陽光パネルが前提とされていると考えられます。代替措置として、太陽熱、地中熱のほかに、既存建築物への太陽光発電設備の新設とオフサイトPPAが挙げられています。それぞれ具体に伺います。
また再生可能エネルギーによる電力調達・証書調達は、長期的にエンドユーザーに負担がかかるとして、代替措置としないとしました。現況では流通電力よりも高価な再エネ電力ですが、相対的により安価な再エネ電力の供給が可能となった場合、再エネ調達こそが本流となると考えます。見解を伺います。
次に、川崎未来エナジー株式会社について伺います。
本年10月12日には会社設立の運びとなり、市域への再エネ普及への役割が期待されます。現段階で本市が明らかとしている事業スキームは、一定程度の電力を調達し、これを小売りすることで、結果的に収益は安定するため、当社に対して出資したことは妥当であるとする説明に留まり、その収益構造は明らかとしていません。当社は、設立当初数年は本市の廃棄物発電からの調達を主としている以上、本市としてどの程度の収入を見込むのかが焦点となります。当社調達原価、つまり本市の供給価格の見通しと、その前提となる原油市況等想定する外部環境について伺います。
一方で供給先は、設立当初は公共施設と民間施設が同程度ですが、現時点での事業スキーム上は、その後長期的に供給先のほとんどが公共施設としています。供給価格のあらまし、あるいは設定方法について伺います。
事業リスクとしては、電力システム改革等の制度変更、災害などの外部要因もありますが、収支変動リスク、これに伴う資金不足などの一般的な経営リスク要因については、出資者である本市と本市市民に対する説明として、リスク発現前に明示することの必要があると考えますが、見解を伺います。またその前提として、計画している事業スキームの収益構造を示すべきと考えますが、見解を伺います。
当社は、本市が公共施設への再エネ100%化を目指すうえで、市内廃棄物発電では賄いきれないため、調達する仕組を構築するビジョンに留まります。期待するところは、他のセグメントからの電源調達、そして市民への安価供給と考えますが、当社の長期的ビジョンに対して、市長の期待するところを伺います。
次に、川崎港港湾脱炭素化推進計画(案)について伺います。
計画案では、川崎臨海部において、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化等を通じて、温室効果ガスの排出を全体として実質ゼロにすることを目指すなどとしておりますが、本計画案の概要及び特徴について伺います。また本計画案の内容として、港湾管理者である本市の脱炭素化に向けた取組の他、川崎臨海部に立地する企業などの取組も記載されておりますが、今後はこれらの実行性を高める為に国からの支援等も必要と考えます。見解を伺います。
次に、川崎港長期構想(案)について伺います。
川崎港はこれまで京浜工業地帯の中核を担ってきましたが、マクロの産業構造の変化とともに、近年では脱炭素化の加速やデジタル技術の革新など、社会実勢に合わせ、川崎港の将来の姿とその実現に向けた取組の方向性を示すため、本年7月に、平成10年以来の長期構想の改定を行いました。前回長期構想時点で描いた姿で、実現された成果、実現することができなかった取組について伺います。前回構想では、工業港の有する機能を活かしながら、高度な物流機能を担うとする、時代の変化の過渡期ならではの姿が描かれていました。今回構想では、物流を産業セグメントで区分けすることなく、アジア各地へのダイレクト航路などを強みとした、高度なサプライチェーンを支える港と掲げています。川崎港の本質的な強みは、東京・横浜間をつなぐその立地であり、その背後地に首都圏の巨大な個人消費を抱える点にあると考えます。注力していきたいモード・品目について具体的に伺います。
またゾーニングについても大幅な設定変更を行いました。特徴を伺います。併せて交通インフラの整備が肝要です。鉄道、主要道路、道路、高速道路それぞれが現存、調査中、計画推進、構想段階別に示されていますが、物流・人流を確保すべく、優先して整備が必要な交通インフラについて、見解を伺います。併せて、現段階での青写真には描かれていないが、更なる川崎港振興に寄与する交通ネットワークについての考えがあれば伺います。
次に、令和4年度水道事業会計、下水道事業会計、工業用水事業会計、および上下水道局の組織体制と、今後の経営のあり方について伺います。
ここ数期の決算内容を紐解くと、営業収益はほぼ一定であるのに対し、営業費用に関しては、令和4年度実績は令和2年度実績と比較しても1割程度増加するなど、下水道事業費用は右肩上がりとなっています。この傾向はこのまま将来に渡り続くのか、見解を伺います。また、ここ数期の傾向が続くとすると、2年から3年以内には営業収支は赤字転落することも想定されます。営業収支改善の必要性、赤字転落した際に想定される財政的な手当について、見解を伺います。また営業外収入として、今後拡大が見込まれるもの、あるいは現状では存在しないが今後考えられるもの、それぞれについて、具体的に伺います。
水道事業会計についてです。営業収支は予算時点で既に赤字としている傾向が数年続いています。事業収支段階では、水道利用加入金などの営業外収入に頼る経営体質となっています。営業収入も年々増加していますが、それ以上に営業費用の増加傾向が顕著です。令和4年度決算では、他会計補助は事業収益に対し0.1%程度ですが、このまま事業赤字額が拡大すると、他会計補助の増額を余儀なくされる事態が想定されます。見解と対応を伺います。
工業用水道事業に関しては、令和4年度決算までは安定的に黒字傾向が続いていましたが、本年度以降は給水需要の減少に対して、供給体制の縮小と料金見直しの時期に突入します。
これらの決算を踏まえ、経営体制について伺います。上下水道事業の統括は、平成20年に始まった、川崎市行財政改革プランの取組として、実施されました。このプランでは、当時の川崎市の未曾有の財政危機を背景として、事業の効率化が目的とされました。既に経営状況の将来的な困窮の傾向が見られる令和4年度決算において、3事業統括の効果はどの様に活かされているのか、どの程度の財政的な効率化につながっているのか、総括を願います。
また同時に、市民人口増加の一方で、同時期から職員数は、おおよそ2割減となりました。市民サービスの質は、当時と比較して維持されているのか、または改善しているのか、本市の見解を伺います。近年不祥事が散見される局内において、職員減が職場風土に与える影響についても本市の見解を伺います。
3事業統括から、次年度は15年目を迎える中、3事業それぞれが経営的な難局を迎えることが予測されます。当時は、本市としても中期経営ビジョンを示し、組織改変時には、管理集約による効率化を標榜しつつ、水道利用料金の値下げも行いました。3事業集約体制はそれぞれ現時点でも維持されている中、果たして効率的な人材運用ができているのか、そこに弊害はなかったのか、見解を伺います。とりわけ防災面では、近年増加する降雨量と内水氾濫に対し、国としても下水道による浸水対策を推進しており、下水道事業への負担の急増傾向が始まっています。急激な浸水対策費用の上昇に対し、営業収益の確保についての本市の対応を伺います。またその際に、低未利用資産の活用の取組について、伺います。
次に、議案第125号市民館条例の一部改正および議案第126号図書館設置条例の一部改正について伺います。
我が会派はこれまで、行政の裁量で同制度導入対象を拡大できる条例とはならぬよう要望をしてきました。本条例は中原市民館、高津市民館及び高津市民館橘分館に限ったものですが、今後においても、各館を指定した内容とするのか伺います。
先の文教委員会における報告では、中原市民館、高津市民館及び橘分館について、来年4月以降に指定管理者募集を行い、6月の事業者選定評価委員会を経て、9月議会において指定管理者を決定するスケジュールとなっています。指定管理者を導入するどの区においても、市民館と図書館が同一の指定管理者による運営となりますが、市民館業務と図書館業務では類似した業務はあれど、その専門性に違いがあると考えます。市民館及び図書館を同一事業者での対応とした目的及び、今後仕様書作成を進めていく中で、どのような観点を重視していくのかを伺います。
市民館については全館に指定管理者制度を導入し、図書館については、川崎図書館、中原図書館、高津図書館及び多摩図書館は直営とし、それ以外の館は指定管理者制度を導入することとなっています。今回の仕組みがどのような成果を生み出すのか、評価項目を設定し、その評価を定期的に議会や市民に報告し、意見が出た場合は反映するよう努めるべきと考えます。見解を伺います。
本議案を含め、これまで検討を進めてきた市民館・図書館への指定管理者制度導入に関して、社会教育委員会議ではどのような議論が行われてきたのかについて伺います。社会教育委員は、社会教育法第17条に基づいて、教育委員会に助言することができます。社会教育に関する諸計画を立案する他、教育委員会の諮問に応じ、これに対し意見を述べる等の役割があります。本市教育委員会として、市民館・図書館の在り方や管理運営に関し、社会教育委員に諮問をしたのか伺います。していないのであれば、その機能を有効活用しなかった理由について伺います。併せて、市民館・図書館への指定管理者制度の導入について、他都市では社会教育委員に諮問を出した事例があれば伺います。
また、災害時の責任の所在について、各所管、館長、指定管理者といった当事者間でどのように役割を果たすのか伺います。
次に、議案第131号中原区内都市計画道路苅宿小田中線(Ⅲ期)道路築造(立体交差化)工事請負契約の変更について伺います。
契約金額を約27億円から約31億円へと変更する契約を締結するとのことです。前回締結された工事請負契約金額は25億円であり、市長専決処分の金額も含めると約7億円増額しています。交通管理者協議等による安全対策の結果がその主な理由とのことです。市民への説明責任を果たし得る、工事内容を伺います。また、スケジュールは遵守されるのか伺います。併せてその根拠についても伺います。
次に、報告第16号出資法人の経営状況報告について伺います。
昨年の報告時に、我が会派より、まちづくり公社が以前行っていた融資についての状況を質問した際、資料では確認できないが、新規貸し付けはすでに行っておらず、回収業務についての報告は受けているとの説明でした。債権回収の計画や実績について確認すべきと指摘しておきましたが、対応を伺います。また、委員会の取組評価においても説明すべきと考えますが伺います。
次に、公益財団法人川崎市公園緑地協会について伺います。
今後の財務状況や収益事業が不透明であることから、その在り方が問われている法人であります。取組評価の中で、今年度から複数年に渡って4600万円もの赤字が見込まれています。等々力緑地の事業撤退に伴う自動販売機の撤去による収益減など、課題は山積ですが、大きな状況変化は望めないかと考えますが、今後の取組を伺います。現在地での業務継続は困難ですが、事務所の移転について伺います。資料には、協会の活動拠点として期待できるのが多摩区の緑化センターと記されています。事務所の移転候補地であるのか伺います。それ以外の候補地もあれば伺います。
また、同センターの指定管理者へ再び名乗りを上げるようですが、現管理者との比較において優位性があれば伺います。
関連して、同センターの開園時間についてですが、年間を通して夕方4時までというのは工夫の余地が多分にありますが、延長について考えを伺います。
令和4年度決算においては、役員報酬等は事業費と管理費とで別立てになっていますがその理由を伺います。また、令和3年度と比べ、事業費の役員報酬が382万円余増加、管理費の役員報酬が69万円余増加していますがその理由を伺います。さらに、経営難にもかかわらず、令和5年度予算書の事業費の役員報酬は令和4年度より124万円増加しています。管理費の役員報酬は横ばいです。理由を伺います。また運営改革についての見解を市長に伺います。
次に、川崎・横浜公害保健センターについてですが、川崎市および横浜市が認定した公害健康被害者の健康の回復および福祉の向上をはかり、大気汚染に係る健康被害の予防に寄与することを目的に設立されました。しかしながら、公害健康被害の新規認定が昭和63年の第1種指定地域の指定解除により既に終了し検査・検診事業が減収傾向にあることや、呼吸器疾患に係る医療提供ならびに健康被害予防事業が公私医療機関等でも対応できていること、さらには平成26年成立したアレルギー疾患対策基本法によりアレルギー疾患患者の対策を総合的に推進するよう定められたことなどを背景に、呼吸器疾患に係る施策の位置づけと本法人との今後の在り方を検証すべき時期にあると考えます。見解を伺います。
次に、川崎市消防防災指導公社についてですが、防火防災および救急に関する普及啓発事業、各種講習会事業、アクアライン消防活動支援事業などの取組を行っていますが、経常費用の削減に努力されているものの財務状況は厳しい現状であり、建物ならびに土地の減免申請を図りながら運営している状況です。減免措置は減額率50%から段階的に引き下げられていくものと考えますが、本法人が減免措置を脱するまでに要する期間はどの程度を想定しているのか伺います。また、その間に財務状況の改善に向けてどのような経営改善を図る計画なのか伺います。
次に、報告第17号訴えの提起ならびに関連して住宅供給公社について伺います。
この報告は市営住宅の使用料滞納者に明渡の訴えを提起するものです。以前の議会では毎回同様のケースが数十件と提案されていました。平成24年には、迅速に対応をすべく使用料の支払い又は明渡に係る訴えの提起や和解、調停に関する事を、議会として報告案件で良しとして、市長の専決事項の指定に付け加えてきた経緯があります。その後の毅然とした対応により、件数や金額も減ってきたと認識していますが、滞納件数・滞納金額の推移を伺います。
また迅速に対応して、長期の滞納を減らす事も目的としてきたはずですが、今回の報告では65か月分124万円超の滞納額を計上しています。これだけの長期滞納になった理由と住宅供給公社との役割分担について伺います。今回のケースではどの様に対応してきたのか伺います。
同公社には本年度予算でも45億円の管理受託費が川崎市から支払われています。ここには滞納対応も含まれますが、長期滞納の発生に公社の責任はないのか。指定管理制度の様に滞納額の増減に対してインセンティブの働くような予算設定は出来ないのか収納対策と併せて伺います。
答弁
(市長)
財源確保についての御質問でございますが、国の財政措置につきましては、安定的な行財政運営を行っていくために大変重要と認識しているところでございまして、その獲得に向け、国の動向を的確に把握し、事業ごとの補助制度等を十分に研究して、積極的な導入に努めるよう各局長に指示しているところでございます。
また、本市独自や指定都市市長会等により、例年行っている国の予算編成に対する要請において、適切な財政措置を求めているところでございます。
今年度におきましては、6月から7月にかけて、私自ら、総務大臣や地元選出の国会議員に対して直接要請を行ってまいりました。これに加えまして、副市長、局長においても、関係省庁に対し要請内容の説明を実施したところでございます。
今後につきましても、必要な政策・施策を着実に推進していくため、全庁一丸となって財源の確保に向けた取組や国の制度変更への的確な対応を進めてまいります。
保育所等における多子世帯支援についての御質問でございますが、将来を担うこどもの医療費や保育料等については、本来、自治体間で差異のある取組ではなく、国の責任において全国一律の制度として構築するべきであると考えております。
現在の国の制度におきましては、同時に保育所等の対象施設に在籍している小学校就学前の子どもに限るとしているため、年が離れている場合などは減免対象にならず、非常に不合理なものと考えており、この間、国に対し、他の政令市等と連携して年齢制限の撤廃等について要望をしてきたところでございます。
しかしながら、このほど国が示した「こども未来戦略方針」では触れられておらず、独自の取組を実施する自治体が増える中、本市においても制度拡充を求める市民の声が高まっていることから、認可保育所等の保育料につきましては、きょうだいの年齢、利用施設等に関わらず、第2子を半額、第3子以降を無償とすることとし、来年4月からの実施を決断したところでございます。
川崎未来エナジーについての御質問でございますが、JFEスチールの高炉の火が消えるという歴史的なタイミングにおいて、脱炭素を目指す本市の象徴的な取組の1つとなる「川崎未来エナジー株式会社」の設立を迎えることは、大変意義深いものと考えております。
川崎未来エナジーは、民間事業者と連携して、再生可能エネルギーの普及拡大や地産地消を推進するとともに、エネルギーに関するイノベーションを加速させることを目指して設立するものでございます。
この会社が、地域のエネルギー課題にチャレンジする、プラットフォームの中心的な役割を果たし、市域に安定的に再エネが普及するとともに、その利用の最適化や民間への供給拡大などに取り組むことで、2050年の脱炭素社会の実現やこの先の100年を見据え、本市が、市民からも企業からも選ばれる都市になっていくための一翼を担う存在となることを期待しております。
公園緑地協会についての御質問でございますが、出資法人につきましては、法人の「効率化・経営健全化」と併せて、本市の行政目的に沿った連携活用を図っていくものとしているところでございます。
社会における環境意識が変化し、みどりの多様な役割や可能性が再認識される中、公園緑地については、これまでの管理・保全だけではなく、様々な主体との協働をベースに、みどりを効果的に活用し、地域の魅力向上などにも寄与するものと考えられますので、このような視点も踏まえながら、同協会の改革に取り組んでまいります。
(伊藤副市長)
行政実務研修員についての御質問でございますが、民間企業で培われた経験や専門知識に加え、広い視野と柔軟な発想力を有する人材を研修員として受け入れることは、市職員の資質向上など人材育成上の効果が期待されることに加え、相互理解による連携推進などにも資するものと考えております。
引き続き、行政実務研修員制度を適切に運用していくとともに、他都市の状況等を踏まえ、募集方法を含め、制度の効果的なあり方について検討してまいります。
(藤倉副市長)
労働会館改修工事についての御質問でございますが、工事発注に際しましては、本市積算基準等に基づき最新の単価を採用するなど、物価高騰を反映した積算を行っておりますが、今回、物価高騰の動きが著しく大きかったことや、大規模なスケルトン改修という新たな取組に対して本市の考え方と建設業者の受け止め方の間に幅が生じてしまったこと、コロナ禍後の建設業界の民間受注環境の好転などが入札不調の原因になったものと考えております。
今回の経験を踏まえ、当面、建築コストの動きに注視し、市場の動向を把握するための情報収集を行ない、適宜、設計内容へ反映することや、新たな取組に対しては、業界団体等へのヒアリングを実施した上で、設計図書に詳細な情報を記載すること、意欲のある建設業者が参加しやすくするなど、計画的な公共事業の推進に向け、工事発注部局のみならず、関係局がより一層連携して取り組んでまいります。
(上下水道事業管理者)
下水道事業会計についての御質問でございますが、はじめに、営業費用の増加傾向につきましては、近年の電気料金の価格高騰による影響が特に大きいところでございまして、今後の電気料金価格の推移によって増減するものと考えております。
次に、収支改善の必要性等につきましては、令和4年度決算見込みでは純利益を確保しておりますが、電気料金価格を含めた物価高騰などの影響により、大変厳しい経営環境にありますことから、まずは、支出抑制などによる自助努力を行うことで健全経営に努めてまいります。
次に、営業外収入の見込みにつきましては、低利用又は未利用の状態にある下水道事業の土地の貸付け等について、引き続き検討を進めてまいります。
水道事業会計についての御質問でございますが、他会計補助金につきましては、川崎縦貫道路関連経費として、一般会計との協定に基づき、企業債発行に係る支払利息相当分を受け入れているところでございます。
地方公営企業法では、いわゆる独立採算制の原則が定められているところでございまして、仮に事業の赤字額が拡大したとしても、直ちに他会計補助金の増額につながらないものでございます。
今後も、燃料価格の高騰などによる事業経費の増加が見込まれることから、限られた収入の中で、支出抑制などを図りながら、引き続き、健全経営に努めてまいります。
経営体制についての御質問でございますが、はじめに、上下水道統合の効果につきましては、平成22年度の上下水道局の設置により、上下水道部門間における災害時の相互応援体制確立による危機管理体制の向上や、コールセンターを活用した問合せ窓口の一元化による市民・事業者の利便性の向上など、効果的に各事業を実施しているところでございます。また、下水道事業における地方公営企業法の全部適用への移行に伴い、管理部門を共有化することにより、単独で「下水道局」を設置した場合と比べ、13人分の人件費削減効果を生み出すなど、財政面における経営の効率化にもつながっているものと考えているところでございます。
次に、市民サービスの質につきましては、職員数は減少しているものの、お客さまサービスの充実などに取り組んでいるところでございまして、市民意識調査のお客さまサービスの満足度の項目において、肯定的な回答の割合が上昇していることからも、市民サービスの向上が図られているものと考えているところでございます。
次に、職員減が職場風土に与える影響につきましては、職員定数の見直しが不祥事の発生に直接つながるものとは考えておりませんが、昨年度に実施した全職員対象のアンケート等の結果、職場風土・環境・風通しに改善の余地があることが課題としてあげられたため、今年度から私や部長級職員と若手職員によるラウンドテーブルミーティングを実施するなど職場風土などの改善に向けて取り組んでいるところでございます。
次に、3事業の効率的な人材の活用につきましては、上下水道部門間における人事異動を積極的に行うことなどにより、効率的かつ効果的な執行体制の確保に努めてきたところでございます。
今後も、組織の連携強化や上下水道の専門家集団の育成などの視点から、効果的な人材育成や人事異動に努めてまいりたいと考えております。
下水道事業会計の収益確保についての御質問でございますが、はじめに、下水道事業会計では、雨水公費・汚水私費の原則によりまして、浸水対策費用に対する一般会計からの繰出金を受けているところでございます。今後は、浸水対策費用の増加が見込まれますことから、関係局と調整を図りながら事業を進めてまいります。
次に、低未利用資産の活用の取組につきましては、上下水道局では、持続可能な経営基盤の確保のために、低未利用な状態にある土地などの資産を積極的に有効活用しており、今後も、更なる収益の確保に向け、引き続き検討してまいります。
(総務企画局長)
人口推計についての御質問でございますが、今後の人口動態につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響や社会変容等、一定期間の社会動向を踏まえ、傾向を見定める必要があると考えております。
今後も、転出入の状況や開発動向など、人口動態に影響を与える要因を注視しながら、引き続き見直しの必要性について検討を行ってまいります。
成果指標等についての御質問でございますが、実施計画の政策体系につきましては、基本政策、政策、施策及び事務事業の4層構造としており、事務事業に位置付けられた取組を着実に推進することによって、部局横断的な取組が多い施策の実現を目指す仕組みとしております。
そのため、施策の評価に当たりましては、施策の所管課において、異なる部局が所管することもある、配下の事務事業の進捗状況や、取組の成果を示す指標等を取りまとめたうえで、総合的な評価を行うとともに、総務企画局におきましても、評価が適切に行われるよう、総合調整を図っているところでございます。
今後も、多様な課題解決に資するよう、令和6年度に実施する施策評価を通じて、同じ施策に位置付けられる事務事業の部局間の連携や情報共有を進めてまいります。
指定都市市長会議等についての御質問でございますが、「第56回指定都市市長会議」につきましては、会議冒頭に松本総務大臣との意見交換が行われ、「多様な大都市制度の早期実現に向けて」及び「生成AIについて」をテーマに活発な議論が行われるとともに、議題として、本市から提案した「サイバーセキュリティ対策に対する指定都市市長会要請」を含め、国に対する4件の要請及び提言案が採択されたところでございます。
なお、4件の要請等につきましては、会議後速やかに関係省庁への要請活動を終えたところでございまして、本市は、谷内閣府特命担当大臣及び長峯経済産業大臣政務官へ、サイバーセキュリティ対策に対する指定都市の課題等について、働きかけを行ったところでございます。
次に、「多様な大都市制度実現プロジェクト」につきましては、福田市長をプロジェクトリーダーとして、13の市長が参加し、特別市の法制化に向けた機運醸成の取組を進めているところでございます。
第5回プロジェクト会議では、9月から3月までを重点取組期間として指定都市が一体となって情報発信を行っていくことなどを確認するとともに、特別市がもたらす具体的なメリットや圏域の発展による効果などについて、学識経験者をお招きし、意見交換を行ったところでございます。
次に、新型コロナウイルス感染症など、多様化、複雑化する行政課題に迅速、的確に対応するためには、住民に身近な基礎自治体である指定都市に権限と財源を一元化し、地域における全ての事務を一体的に担うことが重要であると考えており、引き続き、特別市の法制化の早期実現に向けて取組を進めてまいります。
次に、二重行政の事例といたしましては、就労支援相談窓口の設置など広域自治体と基礎自治体が同一の施策を実施しているものや、私立幼稚園と認定こども園の認可・認定権限の所管が異なるなど類似の行政分野で広域自治体と基礎自治体に事務・権限が分断されているものなどがございます。
また、昨年3月に神奈川県が公表した「特別自治市構想に対する神奈川県の見解」では、特別自治市構想が二重行政にあたると指摘している事例は、法令による役割分担がなされているものや、住民ニーズに基づくものであり、二重行政の指摘は当たらないなどの見解が示されたところでございます。
これを受けまして、昨年7月に、県内3指定都市の市長による共同記者会見を開催し、二重行政による弊害は存在するなど、3市の基本的な考え方と今後の方向性を明らかにしているところでございます。
次に、市と県の職員間での議論につきましては、これまでも特別市の法制化の実現に向けた様々な取組の中で、事案に応じて、情報交換や資料提供依頼など、必要な事務調整を行っているところでございます。
特別市制度の創設については、我が国の大都市制度改革の取組として、今後もトップレベルでの協議が行われる中で、引き続き、職員間での必要な事務調整も進めてまいります。
次に、地方制度調査会の見解につきましては、第30次地方制度調査会の答申において、特別市が警察事務を担う場合の広域犯罪への対応などの課題も一部示されておりますが、特別市の区域内における二重行政が完全に解消され、今後の大都市地域における高齢化や社会資本の老朽化に備えた効率的・効果的な行政体制の整備に資する点で大きな意義を有するとともに、大規模な都市が日本全体の経済発展を支えるため、一元的な行政権限を獲得し、政策選択の自由度が高まるという点にも意義があるとされているところです。
次に、市民税と県民税の取扱いや本市の財源確保につきましては、特別市は県の区域外となることから、現在、県民税として負担している分を市民税として負担いただくことを想定しておりますが、詳細につきましては、今後の特別市の法制化に向けた地方税財政制度の見直し等の検討の中で、具体的に整理されていくものと考えております。
そのため、特別市が担う事務量に見合った適切な税配分がなされるよう引き続き国等へ要請してまいりたいと考えております。
次に、二重行政が解消された場合につきましては、行政サービスの利便性向上や行政課題への対応の迅速化のほか、効率的・効果的な行政体制の整備などによる財政効果があるものと考えております。
行政実務研修員についての御質問でございますが、本市では、現在、総務企画局シティプロモーション推進室において、城南信用金庫、東急株式会社、富士通Japan(ジャパン)株式会社、及び川崎信用金庫から各1名、経済労働局経営支援課において、川崎信用金庫から1名、経済労働局農業振興課において、セレサ川崎農業協同組合から1名、臨海部国際戦略本部成長戦略推進部において、株式会社横浜銀行から1名、合計7名の受入れを行っているところでございます。
次に、研修員の給与及び費用負担につきましては、川崎市行政実務研修員に関する要綱に基づき、研修期間における給与は派遣企業が負担し、旅費等の費用弁償は本市が負担することとしております。
次に、研修員を受け入れる効果やメリットといたしましては、民間企業の職員と働くことで、本市職員の資質向上を図るとともに、本市行政への民間活力の導入を図り、もって市行政の効率的な執行に資するものと考えております。
市制100周年記念事業についての御質問でございますが、令和6年に市制100周年という歴史的な節目を迎えるに当たり、「多様性」の価値を改めて市民の皆様と共有するとともに、さまざまな主体が主役となり、つながり合いながら、市制100周年から始まる「あたらしい川崎」を生み出していくため、記念事業の検討を進めているところでございます。
11月5日に予定している市役所通り活用イベントにつきましては、来年度の「全国都市緑化かわさきフェア」との連携を見据え、市役所通りの車道を一時的に歩行者空間とし、同時期に開催される「かわさき市民祭り」と連携しながら、市のスポーツ・音楽資源を活かしたステージや飲食・休憩スペース等を設置し、「居心地が良く歩きたくなる」まちを体験する社会実験イベントでございまして、稲毛公園等周辺の公共空間とあわせて、関係局区とともに企画の検討を進めているところでございます。
本イベントは、実行委員会主催事業の一つである「公共空間を活用した賑わい創出プロジェクト」として取り組んでおり、こうした取組を通じて川崎の魅力を発信し、シビックプライドの醸成や将来的な公共空間の効果的かつ持続的な活用を目指してまいります。
(財政局長)
決算についての御質問でございますが、歳入総額が8,580億100万円、歳出総額が8,506億円でございまして、このうち、新型コロナウイルス感染症への対応に係る事業費は、597億8,200万円となっており、これを除いた歳入総額は7,982億1,900万円、歳出総額は7,908億1,800万円となるところでございます。
次に、本市財政への影響についてでございますが、新型コロナウイルス感染症への対応が本格化した令和2年度以降、歳出につきましては、ワクチン接種やPCR検査などの「感染症対策」や、各種給付金の給付や川崎じもと応援券の発行、市内中小企業者への支援の取組などの「市民・事業者への支援」事業の実施などにより、決算規模は、コロナ禍前と比較して大きくなったところでございます。
また、歳入につきましては、令和3年度は、当初予算では、感染症の影響による景気の落込みに伴う市税の大幅な減収を見込んでおりましたが、決算では、国の緊急経済対策の影響などにより、見込んでいたほどの減収とはならなかったほか、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金をはじめとした国庫支出金が増となったことなどにより、決算規模は、コロナ禍前と比較して大きくなったところでございます。
個人市民税についての御質問でございますが、令和4年度当初予算では、厚生労働省が行う毎月勤労統計調査等の指標を参考に、納税義務者1人あたりの所得金額について、前年度と比べて1万7,000円増の416万1,000円と見込むなど、1,737億9,300万円としたところでございます。
令和4年度決算では、令和3年の冬季賞与が見込みを上回ったことなどにより、納税義務者1人あたりの所得金額が、前年度と比べて9万9,000円増の424万3,000円となり、個人市民税額は、前年度と比べて、50億9,700万円増の1,809億4,200万円で、市税全体の47.8%を占める重要な財源となっております。
人口動態の財政運営への影響等についての御質問でございますが、納税義務者1人あたりの所得の増による個人市民税の増収等により、当初予算を上回ったところでございますが、人口動態は納税義務者数の増減要素となり、市税収入に一定の影響を及ぼすことから、今後も推移を注視していく必要があるものと考えております。
収支フレームにつきましては、人口推計のほか、国の「中長期の経済財政に関する試算」等を基礎データとして活用し、総合計画・実施計画や行財政改革プログラムの取組を反映して策定しており、今後も、実施計画等の策定とあわせて改定を行ってまいりたいと考えております。
ふるさと納税についての御質問でございますが、本市の寄附受入額につきましては、令和3年度は9億2,631万円余、令和4年度は6億3,008万円余で、2億9,622万円余の減となっているところでございますが、これは、令和3年度に1件5億円の寄附があったことによるものでございまして、ポータルサイトを活用した寄附につきましては、令和3年度は3億5,138万円余、令和4年度は5億8,790万円余となっており、着実に増加しているところでございます。
今後につきましては、寄附受入額の拡大に向け、市内の大手企業を含めた様々な団体や企業と連携し、多くの需要が見込まれる生活必需品などの、寄附受入額の拡大に繋がる魅力ある返礼品の充実に取り組むとともに、多くの方に本市の魅力に触れていただく機会を増やせるよう、ポータルサイトの拡大について検討してまいります。
令和4年度決算についての御質問でございますが、はじめに、扶助費につきましては、臨時的なものを除いた、保育事業費や障害者(児)介護給付等事業費等の社会保障関連経費は、前年度に比べて増加しており、今後におきましても増加が見込まれるところでございます。
次に、物価高騰につきましては、契約金額の増など公共事業へも影響があったところでございまして、これらについては、補正予算などにより必要な措置を行い、適切に対応してきたところでございます。現在も円安などが続いており、先行きが不透明な状況が見込まれますが、今後も社会経済状況の変化に的確に対応してまいります。次に、光熱費につきましては、一般会計の決算額は、約49億円で前年度から約17億円の大幅な増となっております。こうした状況は、特別会計や企業会計においても同様であったことから、必要な会計につきましては、補正予算などにより適切に対応し、結果として、赤字決算となった会計は無かったところでございます。
社会保障に係る決算額についての御質問でございますが、令和4年度におきましては、保育事業に係る扶助費が669億円余、生活保護に係る扶助費が552億円余、障害者福祉に係る扶助費が499億円余、高齢者福祉に係る扶助費が27億円余で、あわせて2,386億円余となっており、このほか、後期高齢者医療事業会計への繰出金が27億円余、介護保険事業会計への繰出金が159億円余となっております。
今後の見込みにつきましては、「収支フレーム」では、「一部の社会保障関連経費」として、生活保護費については、過去の推移等を踏まえ、一定としておりますが、保育事業高齢者福祉障害者福祉につきましては、対象年齢人口の推計や、対象者数の動向などを踏まえまして、一定程度の増加を見込んでいるところでございます。
(市民文化局長)
町内会・自治会活動応援補助金についての御質問でございますが、令和4年度の決算につきましては、市内全ての町内会・自治会から要綱上の上限額の申請があった場合に備えての予算額としたものでございまして、新型コロナウイルス感染症の影響から町内会・自治会における行事等の活動が緩やかに回復しつつも本格的な再開には至らなかったことなどもあり、不用額が生じたものと考えております。
また、世帯数から見たカバー率は8割を超えているところでございますが、規模が小さい町内会・自治会からの申請が少ない傾向もあり、より丁寧な対応が必要であると認識しているところでございます。
申請の多かった補助種別につきましては、敬老祝賀会などの社会福祉活動、町内会掲示板の修繕や更新等の情報共有活動が多い点は令和3年度と同様ですが、地域活動の緩やかな回復に伴い、盆踊りやスポーツ大会等、地域住民の参加と交流を促進する活動に係る申請が増えてきたことが特徴でございます。
令和3年度との比較につきましては、交付団体数が54団体、交付率は約8%、補助金交付額は約2500万円増加しているところでございます。
引き続き、本補助制度のより一層の活用を働きかけ、町内会自治会の公益的な事業活動の活性化に向けた支援に取り組んでまいります。
かわさき多摩川マラソンについての御質問でございますが、今年度の大会の特徴につきましては、市制100周年記念のプレ大会として、車いす専用の部門や未就学児が親子で走ることができるファミリーラン部門、特別支援学校生徒の招待枠を新たに設けるほか、スペシャルゲストとして中村憲剛氏を、またアンバサダー兼ゲストランナーとしてYouTuberのHAGI氏をお迎えするとともに、ハーフの部と10kmの部には新たにペースメーカーを配置するなど、参加者の更なる満足度の向上を図り、誰もが楽しめる大会へとリニューアルし、開催するものでございます。
応募状況等につきましては、昨年度は約4,800人、定員の7割弱の申込みでございましたが、今年度は市民先行募集として2,417人、一般募集は締切り前ではありますが、9月7日現在で3,635人、合計で6,052人となっており、定員の8割を超える申込みをいただいておりまして、全申込者に対する市民の方の割合は約6割でございます。
持続可能な大会運営に向けた取組につきましては、引き続き、経費の効率的な執行に努めるとともに、今後は、大会の実施状況やニーズ等を踏まえた事業内容の見直しに加え、更に魅力ある企画や効果的な広報について検討、実施することにより、年齢や性別、障害の有無などにかかわらず、誰もが楽しめるインクルーシブな大会として広く認知していただき、市制100周年のレガシーとして継承しながら、より多くのランナーの皆様から支持される大会となるよう取組を推進してまいります。
(経済労働局長)
商店街の活性化等についての御質問でございますが、本市には川崎大師や藤子・F・不二雄ミュージアムをはじめとした全国的に有名な観光施設や大規模商業施設等、魅力的な地域資源が数多くあり、今後もスペルノーヴァ川崎等、新たな施設が開業する中で、これらを訪れた方々が周辺の商店街等で飲食や買い物を行い、地域経済の活性化に繋げることは重要であると考えております。
コロナ禍が落ち着き、国内をはじめ海外からも来訪者が増加していく中、こうした来訪者を地域の商店街等へ誘導するため、商業施設や宿泊事業者、飲食業者等と連携し、川崎ならではの食文化を発信する川崎ナイトマーケット「川崎夜市」を実施する等、地域と一体となった取組を行っているところでございます。
今後におきましても、羽田空港との近接性を活かし、川崎に立ち寄りたい、滞在したいと思わせる魅力あるコンテンツの開発に取り組むとともに、地域で行われる魅力あるイベント等については、大型商業施設や交通事業者などと連携した広報等を行うことにより、商店街等への誘客につなげ、消費拡大や税源涵養を図ってまいります。
「新川崎・創造のもり」についての御質問でございますが、「共創の場形成支援プログラム」に採択されたプロジェクトにつきましては、量子ソフトウェアとスーパーコンピューター、AI技術の融合に関する研究開発を推進し、その成果を社会実装につなげることを目的としたものでございます。
このプロジェクトにおいて、新川崎・創造のもりでは、量子コンピューターの利用環境を整備し、市内企業の参画促進を図るなど、研究成果の社会実装に向けた取組を推進しているところでございます。
今後の展望につきましては、「Society5.0」が実現した社会においては、データ量や通信量が爆発的に増大し、セキュリティ確保も求められ、計算量・秘匿性に優れる量子コンピューターの活用が不可欠と言われておりますことから、同地区の強みを活かし、産学官が一体となって、量子分野の研究開発や人材の育成・集積を目指す「量子イノベーションパーク」の形成を図ることで、こうした社会の実現に貢献できるものと考えております。
同地区の周知につきましては、市民の皆様が同地区を見学し、科学技術を体験するイベントを定期的に開催しているほか、YouTubeでの情報発信では、動画再生回数が31万回を超えるなど、様々な周知を行っておりますが、認知度のさらなる向上は重要であると考えております。
同地区においては、本年中にリニューアルした世界最新鋭の量子コンピューターが稼働する予定と伺っておりますことから、こうした動きも捉え、さらに同地区の魅力を幅広く発信し、認知度の向上に努めてまいります。
インボイス制度についての御質問でございますが、インボイス制度に関する相談実績でございますが、市産業振興財団に設置したワンストップ型経営相談窓口や出張相談窓口において、9月7日現在で41件の相談がございました。
主な相談内容につきましては、インボイス制度の概要をはじめ、国の経過措置、インボイス制度に登録すべきかの判断、取引先からのインボイス登録要請への対応等がございました。
インボイス制度の開始後につきましても、個人事業主や小規模事業者が不利益にならないよう、国や産業振興財団等と連携を図りながら、様々な取引上の課題に関する相談に対応するため、経営相談窓口の設置や、税理士・弁護士等も含めた専門家派遣等の支援に継続して取り組んでまいります。
かわさき店舗出店支援プログラムNOREN(のれん)についての御質問でございますが、同プログラムは、ビジネスプランの作成から、テストマーケティングの実施、受講生同士の交流促進や地元商業者等とのつながりづくりなど、アフターフォローまでを、創業アドバイザー等が伴走支援し、市内出店を目指す事業でございます。
今年度の募集状況につきましては、15名程度の定員に対し、9月7日現在で14名の応募があったところでございまして、事業内容や意欲、実現可能性などの観点で書面審査を行った上で、定員の範囲内で受講生を適切に決定してまいります。
昨年度の実績等につきましては、18名の応募があり、書面審査により15名の方に受講いただき、そのうち、実際に開業された方は1名、開業準備中の方が2名となっております。
受講生からは、「やりたい事業を改めて整理できた」「地域特性についての情報を入手できた」といった声が寄せられ、受講生同士のコミュニティも形成することができたところでございます。
改善点につきましては、受講生が確実に出店できるよう、金融機関や地域不動産会社等のサポート企業の参画等によるアフターフォロー体制の充実を図ってまいりいと考えております。
対象地区につきましては、開業体験ができる民間施設が多い中原区・高津区を設定してまいりましたが、今後につきましては、他の区に拡大することで、より多くの意欲ある商業者を創出できるよう取組を進めてまいります。
卸売市場についての御質問でございますが、北部市場の機能更新に係る取組につきましては、今年度中の基本計画の策定を目標として、今年度に入って場内事業者と計7回の協議を精力的に進めてきたとともに、事業採算性等の観点から開発業者等との協議も着実に進めてきたところでございます。
協議内容につきましては、場内事業者については、各機能における施設規模や複層化を踏まえた施設配置、仮移転における諸条件の確認等を、開発業者等については、市としての事業採算性の確保や、市場機能向上のための創意工夫の確認等を進めてきたところでございます。
こうした協議を通じて、市場整備の方向性について共通認識の醸成が図られたものと考えております。
本年2月の総務委員会における報告内容からの変更点につきましては、機能の集約、業務効率化等の観点から「市場施設を一体化、同一部門はワンフロアに集約」としていたものを、大型車両動線への配慮等から、市場施設の分棟化部門内での複層化も視野に入れ、検討を進めているところでございます。
収支計画の考え方につきましては、市場を持続的に運営し、発展させていくためにも、経営的視点が重要であることから、機能更新及びその後の維持管理・運営に係る事業費は、基本的に、市場使用料及び財産貸付収入等の市場敷地全体から生じる収入をもって支出との均衡を図るものと考えておりますが、整備期間中などは、支出が一時的に増加することが想定されるため、総合的に判断してまいりたいと考えております。
今年度より、南北両市場のポテンシャル・役割を明確にし、北部市場の機能更新と、両軸として同時並行で進めるものとした南部市場の今後の運営方針の検討につきましても、場内事業者等と計6回の協議を精力的に進めてきたところでございます。
協議内容等につきましては、南部市場の現状やポテンシャル、将来ビジョンの整理などを進め、周辺地域への生鮮食料品等の安定供給という使命の達成とともに、川崎駅や羽田空港から近いといった立地上のポテンシャルを踏まえ、集客できる市場の実現に向けた方向性として「南部市場のめざす姿」を8月に取りまとめたところでございます。
既存建築物等の現況整理につきましては、老朽化が進行しており、機能面や安全性の確保に課題があることが判明したことから、必要な対策や適切な整備手法について整理してまいります。
今後に向けましては、これらの整備手法や、「めざす姿」を実現するための事業手法について、附属機関に諮問を行い、答申いただいた内容を踏まえ、その後に策定する運営方針の中で整理できるよう、引き続き検討を進めてまいります。
都市農業施策についての御質問でございますが、農業振興地域における農業関係施設の維持修繕につきましては、営農団地管理組合等からの申請に基づき、必要性を本市において精査し、補助事業を実施しているところでございます。
令和4年度におきましては、岡上営農団地管理組合から灌漑設備である深井戸ポンプ及び送水管の改修についての意向があり、令和5年度に実施する調整を進めてまいりましたが、近年の物価高騰による影響により、当初予定していた工事費を上回る見込みとなったことから、深井戸ポンプの整備を優先的に実施し、送水管は令和6年度以降に整備する方向で、補助金の交付について最終調整が完了したところでございます。
今後につきましても、地元の御意見を丁寧にお伺いしながら、農業用施設の改修を支援し、営農環境の改善に努めてまいります。
梨の生産において発生する剪定枝の量につきましては、令和4年度川崎市農業実態調査による梨の作付け面積は、1,978アールで、作付け面積あたりの剪定枝の量は、過去の発生量調査によりますと、1アールあたり約50キログラムであったことから、年間約100トンと推計しております。
生産者あたりの処分量につきましては、生産規模や処理方法によって異なりますが、作付け面積が1ヘクタール程度の、規模の大きい生産者では、年間に2トントラック約5台分と伺っております。
処分に係る経費につきましては、剪定枝を廃棄している生産者にとりましては、負担感が大きいと捉えているところでございますが、処分料の免除については、現時点では課題があると認識しており、効果的な処理方法等について、関係局とともに検討してまいります。
新川崎地区でのイベント実施についての御質問でございますが、「かわさきジュニアベンチャースクール」につきましては、将来の産業を担い、世界で活躍する人材の育成を目的に市内の小中学生を対象に、全7回の実践講座等を実施しております。
今年度は33名が参加し、少人数のチームを作り、意見を交わしながら、課題解決のアイデア創出に取り組んでいるほか、子どもたちが起業家の想いや、最先端の科学技術に接する機会も設けることで、アントレプレナーシップの醸成を図っているところでございます。
量子コンピューターの人材育成プログラムにつきましては、量子分野の産業をけん引する人材を川崎から輩出することを目的に、令和4年度から東京大学、日本アイ・ビー・エム株式会社との3者により開催しております。
今年度は、昨年度より1日多い全5日間の日程で、市内の高校生19名が講義や演習を通して量子コンピューターについて学び、成果報告会では、「万能量子コンピューターを使って解決したい課題」をテーマに教育や災害対策などでの課題解決案をグループごとに発表しました。
参加者からは、「量子コンピューターについて、企業や大学の研究者から教えてもらえる貴重な機会だった」との声をいただいたところでございます。
引き続き、新川崎地区に集積する企業や大学等と連携し、子どもたちが最先端の科学技術に触れ、学ぶ機会の創出を図ってまいります。
(仮称)川崎市民館・労働会館の再編整備についての御質問でございますが、供用開始の遅延に伴う市民への説明につきましては、労働会館と教育文化会館の利用団体、町内会等、19団体に御説明いたしまして、「建築コストの高騰など、難しい面もあると思うが、できるだけ早期に供用開始できるようにしてほしい」や「新施設が利用者にとって使いやすい施設にしてほしい」などの御意見をいただきましたが、今回の供用開始の遅延については、ご理解いただいたところでございます。
富士見公園の再編整備への影響につきましては、教育文化会館跡地に整備予定の富士見中学校のグラウンドとしても活用可能な市民利用施設の供用開始が、1年程度遅延する見込みであり、それに伴う影響が生じるものと想定しておりますことから、その対応について関係局と協議してまいります。
(環境局長)
剪定枝の多量廃棄に関する相談等についての御質問でございますが、生活環境事業所への相談件数につきましては、一般家庭から排出される市民の方々や農業者などの民間事業者から、年に数回相談を受けております。
次に、相談を受けた場合の対応につきましては、一般家庭から排出される場合は、排出量を確認し、量が多い場合には複数回に分けて排出していただくようお願いしております。また、農業者など民間事業者から排出される場合は、一般廃棄物収集運搬業者への委託や、処理センターへの自己搬入の案内のほか、剪定枝のリサイクル業者を紹介することとしております。
環境省のモデル事業についての御質問でございますが、本事業の目的、背景、課題についてでございますが、これまでに実施した中小企業への調査では、多くの企業から脱炭素化に「取り組む予定はない」「取り組む必要性を感じない」との回答があったため、日頃から中小企業を訪問する金融機関、支援機関と連携した脱炭素経営を促進する体制の構築を図るものでございます。
次に、提案のポイントでございますが、金融機関の持つネットワークと、支援機関が有する経営支援のノウハウを生かして、脱炭素分野における中小企業への伴走型の支援を展開するものでございます。
次に、事業の体制でございますが、本市と市内の15金融機関、市内中小企業を支援する4団体の計20団体で構成する「川崎市脱炭素経営支援コンソーシアム」を、経済労働局とも連携しながら今月創設したところでございます。
次に、コンソーシアムの運営につきましては、共同提案者の6者を中心に、市が国とも調整のうえ運営してまいります。
次に、市内中小企業の現況や取組が進まない要因につきましては、アンケート調査では、「他の経営課題もあり取り組む余裕がない」、「どう取り組めばいいのか分からない」、といったご意見を伺っているところでございます。
次に、国からの支援につきましては、支援人材の育成や排出量の見える化に向けた支援、排出量削減に向けた助言を行う専門家の派遣等がございます。
次に、事業の効果につきましては、日頃事業者と接する金融機関等の職員が、脱炭素経営に関する知識を習得するとともに、支援を受けた事業者が脱炭素に向けて積極的に取り組み、その取組を発信することで、より多くの事業者が脱炭素経営への興味・関心を持ち、取組の一歩を踏み出す効果を創出できるものと考えております。
次に、事業スケジュールや評価につきましては、本モデル事業は令和6年2月で終了いたしますので、取組結果をとりまとめ、国とも共有を図り評価するものでございます。なおモデル事業終了後も、コンソーシアムは継続して運営することを予定しており、引き続き市内中小企業の脱炭素化を推進してまいります。
横浜市とのごみ処理に係る相互支援協定書についての御質問でございますが、横浜市にごみ処理の支援を依頼した経緯につきましては、堤根処理センターで令和3年10月7日に設備故障が発生し、本市の処理センターにおいて、一時的に受入れ可能な普通ごみ量の超過が想定されたことから、横浜市でのごみ焼却処理について協議を行い、同月25日から翌11月12日までの内14日間、本市の普通ごみ約1,300トンを、鶴見工場で処理していただいたところでございます。また、本市及び横浜市の収集における大きな影響はございませんでしたが、設備故障発生から横浜市での受入れ決定までの協議・調整に時間を要したことが課題でございました。
次に、今回締結した協定書につきましては、令和3年の協議において、特に処理費用や焼却灰の処分の調整に時間を要したことから、今回の協議の中で改めて確認し、その内容を協定に反映いたしました。
次に、市民の皆様への周知等につきましては、今回の協定は、設備故障に伴う施設の緊急停止等の不測の事態が発生した際に、迅速な対応を図ることを目的としておりますが、大規模災害時などの市民生活に影響が生じることが想定される場合には、報道発表、本市ホームページ、SNS等で周知・広報を行ってまいります。
次に、民間事業者の活用につきましては、災害時には、民間事業者の御協力が重要であると考えており、神奈川県産業資源循環協会などと締結している災害協定に基づき、協力依頼を行ってまいります。
次に、受入側での対応が困難な場合につきましては、事前の情報交換等を行いながら状況を把握し、別の処理手法を検討してまいります。
次に、本市及び横浜市の費用負担額等につきましては、受入側の条例で定める一般廃棄物処理手数料の額としており、現状、本市にて受け入れた場合の処理手数料は1kgあたり15円、横浜市では1kgあたり13円となっております。この手数料の算出方法につきましては、それぞれの市が施設維持管理費等のごみ処理に関する経費を考慮し算出しているところでございます。
次に、費用負担の考え方につきましては、それぞれの手数料の算出方法や施設規模等も違うことなどから金額に差が生じておりますが、受入側の一般廃棄物処理手数料を支払うことで合意したものでございます。
次に、ごみ焼却処理施設につきましては、建替え時や基幹的整備を行う際に、人口動態や社会状況等に加え、3Rの推進などの施策の効果を踏まえ、ごみ排出動向を見定め、設備更新を実施しており、持続可能な適正処理に向けて、平成27年から3処理センター体制に移行しているところでございます。
また、今後の施設整備につきましても、3処理センタ一体制に移行したことで、維持管理等の効率化が図られており、新たに建替える際は、社会動向や災害対策等を踏まえ、計画を策定してまいります。
次に、廃棄物処理施設のカーボンニュートラルに向けた取組につきましては、令和5年2月に「廃棄物処理施設における脱炭素化・整備構想策定に向けた検討状況及び今後の方向性」において、今後CO2分離回収から利用までの取組を段階的に進めていくことをお示したところでございます。現在、この「方向性」に基づき、ごみ焼却に伴い廃棄物処理施設から排出するCO2の回収や利用の実績がある事業者にヒアリングを行うなど、事業者と連携した、浮島処理センターでの検証の実施に向け、取組を進めているところでございます。
次に、ごみ処理の広域化及び集約化につきましては、一部の市町村において大幅な人口減少等により、ごみ焼却処理施設の規模が小さくなることによる費用面での効率性の低下などの観点から、国において、推奨しているところでございます。本市におきましては、3処理センター体制により、市域内での集約化を図っておりますが、今後とも、ごみ排出量の動向や減量化の進捗などを踏まえて、効率的・効果的な廃棄物処理体制を目指してまいります。
特定建築事業者太陽光発電設備導入制度についての御質問でございますが、本市には、ペロブスカイト太陽電池の開発等を行っている事業者と、その開発を支援している新エネルギー・産業技術総合開発機構が立地しており、このような市内企業が持つ世界最先端の技術が商品化され、活用が進むことは、脱炭素社会の構築はもとより、本市経済の一層の発展にもつながるものと考えております。そうした脱炭素に資する新たな技術が実用化され、商品化された際には、速やかに代替措置として扱うことができるよう、適切に規則改正を行うとともに、設置を促す取組について検討してまいります。
次に、代替措置についてでございますが、太陽熱又は地中熱を新築建築物に導入した場合、太陽光発電設備の代替として義務量に計上できる措置を検討しております。また、既存建築物への太陽光発電設備の新設につきましては、対象事業者が、本市内で過去に建築した既存建築物に太陽光発電設備を新たに設置した場合などに義務量に計上できる措置を検討しております。
また、オフサイトPPAにつきましては、対象事業者の責任において敷地外に太陽光発電設備を設置し、そこで発電された電気を、新築建築物に供給した場合などに義務量に計上できる措置を検討しております。
次に、再生可能エネルギー電力調達・証書調達についてでございますが、再エネ等の調達は、電気を使う人、すなわち、住宅にお住いの個人が電気料金と合わせて再エネ等調達分の料金を支払う仕組でございます。一方、本制度は、個人に義務を課すものではなく、建築物を新築する特定建築事業者に対して、一定量の太陽光発電設備の導入を義務付ける制度でございますので、再エネ等調達の手法を採用しますと、特定建築事業者ではなく、お住いの個人に義務の履行を求めることになることから、代替措置とはしないこととしたところでございます。
なお、大規模な建築物への太陽光発電設備の設置を義務付ける、特定建築物太陽光発電設備等導入制度においては、義務履行者と建築主が同一であるため、再エネ等調達についても代替措置とするところでございます。
今後、様々な技術革新により脱炭素に資する新たな技術が実用化されることで、再エネ電力が市民の方々に広く普及することが必要と考えております。しかしながら、現段階は、その途上にあるため、本市といたしましても、2030年度までに再エネを33万キロワット以上導入することを目標に、太陽光発電設備等の設置に係る義務制度などにより、まずは市域の再エネ導入を推進してまいります。
川崎未来エナジー株式会社についての御質問でございますが、会社への電力供給価格につきましては、これまでの廃棄物発電の契約実績のほか、原油市況の影響を受ける卸売電力市場の動向や頻繁に見直しがなされる電力制度などの外部環境を踏まえ、検討していくことを想定しております。
次に、会社の電力供給価格の設定方法につきましては、大手電力会社の標準的な価格を参照するとともに、電力調達コストのほか、送配電事業者に支払う託送費や電力需給、販売管理に係る費用などから設定するものと想定しております。
次に、収支変動リスクにつきましては、電力の市場調達割合を10%以内に抑えることなど、一定のリスク低減措置を講じるとともに、今後、金融機関とも綿密に資金計画を検討するなどの対応を想定しておりますが、金融機関から選出される監査役による経営状況の確認などにより、収支リスクが見込まれる場合には、すみやかに市に報告するよう求めてまいります。
次に、事業スキームの収益構造につきましては、会社設立にあたり、電力の供給による売上や、必要な経費、利益をシミュレーションしたものでございまして、今後、川崎未来エナジーにおいて精査していくものでございます。
今後におきましては、川崎未来エナジーにおいて策定する事業計画や財務見通しなどを踏まえ、「出資法人の経営改善及び連携・活用に関する指針」に基づく方針を会社と連携して策定し、公表するとともに、財務諸表などについて議会に報告してまいります。また、個別の案件につきましては、公にすることにより、事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある場合などを除き、適切に対応を図るなど、説明責任を果たしてまいります。
(健康福祉局長)
看護大学大学院整備基本計画についての御質問でございますが、県立保健福祉大学と、市立看護大学及び大学院との違いにつきましては、県立大学では「保健・医療・福祉の連携と総合化」を基本理念に掲げ、看護以外の栄養、社会福祉などの教育を行っているため、専門分野を超えて共に学ぶ機会が提供され、総合的な幅広い知識と技術を身に付けることが可能とされています。
一方、大学院における専門看護師の養成では、県立大学では2分野での養成を行っていますが、本市ではこの2分野とは異なる地域包括ケアシステムに資する5分野での養成を検討しているところでございます。
また、養成する看護職につきましては、県立大学では看護師及び保健師の養成を行っており本学と変わりませんが、本学の大学院での養成を検討している助産師は、県立大学や大学院では養成しておりません。
次に、未来医療研究人材養成拠点形成事業の活用につきましては、平成29年度をもって当該事業の募集は終了しており、現在はフォローアップのみを行っている状況であり、当該事業の活用検討はしておりません。
次に、総合診療医等を含めた医師の確保・養成につきましては、県、市の役割分担の下、県保健医療計画においては、病院を退職したベテラン医師のセカンドキャリアとして、在宅医療や緩和医療にかかわる総合診療医へのキャリア転換の促進を検討するなど、地域包括ケアシステムにかかわる医師の養成について取り組んでいくこととされております。
本市におきましては、整備基本計画に則り、大学院において看護学を教授研究し、地域包括ケアシステムの推進役となる看護人材等を養成することとしており、卒業した看護師等が地域において総合診療医と協力することにより、多彩な地域ニーズに対応できる環境の整備を目指してまいりたいと存じます。
看護師等の確保についての御質問でございますが、本市における看護職員数につきましては、直近10年間で約1.5倍に増加しているものの、高齢化の進展により看護ニーズが高まる中、特に、2040年以降も高齢者人口の増加が見込まれる本市特有の状況を踏まえると、看護師等の確保対策は引き続き重要な課題であると認識しております。
これらのことから、本市といたしましては、看護師確保対策として、「新規養成」「定着促進」「再就業支援」といった3本柱の施策を掲げ、川崎市看護協会と連携しながら、様々な取組を進めているところでございます。
看護師等免許保持者の届出制度」につきましては、離職中の看護師等を把握し、復職に向けた支援を行うための制度でございまして、届出の促進対策といたしましては、実施主体である県のナースセンターが中心となり、ホームページによる案内等により届出登録者数は年々増加しているものと伺っておりますが、更なる促進に繋がるよう、市のホームページに掲載するなど、県と協調しながら必要な取組を進めてまいりたいと存じます。
次期「かわさき保健医療プラン」につきましては、他の保健医療分野の内容とともに、地域医療審議会を通じて、地域の実情に精通した方々による議論を行っているところでございますので、今後、ナーシングセンターにおける取組など、具体的な内容を反映するための策定作業を進めてまいります。
また、現在、国におきましては、30年ぶりの「看護師等確保基本指針」の改定作業を進めているところであり、その内容を踏まえた上で、看護協会等の関係者と協議しながら、必要な対策を検討してまいりたいと存じます。本市における看護師等の離職率につきましては、県の調査結果によると、県内二次保健医療圏の中で最も高い地域であるものと認識しております。一般的に、再就職先が見つけやすい都市部の離職率は高い傾向にありますが、本市での離職状況に関する現状把握及び要因分析を行うことにより、更なる「定着促進」に向けて、今後、市看護協会を含めた関係団体と連携しながら、検証を進めてまいりたいと考えております。
高齢者実態調査についての御質問でございますが、昨年実施した調査結果からは、高齢者向け調査において、「ひとり暮らし高齢者」の割合が増加していることや「地域活動の参加状況」の割合が低下したこと、また、事業者・労働者向け調査においては、「人手不足によるサービス提供体制が困難」などの内容を課題として認識したところでございます。
こうした課題を踏まえて、現在、次期「かわさきいきいき長寿プラン」を策定する分科会・部会において、より効果的な取組について検討を進めております。
次に、これまでの計画で取り組んできた行政施策に対する評価につきましては、関係団体や有識者で構成する計画策定合同会議や介護保険運営協議会にて、進捗の報告を行い、委員からは介護基盤の整備など未達成の事業については課題を整理するよう御意見をいただいているところでございます。
次に、高齢者の外出頻度が低下した調査結果を踏まえた今後の対応につきましては、高齢者が外出することは「いきがい・健康づくり・介護予防等」の推進に大変重要な取組と考えておりますので、「身近で多様な通いの場の充実」、「いきがい社会参加の促進」について、有識者等の御意見を伺いながら効果的な取組となるよう、次期「かわさきいきいき長寿プラン」策定の中で検討を進めてまいります。
シルバー人材センターについての御質問でございますが、同センターを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症拡大や物価高騰の影響による受注の低下、企業等における定年延長など、厳しさを増している状況でございます。
同センターの第3期基本計画におきましては、就業機会を拡大するため、家事援助や子育て支援等の業務及び地域サポート事業の推進のほか、会員の増強や新規事業の拡大、PR活動等の広報の充実に取り組むこととしております。
引き続き、高齢者の生きがいの充実や福祉の増進等を図るとともに、地域の社会資源の一つとして、多様なサービスが提供できるよう、同センターと連携しながら、施策の充実に向けた取組を進めてまいります。
一般介護予防事業についての御質問でございますが、「いこい元気広場事業」につきましては、平成19年10月から、各区の公園等において、住民が主体的に実施している健康体操などの一般介護予防事業につきましては、平成28年度から実施し、両事業を合わせた令和4年度の実績は、参加者数が約2万6千人、事業費が約9千100万円でございます。
また、現在と同様に両事業がともに実施されている平成28年度以降の推移といたしましては、コロナ禍での休止や人数制限を行った期間を除くと、各年度の参加者数は、約4万1千人から約5万7千人、各年度の事業費は、約9千万円で推移しているところでございます。
また、現在と同様に両事業がともに実施されている平成28年度以降の推移といたしましては、コロナ禍での休止や人数制限を行った期間を除くと、各年度の参加者数は、約4万1千人から約5万7千人、各年度の事業費は、約9千万円で推移しているところでございます。
高齢者福祉関連経費についての御質問でございますが、本市の収支フレーム及び収支見通しにおける高齢者福祉関連経費につきましては、令和10年度に389億円、令和12年度には406億円を見込んでおりますが、想定を上回る介護サービス利用者の増加などを要因とした上振れのリスクはあるものと推察されます。
こうした中、地域包括ケアシステムの構築に向けて、介護予防・重度化防止に向けた取組や市民の健康寿命延伸に向けた取組を推進することにより、併せて負担と給付の最適化にもつながるものと考えております。
次に、介護予防の効果につきましては、本人の健康状態や生活環境に大きく左右されることから、測定が難しいものと認識しておりますが、令和4年度における「いこい元気広場事業」においては、参加直後と半年後の卒業時に、事業利用後の効果の目安として、簡易フレイルチェックを実施し、約4割の方が心身機能の状態が改善、約5割が維持できたことを把握しているところでございます。
次に、エビデンスに基づく事業展開につきましては、国や学術研究において、介護予防施策の導入前後の要介護度等を比較することにより、費用対効果を踏まえた事業評価を行う手法について、研究が進められております。
また、質の高い医療・介護等のサービスが提供できるよう、国・公的主体によって統一的に管理されるデータの連携・活用など、社会保障全体のDX推進に向けた議論も進められているところでございますので、今後も、国や学術研究における動向を注視してまいります。
次に、高齢者の閉じこもりを予防するためには、散歩や趣味など、日常生活における様々な活動も有効と考えております。
併せて、身体機能が低下し始めた方に対しても、自立支援に向けた意欲喚起や生活改善を促すことが重要であることから、次期「かわさきいきいき長寿プラン」において、介護予防に関する広報等の充実を図りつつ、早期からの対象者把握の方策を検討する方向で調整しております。
また、リハビリ専門職による短期集中サービスや、地域参加を支援する生活支援サービスを新設し、多様な地域資源につなげることにより、社会参加を促進していくことを考えております。
次に、日頃からの介護予防活動を通じて地域とのつながりをもつことは、平時における状況把握とともに、災害時にお互いに声をかけ合えることにもつながるものと認識しております。
新たな介護予防の取組により、災害時にも自立した生活を継続できるようにしていくとともに、地域で支え合える関係を築いていけるよう努めてまいりたいと存じます。
新型コロナワクチン接種についての御質問でございますが、9日まで、65歳以上の高齢者、及び5歳から64歳の基礎疾患を有する方を対象に、オミクロン株対応ワクチンによる追加接種を実施しているところでございます。
9月3日時点の接種状況といたしましては、65歳以上の高齢者は、約16万7千人に接種を実施しており、接種率は約59%となっております。
また、12歳から64歳では、約3万9千人、接種率約5%、5歳から11歳では、約1千人、接種率約6%となっております。
次に、接種券の再発行につきましては、市ホームページでのWeb申請のほか、予約コールセンターや郵送による申請を受け付けており、申請内容を確認の上、速やかに再送付を行っているところでございます。
次に、ワクチン接種に関する広報につきましては、正しい情報に基づき接種の御判断をいただくことが重要であることから、オミクロン株XBB対応ワクチンの有効性や安全性について、市ホームページや関係団体等を通じ周知するほか、市政だよりやSNS等の広報媒体を有効に活用しながら、適時ワクチン接種に関する情報発信を行ってまいります。
動物行政についての御質問でございますが、獣医師会との協定につきましては、動物愛護センターに保護・収容した動物の健康保持の観点から、獣医療に関する技術支援等の御協力を得ることは大変重要であると認識をしております。今後も継続性のある運用を行うことができるように、現状を精査し、他都市の事例を調査しながら、支援の内容や役割分担、動物愛護基金の活用方法等も含め、総合的に検証してまいりたいと存じます。
不妊去勢手術費用の公費負担につきましては、猫について責任をもって飼養または世話する方を対象として、1世帯当たり8頭を上限とし、オス1頭3,000円、メス1頭4,000円の補助を実施しております。地域猫活動サポーターにつきましては、頭数制限はなく、オス1頭6,000円、メス1頭8,000円の補助の他、動物愛護センターにて無料で手術を実施しております。動物愛護施策の推進の観点から、引き続き、猫の不妊去勢手術の必要性について周知に努めてまいります。
ペットの防災対策につきましては、これまでも各区で実施している総合防災訓練等において、同行避難の必要性やペットの防災用品等の展示、訓練参加者に同行避難を体験していただくなどの取組のほか、毎年、獣医師会と連携し、動物救援本部の設置訓練を実施しております。
今後も、より充実した訓練となるよう、庁内外の関係機関と連携・調整を行ってまいりたいと存じます。
動物の譲渡につきましては、終生飼養の観点から、ペットの寿命を考慮した基準として、他都市及び民間譲渡団体の状況や本市の実例を鑑みて、「原則として65歳以上の高齢者世帯ではないこと」という条件を設けているものでございますが、実際の譲渡にあたっては、希望者や動物の状況が様々であるため、事例ごとに柔軟な運用を行っております。今後も、他都市の状況や社会情勢を注視しながら、譲渡方法等について検証してまいりたいと存じます。
災害拠点病院についての御質問でございますが、発災時における受入患者数の適正水準について、指定要件を定める国からは明確な基準は示されていないところでございます。
一方、同指定要件においては、入院患者は通常時の2倍、外来患者は通常時の5倍程度を想定し、患者の多数発生時に対応可能なスペースや医療資機材を有することが望ましいとされており、これを市内7か所の災害拠点病院における1日当りの患者数に照らしますと、市立川崎病院では、入院約870人、外来約5,970人、日本医科大学武蔵小杉病院では、入院約630人、外来約4,600人、市立井田病院では、入院約420人、外来約2,720人、関東労災病院では、入院約830人、外来約8,160人、帝京大学医学部附属溝口病院では、入院約620人、外来約5,020人、聖マリアンナ医科大学病院では、入院約1,600人、外来約10,030人、市立多摩病院では、入院約470人、外来約3,780人に対応できるスペース等の確保が一つの目安となるものと考えております。
受入れ枠の更なる拡大についてでございますが、現実的には、被災状況によって、個々の病院の受入キャパシティは大きく変化することが想定されますことから、本市におきましては、市内病院全体で増大する医療ニーズを受け止める体制の構築が重要と考えております。
そのため、市内の災害医療に精通した医師等で構成する「災害医療コーディネーター会議」における定期的な議論や、官民共同の訓練・研修等の取組を通じて、病院機能に応じた役割分担と連携方法の全体共有を図りながら、災害拠点病院を含めた、市内医療機関総体としての災害対応能力の向上に取り組んでいるところでございます。
市域外の病院等との連携についての御質問でございますが、発災時における病院ごとの受入れ可能な患者数をはじめ、医療・救護に関わる各種情報につきましては、厚生労働省が全国運用する「広域災害・救急医療情報システム」にて、市内外の情報を把握し、搬送調整などに活用することとなります。
また、重症者等の搬送調整につきましては、国の中央防災会議にて方針が示されておりまして、市内の調整は本市保健医療調整本部が、市域を超える県内の調整は県保健医療調整本部が、県外への広域搬送調整は国が、それぞれ役割分担と連携の下で行うこととされております。
併せて、「災害派遣医療チーム」通称DMATの応援派遣につきましては、全国一律の仕組みとして、被災県知事の要請、または国の判断に基づき行われることとなります。
本市におきましては、県や市内病院等と連携しながら、これらの実効性を高める訓練を定期的に実施しているところでございます。
川崎・横浜公害保健センターについての御質問でございますが、当該センターは、昭和52年、横浜市と共同で設立し、現在、川崎市からの委託事業として、公害健康被害被認定者の検査・検診事業や、一般市民も対象とした呼吸機能訓練及び呼吸器健康相談事業を実施しているところでございます。
令和5年7月末現在、被認定者数は、1,112人となっており、そのうち40歳50歳代が約50%を占めていることから、検査・検診事業等のサービスを継続的かつ効果的に受けられることが重要であると考えております。
また、本市では本年6月、川崎市アレルギー疾患対策推進方針を策定し、気管支ぜん息を含めた幅広いアレルギ一疾患に関して、総合的な対策に向けて取組を進めております。
こうしたことを踏まえ、今後、他都市の動向を把握しつつ横浜市や法人などの関係者と協議を行いながら、様々な観点から、法人の運営について検討してまいりたいと存じます。
(こども未来局長)
保育所等における多子世帯支援についての御質問でございますが、はじめに、利用調整基準の見直しにつきましては、きょうだい別園となることによる保護者やお子さんの負担を解消するため、きょうだい同一園への入所機会を拡充することを目的とするものでございます。
この間、保育事業者等とのヒアリングを行い、見直しの内容を御説明するとともに、事業運営の立場からの御意見等を伺ったところでございまして、事業への影響等を懸念しているといった御意見も一部ございましたが、概ね見直しの趣旨に賛同する御意見であったことから、一定の御理解をいただけたものと考えております。
次に、見直しによる影響についてでございますが、当該見直しにより地域における保育受入枠が減るものではないことから、一人っ子や第一子の入所機会が減少することはないと考えております。
引き続き、見直しの趣旨等を周知するとともに、保育所等の利用を希望する方に対しましては、個別の保育ニーズを丁寧に確認しながら、多様な保育施策・サービスとのマッチングを図るなど、きめ細やかな相談・支援に取り組んでまいります。
(まちづくり局長)
労働会館改修工事についての御質問でございますが、はじめに、約10億円の内容についてでございますが、物価高騰により約6億6千万円、工期の延長等による共通費の見直しにより約3億8千万円の増額となりましたが、仕様の見直しにより約4千万円の減額となったものでございます。
次に、関連する設備工事についてでございますが、建築工事における入札不調の原因と、再発注に向けた取組を踏まえ、設計図書を再度、精査するとともに、最新の単価の採用や、工期の延長等による共通費の見直しを行うなど、対策を講じたところでございます。
一般財団法人川崎市まちづくり公社についての御質問でございますが、はじめに、公社による優良ビル建設資金融資事業に係る、長期貸付金の債権回収実績等につきましては、毎年度、公社からの決算報告により確認しておりまして、令和4年度末時点での貸付残高は25件で、約17億2,300万円であり、今後の償還予定等につきましても、併せて報告を受けております。
次に、まちづくり委員会における、経営改善及び連携・活用に関する取組評価につきましては、「長期借入金の「計画的な返済」や、「有利子負債比率の計画的な削減と主要な売上高の維持」を、財務状況に係る指標として評価し、説明を行っているところでございますが、今後、当該貸付金の状況等につきましても、財務状況全体の評価の中で、適切な説明に努めてまいります。
報告第17号訴えの提起についての御質問でございますが、はじめに、市営住宅使用料の滞納件数及び滞納金額の推移につきましては、直近5年で見ますと平成29年度末において、明渡請求の対象者となる滞納3か月以上のものが406件、滞納金額、約1億5,400万円であったものが、毎年度着実に減少し、令和4年度末は128件、約5,100万円となっております。
次に、今回の事案において長期滞納になった理由につきましては、相手方は、約20年前からの滞納分について、平成28年に支払計画を提出し、支払を行っておりましたが、その後、毎月の使用料及び滞納分の支払が滞ることとなりました。そのため、令和4年7月には、計画的な支払いのために川崎市社会福祉協議会が実施する金銭管理サービスを案内し、納付指導も行いましたが、支払が実行されず滞納解消が見込めなくなったことから、訴えの提起に至ったものでございます。
川崎市住宅供給公社との役割分担につきましては、原則として、公社では、滞納期間3か月未満の初期滞納者への催告、納付指導等による滞納の早期解消に向けた対応を行い、市では、公社の指導に応じない長期滞納者への明渡請求訴訟等の法的措置を前提とした対応を行っており、市が指導を行う場合においては、公社とも連携し対応しているところでございます。なお、今回の事案におきましては、長期滞納者であることから、主に市が対応していたところでございます。
次に、公社における滞納対策につきましては、管理代行の中で滞納整理業務として、入居者に寄り添った対応を行いながら、滞納の未然防止及び初期段階での納付指導による滞納の早期解消に取り組んでいるところでございます。また、管理代行制度のモニタリング・評価において、現年度の収納率を指標として評価しているところでございます。今後も、市と公社との連携により、滞納額の縮減に努めてまいります。
(建設緑政局長)
仮称等々力大橋橋りょう整備事業についての御質問でございますが、本事業につきましては、東京都と川崎市の共同事業でございまして、基本協定に基づき、本市の負担割合を、2分の1と定め、東京都が施行主体となり事業を進めております。
事業調整につきましては、工程や課題等について、対等な立場で意見交換や情報共有を行うなど、相互に協力を図っていくものでございまして、仮に、本市において事業進捗に影響するような事象が発生した場合においても、東京都と速やかに情報を共有し、相互に協力を図りながら、事業を進めるものと考えております。
次に、地元等への周知につきましては、事業期間が令和12年度末になることについて、速やかに、周辺の町会にお知らせするとともに、本市のホームページにも掲載するなど丁寧に対応してまいります。
次に、費用便益への影響につきましては、今回の変更では、事業期間が延伸されるものの、事業費は変更されないことから、費用便益比への大きな影響はないものと考えておりますが、令和7年度に東京都が実施する事業再評価において、改めて算定する予定となっております。
次に、都市計画道路宮内新横浜線の進捗状況につきましては、都市計画道路小杉菅線、又玄寺交差点から国道409号、西下橋交差点までの延長765メートルの区間は、平成18年3月に供用を開始しております。
また、西下橋交差点から仮称等々力大橋までの延長720メートルの区間の宮内工区につきましては、現在、用地取得を進めており、令和5年3月末時点での用地取得率は約57パーセントでございます。
次に、宮内工区の完成時期につきましては、第2次川崎市道路整備プログラムにおいて、令和11年度以降も継続して事業を進める路線として位置づけておりますが、整備効果を最大限発現するためにも、仮称等々力大橋と一体的な供用の開始を目指して事業を推進してまいります。
全国都市緑化かわさきフェアについての御質問でございますが、基本・実施計画につきましては、フェア後のまちのイメージを示し、「みどりでつなげる、暮らしやすく住み続けたいまち」の実現に向け、その契機となるフェア開催に必要な事項を取りまとめたものでございます。
次に、かわさきフェアの特色といたしましては、環境保全や景観形成など緑が有する主要な機能を改めて認識するとともに、グリーンインフラの効果など都市部ならではの、みどりの価値の発信ができるものと考えております。また、川崎の持つ最先端の技術やアイデアによる新しい都市緑化の実現に向け、市民・企業など多様な主体の参加による出展展示などを進めてまいります。
次に、広報につきましては、これまでのポスターの掲示やチラシの配布、イベントでのブース出展、公式ホームページ・SNS等での情報発信に加え、みどりに関する全国イベントとのコラボレーション、市政だよりでの特集など、多様な機会や媒体を通じた周知を進めてまいります。
また、プレイベントといたしまして、本年11月に、本庁舎において、市内の生産者や花卉農家などと、川崎の花や緑、農の魅力やみどりを取り入れた暮らしなどをテーマにしたトークイベントなどを実施してまいります。
次に、飲食・物販につきましては、川崎産の農産物を使用した料理や、川崎ならではの食文化の発信につながるご当地グルメの提供などに向けて、生産者や飲食店、商店街等と連携してまいります。
次に、花卉調達につきましては、市内生産団体等から構成される植物調達のための協議会を組織し、市内外から各会場計画に合致した品種・規格・品質の植物を安定的かつ計画的に調達してまいります。
次に、関係団体との連携につきましては、フェアの共同主催者である公益財団法人都市緑化機構と、これまでも行催事に係る関係団体との調整などを共に進めており、また、造園などの関係団体と、適宜、情報共有などを行っておりますので、今後も、フェア開催に向けてより一層連携し、具体的な取組を進めてまいります。
次に、組織体制につきましては、これまでも、業務の進捗に応じて、適切な組織体制等を構築しており、今後につきましても、必要な体制等を検討するとともに、関係部署と連携を図りながら、フェアの開催に向けて一丸となって取り組んでまいります。
市内ビッグモーター店舗前の街路樹についての御質問でございますが、本市が管理する道路に面する川崎店及び東名川崎インター店のうち、川崎店前につきましては、街路樹が伐採されていることを確認し、株式会社ビッグモーターへ問い合わせたところ、社員により伐採したと回答があったため、警察へ被害届を提出しており、引き続き、警察の捜査の進展等を踏まえ、現状復旧を求めるなど必要な対応を行ってまいります。
なお、2店舗前における植樹桝について、土壌調査を実施いたしましたが、除草剤等に含まれる有効成分は検出されなかったものでございます。
今後の対策といたしましては、許可を得ずに街路樹を伐採することは違法行為であり、通常想定されない行為への対応は大変難しいものと考えておりますが、引き続き、日常のパトロールなどにおいて、街路樹の状態を確認するなど、適正な管理に努めてまいります。
議案第131号中原区内都市計画道路苅宿小田中線(III期)道路築造(立体交差化)工事請負契約の変更についての御質問でございますが、本工事につきましては、東急目黒線をアンダーパスで立体交差化するものでございまして、主な工事内容といたしましては、鋼矢板打設工、擁壁工、舗装工、道路付属物工などでございます。
今回の契約変更につきましては、近接している鉄道施設を踏まえた鉄道事業者との協議や、労災病院前交差点における、安全で円滑な交通の確保に向けた交通管理者との協議などにより、必要が生じたものでございます。
内容につきましては、地盤沈下による鉄道施設への影響を踏まえた鋼矢板打設工の工法変更や、交差点形状の改良を目的とした改良範囲の拡大などでございます。
次に、スケジュールにつきましては、今回の増工等により、工程の見直しが必要となるなど、厳しい工期でございますが、同時施工が可能な擁壁工や道路附属物工を並行しながら効率的に施工するなど、工期内の完成を目指してまいります。
公園緑地協会についての御質問でございますが、初めに、協会の今後につきましては、等々力緑地からの事業撤退に伴い、減少した自動販売機の設置台数を、その他の公園で拡大させるとともに、指定管理事業への積極的な参画を促すなど、収益拡充策に取り組むほか、重複している事業等を整理するなど、持続可能な協会運営に向けて、法人と連携して取り組んでまいります。
次に、事務所の移転につきましては、現在の事務所は等々力緑地再編整備に伴い、令和6年度末に移転予定でございます。協会の活動には、花苗育成など、屋外のスペースが必要であり、一定のスペースを有する緑化センターは、活動拠点となり得るものと考えておりますが、当該施設は指定管理者制度を導入しているため、現在、他の候補地も含め検討中でございます。
次に、緑化センターの指定管理業務につきましては、都市緑化に係る相談、指導及び広報活動があり、同協会の公益目的事業と関連する業務もございます。
次に、開園時間につきましては、当センターの利用時間は川崎市緑化センター条例により11月1日から翌年の2月末日までは、午前9時から午後4時まで、それ以外の期間は午前9時から午後4時30分までとなっているところでございまして、時間の延長については、今後、利用者の御意見を伺い、ニーズの把握などに努めてまいります。
次に、役員報酬等につきましては、協会の事業目的達成に関わる事業費と、内部管理に関わる管理費について、明確に分けて計上し、法人会計の透明性を確保するものでございます。
次に、役員報酬の増額理由につきましては、令和4年度6月から、協会が抱える経営上の課題解決のため、事業に精通した職員1名を理事として任用したことにより、増加したものでございます。
次に、令和5年度から役員報酬が増加している理由につきましては、令和4年度6月から理事として任用した職員の4月から6月分の給与を役員報酬として計上したことによるものでございます。
(港湾局長)
川崎港港湾脱炭素化推進計画(案)についての御質問でございますが、本計画案の概要につきましては、港湾法に基づく計画として、川崎臨海部においてカーボンニュートラルポートの形成を推進するための具体的な取組について定め、温室効果ガスの排出を全体として実質ゼロを目指すことを目的としております。また、官民の連携による脱炭素化の促進に資する取組方針として、水素を軸としたカーボンニュートラルなエネルギー供給拠点の形成や、川崎臨海部の面的・効率的なカーボンニュートラル化を位置付けた上で、2030年度及び2050年までの温室効果ガスの削減目標のほか、水素等の供給目標などを定めております。
次に、本計画案の特徴につきましては、計画の対象範囲を、川崎の港湾ターミナルにおける活動及び川崎臨海部における事業活動とし、港の範囲を超えた広い地域で設定している点が挙げられます。また、35の立地企業等が取り組む、97の脱炭素化に資する事業について、企業名を表した上で、具体的な取組内容や実施時期などを明記している点も特徴と考えております。
次に、国の支援につきましては、これまでも、本計画の策定にあたり設立し、国の機関も参画する川崎港カーボンニュートラルポート形成推進協議会などにおいて、国による既存の補助制度や新たな支援策の検討状況等を、参画企業と情報共有してきたところでございます。今後につきましても、本計画の推進に必要な支援について、国に提案してまいりたいと考えております。
川崎港長期構想(案)ついての御質問でございますが、はじめに、平成10年に策定した川崎港長期構想に基づいた取組の主な成果といたしましては、川崎港コンテナターミナルの岸壁延伸やガントリークレーンの整備を行ったことにより、コンテナ取扱貨物量や航路数が大幅に増加しました。主な未達成の取組としましては、鉄道輸送と連携した取組がございますが、この取組については、本構想においても、海上輸送と鉄道輸送との一貫輸送サービスの実現に向けた検討を進めていくこととしております。
次に、今後注力する取扱貨物についてですが、東扇島に立地する冷凍冷蔵倉庫の集積という強みをいかして、アジア方面からの冷凍冷蔵貨物などが中心となると考えております。
次に、本構想のゾーニングの特徴についてですが、将来像の1つである「カーボンニュートラルな社会の形成を先導する港」の実現のため、新たに「カーボンニュートラルポート形成ゾーン」を設定するとともに、扇島地区や浮島地区にロジスティクス関連ゾーンを設定するなど将来像の実現に向けた見直しを行いました。
次に、優先して整備が必要な交通インフラについてですが、東扇島地区や水江町地区、扇島地区などの地区間をつなぐ臨港道路東扇島水江町線や国道357号などの整備が重要と考えております。
次に、交通ネットワークについてですが、今後、扇島地区や周辺地区などの土地利用転換に合わせ、臨海部全体について、様々な交通手段の検討が進められていく中で、川崎港のアクセス強化に寄与する交通ネットワークについても検討してまいります。
(臨海部国際戦略本部長)
臨海部の活性化についての御質問でございますが、川崎臨海部は、戦後の高度経済成長期に重厚長大産業を中心に飛躍的な発展を遂げ、日本経済を支えてまいりましたが、90年代以降の産業構造の転換が進展する中においても、持続的な発展を目指し、戦略的な産業集積と基盤整備を推進してきたところでございます。
そのような取組を進め、殿町国際戦略拠点の形成においては、高度な研究開発機能の集積などの土地利用転換を推進し、活発な民間投資を促進するとともに、高度人材の雇用創出を図ることで、市内経済の活性化を通じて、税源の充実を図り、市税収入の確保につながっているものと考えております。
今後は、大規模土地利用転換につきましても、民間投資を戦略的に呼び込み、臨海部の持続的な発展を図ることにより、税収の確保等につなげてまいりたいと存じます。
水素戦略についての御質問でございますが、本市では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の採択を受け、ENEOS株式会社及びENEOS総研株式会社との連携により、「東京湾岸エリアにおけるCO2フリー水素供給モデルに関する調査」を、令和3年度4年度の2年間で実施してまいりました。
調査結果につきましては、川崎を中心とする京浜臨海部の水素需要量が、2030年以降の長期において、日量約2,300トン、その需要量を満たすパイプライン網が約67キロメートル、これを全て建設した場合の費用が約1,500億円と整理したところでございます。
次に、当該調査のほか、現在、今月末までの予定で「東京国際空港及びその周辺地域におけるCO2フリー水素利用モデル調査」に取り組んでおり、周辺地域における水素需要の把握と喚起に努めているところでございます。
ただし、これらは潜在的な需要量であり、実際のサプライチェーン構築につなげていくためには、より具体的な需要を把握し、地域として取りまとめていくことが必要不可欠であると認識しております。
また、需要量の精度向上にあたっては、水素を利用する機器等の技術開発の動向や、水素のコスト及び安定供給に関する予見可能性など、様々な課題が想定され、加えて企業ごとに課題の優先順位等が異なる状況でございます。
こうしたことを踏まえ、本市といたしましては、川崎カーボンニュートラルコンビナート形成推進協議会や、個別のヒアリング等を通じて企業の課題を丁寧に把握し、それらの解決に向けた企業間連携を促進するとともに、国等への提言を行うなど、水素サプライチェーンの構築に向けた市の役割を積極的に果たしてまいります。
「キングスカイフロント夏の科学イベント2023」についての御質問でございますが、キングスカイフロント立地機関がそれぞれの特色を生かし、科学技術を身近なものとして広く紹介する小学生向けの体験型イベントとして、8月3日に開催したところでございます
出展機関につきましては、公益財団法人実験動物中央研究所など23機関で、27のイベントを複数組み合わせた13コース38ツアーを事前予約制で実施し、502名の方々に御来場いただきました。
開催にあたりましては、案内人による誘導を行い、屋外にいる時間を短くすることにより、安全な開催につなげるとともに、来場者数を一定数とすることで、最先端の研究を行っている研究者と直接触れ合う機会となるよう取り組んだところでございます。
参加者からは、「多くの実験や学びが経験できて充実したイベントだった」、「キングスカイフロントに、これだけ多くの企業があることを学べて良かった」、「来年もまた参加したい」といった御意見が多く寄せられたところでございます。
今後も、研究者との体験の場を提供することにより、科学への関心が高まるよう、開催してまいりたいと存じます。
(病院局長)
経営計画についての御質問でございますが、現行計画では、その策定過程におきまして、新型コロナウイルス感染症への対応が伝えきれていない、という外部委員の御指摘を踏まえ、新興感染症への対応を新たな取組として位置づけ、感染症対応訓練の実施や、新興感染症に備えた医療材料の備蓄、感染対策出前講座の実施等の具体的な取組を各病院の計画に掲げております。
また、医師の働き方改革の推進に留意する必要があるという御指摘を踏まえ、「働き方・仕事の進め方改革の推進」を新たな課題として捉え、医師事務作業補助者や看護助手についての数値目標を定めるなど、取組を推進することといたしました。
また、成果指標につきましては、患者満足度、経常収支比率、紹介率、逆紹介率など、病院の実績を表す基本的な指標を、病院全体の成果指標として掲げたところでございます。
次に、地域完結型への移行についてでございますが、地域の限られた医療資源を有効に活用するためには、個別医療機関がそれぞれで全ての医療ニーズに対応する「医療機関完結型医療」ではなく、医療機関がそれぞれの得意分野を活かし、地域全体で完結する「地域完結型「医療」が求められております。
そのためには、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制を地域の複数医療機関で構築することが重要であると考えております。具体的には、市立川崎病院では、救命救急センターの機能を強化・拡充し、三次救急、二次救急を中心に充実させ、地域医療機関との機能分化を進めてまいります。また、市立井田病院では、川崎市病院協会の「中原2次救当番制」事業に協力し、救急体制の病院間連携に取り組んでいるところでございます。このように、市立病院といたしましては、他の医療機関の協力を得ながら、引き続き地域医療の中核病院としての役割を果たしてまいります。
次に、地域医療構想についてでございますが、市立病院は、市の中核的医療機関として、急性期医療を提供することを主な役割としておりますことから、現時点では、回復期病床の拡充などについての計画はございません。次に、井田病院の経営についてでございますが、井田病院では、平成26年度から令和元年度までは、経常損失が減少してきておりましたが、令和2年度から4年度までは、新型コロナウイルス感染症に対応するため、不急の手術等の制限やコロナ専用病床を92床確保したことなどによる稼働病床の減少により、入院・外来患者数が減少しております。令和4年度は、収益面では回復傾向にありましたが、光熱費などの高騰で、急激にブレーキがかかり、コロナ前の状態への回復には、まだ時間がかかるものと考えております。
井田病院における「収入確保策」といたしましては、これまでの取組に加え、特に、地域医療連携による紹介患者の獲得や、積極的な二次救急医療などに、取り組んでいく必要があると考えております。これまで在宅療養後方支援病院の施設基準を取得し、地域で在宅医療を提供する医療機関と連携して、24時間体制で診療をサポートする取組も進めてまいりましたが、今年度からは、連携登録医との専用電話回線「つなぐ・つながる・ほっとライン」を開設し、より強固な医療連携の構築を目指しております。また、今年度中には、紹介受診重点医療機関の指定や、地域医療支援病院の承認を目指しており、新規診療報酬加算の取得により、さらなる収入確保を図ってまいりたいと考えております。
また、井田病院における「経費削減策」といたしましては、「院内LED化」、「空調用自動制御器の導入」などにより、高騰する光熱費の削減に取り組んでまいりますが、さらに、委託契約における「仕様の見直し」や、高額な医療材料や薬品などの購入時における「価格交渉の強化」などにも、引き続き、取り組んでまいります。
これらの取組も含め、現在、令和6年度から9年度までの4か年を計画期間とする次期経営計画の策定作業中でございますので、その過程の中で、市立病院一体での経営改善策について検討を進めてまいります。
災害拠点病院についての御質問でございますが、現行の川崎市立病院経営計画では市立3病院について、災害拠点病院等の機能維持・強化に関する取組を定め、推進しており、今後につきましても、引き続き市の災害対応に関する考え方等を踏まえ、取り組んでまいります。
(消防局長)
公益財団法人川崎市消防防災指導公社についての御質問でございますが、はじめに、減免措置につきましては、川崎市南部防災センター及び隣接する消防局小田公舎駐車場の一部の使用について、「川崎市財産条例第6条第1項第3号」及び、「貸付料及び使用料の減免取扱要領」の減免基準に基づき、使用目的の公益性、重要性及び本市の事務事業に及ぼす効果等を勘案して減額率を50パーセントとしているもので、引き続き、申請に対しましては、適切に判断してまいります。
次に、経営改善の計画につきましては、同公社は、普及啓発事業については周知及び実施回数の増加、講習会事業については回数の増加及び受講人員の増員などによる経常収益の増加、また、光熱費や消耗品費、適正な職員配置による人件費の抑制などによる経常費用の削減により、経営状況の改善に努めてきたところでございます。
今後につきましても、同公社が有する人材等の資源を効果的に活用し、事業の継続した実施により収益を確保するとともに、経費の削減に努め、経営改善が図られるよう、連携してまいります。
(教育次長)
教員採用候補者選考試験についての御質問でございますが、はじめに、今年度実施の試験の応募状況についてでございますが、小学校は532人で昨年度比31人の減、中学校は505人で昨年度比19人の増、高等学校(工業)は9人で昨年度比1人の減、特別支援学校は81人で昨年度比11人の増、養護教諭は89人で昨年度比16人の増、合計では1,216人で昨年度比14人の増となっており、全体としては昨年度と同程度の応募があったところでございますが、更なる人材確保策が必要と考えているところでございます。
次に、全国の都道府県及び政令指定都市等の状況についてでございますが、近年、受験者数及び採用倍率は減少傾向にあり、令和4年度実施の試験では、全国の受験者総数は12万6,391人で前年度比7,876人の減、採用倍率は3.7倍で前年度比0.1ポイントの減となっております。
本市におきましては、令和4年度実施の試験では、受験者数1,054人で前年度比109人の増となった一方、採用倍率につきましては、2.8倍で前年度比0.4ポイントの減となったところでございます。
次に、応募者数の増加に向けた取組についてでございますが、全国的に受験者数が減少する中で、本市が求める資質・能力を有する教員の採用に向けましては、より多くの応募者の確保が重要であると考えており、全国の大学等において対面及びオンラインでの説明会を開催し、採用後のサポート体制や働き方仕事の進め方改革の取組などについて説明するとともに、SNSを活用した本市の教育についての魅力発信に取り組んでいるところでございます。
また、今年度、大学3年生を対象とした受験区分を新設するなど受験機会の拡充を図ったところでございます。
今後も、様々な手法を組み合わせながら、より多くの応募者を確保し、優秀で多様な人材の採用につなげてまいります。
全国学力・学習状況調査についての御質問でございますが、調査結果につきましては、いずれの教科も「思考・判断・表現」の数値は全国を上回っておりますが、複数の情報を関連付けて、自分の言葉でまとめたり、自分の考えを表現したりすることが課題であると捉えております。
次に、結果の活用につきましては、担当者説明会においてカリキュラムセンターによる分析結果を伝えるとともに、調査結果に基づく具体的な授業改善の手立てを周知することとしております。
また、今後の総合教育センターによる学校訪問の際に、各学校における授業の課題等に応じた研修を行うことを通して、自校の調査結果に基づく授業力向上に向けた取組を進められるよう支援してまいります。
川崎市学習状況調査についての御質問でございますが、調査の目的につきましては、小学校4年生から中学校3年生までの6年間で学習状況を経年で把握し、児童生徒一人ひとりの「分かる」に向けた取組を推進することでございます。
結果につきましては、基礎的・基本的な学習内容はおおむね身に付いておりますが、資料から情報を読み取り、それらを関連付けて考えたり説明したりすることには課題があると捉えているところでございます。
この結果を受けて、全国学力・学習状況調査と同様に、各種研修や学校訪問等において、具体的な授業改善の手立てを周知するなどの支援を行っており、調査結果から明らかになった一人ひとりの課題については、個に応じたきめ細かな指導と併せて、GIGA端末内に自動生成される復習問題等を活用しているところでございます。
次に、アンケートにつきましては、学習や生活習慣等に関する質問項目を設定しており、その結果を教育委員会事務局をはじめ、各教科の分析委員会や各学校が分析し、担当者説明会や校内研修を通して、児童生徒への具体的な手立てを共有し、指導に生かしてまいります。
学校給食についての御質問でございますが、はじめに、給食の一部の提供を取りやめるなどした異物混入事案は、令和4年度は9件、令和5年度は2件となっており、プラスチック片や金属片、シリコン製の物質などが主な混入物として確認され、食品製造工場等での食材加工の際や、給食の調理過程等における混入が原因となっております。
次に、未然防止につきましては、教育委員会事務局及び給食物資調達業務を委託している川崎市学校給食会が関係局と連携し、納入業者や調理従事者に対し、学校給食衛生管理基準に沿った衛生管理に関する研修を実施しているところでございます。
次に、異物混入時の対応についてでございますが、食品製造過程における混入に対しましては、事業者所在地の衛生管理部局による立入調査を要請し、原因究明、再発防止策等の指導を実施するとともに、事業者が再発防止対策を提示し改善されるまで、入札参加停止措置を行うなど、厳格に対応しているところでございます。
また、調理過程における混入に対しましては、該当区の衛生課とともに学校を訪問し、物資の搬入経路や作業内容等の確認を行い、再発防止に向けて、事業者等に改善指導等を行っているところでございます。
今後も、事業者等に対し、異物混入の未然防止対策や衛生管理の徹底を周知するとともに、必要な指導等を行い、安全・安心な学校給食の運営に努めてまいります。
小学校における水の流出事故についての御質問でございますが、今回の賠償請求につきましては、類似案件の住民訴訟の裁判例として、東京都で損害額の5割を請求したことを妥当な請求であるとした平成29年の判決のほか、令和3年に横須賀市及び高知市で損害額の5割相当額を請求した事例等を踏まえ、顧問弁護士とも協議し、教育委員会としても発生予防への配慮が十分ではなかったことなども考慮した上で、民法第709条の規定に基づき、損害額の5割を請求したところでございます。
また、本件請求につきましては、教育委員会会議に付すべき事項には該当いたしませんが、各教育委員への説明を行い、事故の原因や、設備の操作等に関する質問があったところでございます。
市民館条例及び図書館設置条例の一部改正についての御質問でございますが、はじめに、市民館及び図書館への指定管理者制度の導入に伴う条例改正に当たりましては、今後も同制度を導入する館を定める形式で行ってまいります。
次に、指定管理者制度を導入する市民館及び図書館につきましては、同一の事業者が運営を行うことで、施設の有効活用や、市民館と図書館それぞれの専門性を活かした連携事業等の実施による相乗効果を目的としたものでございます。また、今後、仕様書の作成を進める中で、施設管理などの共通項目をはじめ、市民館と図書館それぞれの専門性に関する項目や、相互の連携等について明確にしてまいりたいと考えております。
次に、評価につきましては、市民館と図書館の指定管理者制度の導入形態が異なることから、それぞれの成果等について、適切に評価を行うことは重要であると認識しており、評価に当たっては、利用者の意見等を把握し、サービスの質の確保や館運営の向上に活かすとともに、その評価結果につきましては、適時適切に議会へ報告し、公表してまいります。
次に、社会教育委員会議での議論につきましては、令和3年3月の「今後の市民館・図書館のあり方」や、令和4年8月の「市民館・図書館の管理・運営の考え方」の策定過程におきまして、社会教育委員それぞれの立場から御意見をいただいたところでございます。
次に、社会教育委員への諮問につきましては、本市では、これまで20年以上行っていないものの、社会教育委員が自らテーマを設定し、調査研究を行った上で、教育委員会に報告いただいており、指定管理者制度の導入に当たりましても、諮問は行っておりませんが、令和4年度に、同制度の導入について、複数回にわたって社会教育委員会議で議論が行われ、その御意見を教育委員会に報告いただいたところでございます。
次に、他の指定都市につきましても、本市と同様に、公民館及び図書館への指定管理者制度の導入に係る諮問の事例はございません。
次に、災害時の責任の所在につきましては、新たに作成する災害時運営マニュアルの中で、利用者の安全確保等が適切に図られるよう、行政と指定管理者の役割などについて明確にしてまいります。
意見要望
それでは、再質問の前に意見要望申し上げます。
指定都市市長会「多様な大都市制度実現プロジェクト」についてです。
ご答弁で、本市は広域自治体と基礎自治体が同一の施策や、事務・権限が分断されているとありながらも、県は二重行政の指摘には当たらないと、議論の平行線は変わっておりません。これでは、本市と県の職員間レベルでの議論が始まらないのは言わずもがなであります。現在は、情報交換や資料提供依頼など、必要な事務調整を行っているとの事ですが、一日でも早い本音での議論が始まるよう期待しております。二重行政が解消された際は、行政サービスの利便性向上や迅速な対応、はたまた、財政効果もあるとの答弁があるならば、市民理解は更に深まっていくと思います。各大都市が特別市に当てはまるとは思いませんが、少なからず本市は特別市を目指しておりますので、市民説明会など通じて、多くの市民の方々にご理解をいただける様要望します。
次に介護予防についてです。
ご答弁から、高齢者関連福祉経費は今後も上昇し、さらに上振れするリスクもあるとのことです。また、その適正化・変化の抑制に資するであろう、フレイル予防に向けた取組も重ねていますが、参加者数も限定的であり、その事業効果も明らかとなっていないため、結果踏み込んだ予算配分も行うことができていない、もどかしい状況が続いていることが伺えます。
事前のやり取りでは、KDBの解析をはじめとした、介護予防分野におけるEBPMの実現に向け、日々懸命に調査に取り組まれていることもわかりました。
今後は、介護保険に係るインセンティブ交付金など、いまだ使いきれていない可能性のある国の補助あるいは助成、交付制度を十分に理解し、本市に優れた研究機関が多数立地するというポテンシャルを最大限に生かし、川崎らしい先進的な介護予防に向けた取組を求めます。
再質問
(上原)
次に、保育所等の利用における多子世帯支援の拡充に向けた取組について再度伺います。
市民の声の高まりを受け国に先んじ、きょうだいの年齢、利用施設等に関わらず保育料減免措置を実施する決断について評価します。
一方、今回言及されていない一時保育事業についても多子世帯支援の対象にすべきと考えますが見解を伺います。
また、川崎認定保育園についてもその経済的負担は大きく、多子世帯支援対象として拡充を検討すべきですが見解を伺います。
答弁
(こども未来局長)
保育所等における多子世帯支援についての御質問でございますが、はじめに、一時保育利用料の多子世帯軽減につきましては、現在は、保育料と同様に、年齢による制限等が設けられておりますので、現状の利用状況や実施施設の受入体制のほか、国や他都市の動向等も踏まえて、拡充について検討しているところでございます。
次に、川崎認定保育園につきましては、別途実施している川崎認定保育園の多子減免制度を拡充することで、利用者の負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。
再質問後の意見要望
保育所等の利用における多子世帯支援の拡充に向けた取組についてです。
この度、市民や議会の要望を受け、国に先んじて本市の多子世帯支援の取組が進むことに評価をするとともに、我々議会からも、未だ山積する子育て支援策の課題に対して国へ声を届け続けることは重要と考えております。
議会と行政が一体となり今後も、市民の声をとらえた、子育てを社会全体で支える取組を進めていくよう、要望します。