議会報告
令和5年9月13日代表質問⑫
卸売市場について
2023.09.13
質問
川崎市卸売市場について伺います。
先ず、中央卸売市場北部市場の機能更新について伺います。北部市場は開場から40年が経過した中で、この間市場の機能更新に関する検討が進められてきました。当初の機能更新に関する基本的な考え方では、令和3年度中に基本計画策定を目標としていました。2度のスケジュール延期の結果、今年度中の策定を目指す事がこの度公表されました。
我が会派は前回の議会において、機能更新について関係者との共通理解が十分図られていない状況であり、北部市場の場内事業者との協議や民間開発事業者へのヒアリング等をしっかり進めた上で、手戻りのない計画策定をすべきであると指摘をしました。以降の北部市場の状況を見ていると、場内事業者等とのコミュニケーションが改善した印象があり、機能更新に関する協議が具体的に進み始めたと認識しています。この間の取組及び事業者等との協議内容を伺います。
併せて、基本計画策定に向けて場内事業者等との共通認識、方向性が整いつつある状況と理解して良いのか伺います。
本年2月の総務委員会で報告のあった内容から、その後の協議検討の中で変更となった内容があればその理由と併せて伺います。
北部市場の機能更新の大きな方向性として、市場全体を複層化・コンパクト化する事で発生した余剰地の有効活用と場内収入等によって、市場経営を自立したものにしていくことが掲げられています。当然、機能更新にあたっては多額の投資が必要となってきますが、収支計画は大変重要な事項となってきます。収支計画に関する基本的な考え方を伺います。
次に、地方卸売市場南部市場について伺います。
昭和32年に中央卸売市場として開設した後、平成19年には地方卸売市場へと転換し、昨今では老朽化も相まって市場としての役目も問われていた中、北部市場の公表に合わせ、南部市場においても今後の運営方針に関するスケジュールが公表されました。これまでは別々に検討が行われておりましたが、北部市場と南部市場が持つそれぞれのポテンシャルや役割を明確にし、両軸として同時並行で検討が行われるものであり、計画の進捗が期待されます。
一方、今後の課題としては北部市場同様に、場内事業者や関係者と協議を重ね、その内容を諮問書に反映させるとともに、共通理解を図ることと考えます。8月には場内事業者と「めざす姿」を取りまとめるとしておりましたが、具体的な協議内容と、その「めざす姿」について伺います。
また、既存建築物等の現況整理が行われておりましたが、その結果について伺います。
答弁
(経済労働局長)
北部市場の機能更新に係る取組につきましては、今年度中の基本計画の策定を目標として、今年度に入って場内事業者と計7回の協議を精力的に進めてきたとともに、事業採算性等の観点から開発業者等との協議も着実に進めてきたところでございます。
協議内容につきましては、場内事業者については、各機能における施設規模や複層化を踏まえた施設配置、仮移転における諸条件の確認等を、開発業者等については、市としての事業採算性の確保や、市場機能向上のための創意工夫の確認等を進めてきたところでございます。
こうした協議を通じて、市場整備の方向性について共通認識の醸成が図られたものと考えております。
本年2月の総務委員会における報告内容からの変更点につきましては、機能の集約、業務効率化等の観点から「市場施設を一体化、同一部門はワンフロアに集約」としていたものを、大型車両動線への配慮等から、市場施設の分棟化部門内での複層化も視野に入れ、検討を進めているところでございます。
収支計画の考え方につきましては、市場を持続的に運営し、発展させていくためにも、経営的視点が重要であることから、機能更新及びその後の維持管理・運営に係る事業費は、基本的に、市場使用料及び財産貸付収入等の市場敷地全体から生じる収入をもって支出との均衡を図るものと考えておりますが、整備期間中などは、支出が一時的に増加することが想定されるため、総合的に判断してまいりたいと考えております。
今年度より、南北両市場のポテンシャル・役割を明確にし、北部市場の機能更新と、両軸として同時並行で進めるものとした南部市場の今後の運営方針の検討につきましても、場内事業者等と計6回の協議を精力的に進めてきたところでございます。
協議内容等につきましては、南部市場の現状やポテンシャル、将来ビジョンの整理などを進め、周辺地域への生鮮食料品等の安定供給という使命の達成とともに、川崎駅や羽田空港から近いといった立地上のポテンシャルを踏まえ、集客できる市場の実現に向けた方向性として「南部市場のめざす姿」を8月に取りまとめたところでございます。
既存建築物等の現況整理につきましては、老朽化が進行しており、機能面や安全性の確保に課題があることが判明したことから、必要な対策や適切な整備手法について整理してまいります。
今後に向けましては、これらの整備手法や、「めざす姿」を実現するための事業手法について、附属機関に諮問を行い、答申いただいた内容を踏まえ、その後に策定する運営方針の中で整理できるよう、引き続き検討を進めてまいります。