議会報告
令和5年9月13日代表質問㉖
看護師等の確保について
2023.09.13
質問
看護師等の確保について伺います。
住み慣れた地域で安心して生活するために誕生した地域包括ケアシステムの中核を担うのが看護師等です。医療施設を中心としていた従来の医療体制から、在宅や地域へと療養の場が拡大し、居宅訪問サービスをはじめとする在宅支援においても看護師のニーズが高まっています。
令和4年版厚生労働白書によると、経済成長と労働参加が進むと仮定するケースでも、令和22年には医療・福祉分野の就業者数が96万人不足する見込みであり、特に訪問看護ステーションや診療所、さらには介護施設や保育園等の地域で働く看護師等不足は深刻です。加えて、看護師等の採用に向けた紹介業者への支払いが高額で、経営に苦しむ医療機関や施設が多く存在します。見解と対応を伺います。
平成27年の「看護師等の人材確保の促進に関する法律」の改正により、保健師・助産師・看護師・准看護師の免許をお持ちで、その仕事をされていない方は、神奈川県看護協会が運営する神奈川県ナースセンターに届け出る必要があります。届出の促進について、本市としての取組と課題について伺います。
答弁
(健康福祉局長)
看護師等の確保についての御質問でございますが、本市における看護職員数につきましては、直近10年間で約1.5倍に増加しているものの、高齢化の進展により看護ニーズが高まる中、特に、2040年以降も高齢者人口の増加が見込まれる本市特有の状況を踏まえると、看護師等の確保対策は引き続き重要な課題であると認識しております。
これらのことから、本市といたしましては、看護師確保対策として、「新規養成」「定着促進」「再就業支援」といった3本柱の施策を掲げ、川崎市看護協会と連携しながら、様々な取組を進めているところでございます。
看護師等免許保持者の届出制度」につきましては、離職中の看護師等を把握し、復職に向けた支援を行うための制度でございまして、届出の促進対策といたしましては、実施主体である県のナースセンターが中心となり、ホームページによる案内等により届出登録者数は年々増加しているものと伺っておりますが、更なる促進に繋がるよう、市のホームページに掲載するなど、県と協調しながら必要な取組を進めてまいりたいと存じます。
質問
地域包括ケアシステムの推進には、看護師等の確保が必須であり、届出制度を活用した潜在看護師等へのアプローチ方法や川崎市看護協会が運営を委託されている川崎市ナーシングセンターにおける職業紹介事業の検討等の具体的な対策が必要です。次期「かわさき医療プラン」にどのように反映させるのか具体的な対応について伺います。
また、地域医療審議会における検討部会の立ち上げも必要です。対応と見解について伺います。県の調査では本市では、離職率が高いとされていますが見解を伺います。看護師等の確保策立案のために、現状把握と要因分析、課題の明確化が必要です。見解を伺います。
答弁
(健康福祉局長)
他の保健医療分野の内容とともに、地域医療審議会を通じて、地域の実情に精通した方々による議論を行っているところでございますので、今後、ナーシングセンターにおける取組など、具体的な内容を反映するための策定作業を進めてまいります。
また、現在、国におきましては、30年ぶりの「看護師等確保基本指針」の改定作業を進めているところであり、その内容を踏まえた上で、看護協会等の関係者と協議しながら、必要な対策を検討してまいりたいと存じます。本市における看護師等の離職率につきましては、県の調査結果によると、県内二次保健医療圏の中で最も高い地域であるものと認識しております。一般的に、再就職先が見つけやすい都市部の離職率は高い傾向にありますが、本市での離職状況に関する現状把握及び要因分析を行うことにより、更なる「定着促進」に向けて、今後、市看護協会を含めた関係団体と連携しながら、検証を進めてまいりたいと考えております。