議会報告

令和5年9月13日代表質問㉛

災害拠点病院の対応について

2023.09.13

質問

首都直下型地震による災害拠点病院の対応について伺います。
先般、首都直下型地震による1都3県の災害拠点病院の6割で受け入れ可能な外来患者数が平時を下回るとの報道がありました。政府の地震調査委員会ではマグニチュード7程度の首都直下型地震の30年以内の発生確率は70%と予測しています。本市での災害拠点病院では災害時に受け入れる患者数の適正水準をどのように把握しているのか、それぞれの指定病院ごとに伺います。
また、適正水準の更なる拡大に向けて、どのような取組を進めているのか伺います。

答弁

(健康福祉局長)
災害拠点病院についての御質問でございますが、発災時における受入患者数の適正水準について、指定要件を定める国からは明確な基準は示されていないところでございます。
一方、同指定要件においては、入院患者は通常時の2倍、外来患者は通常時の5倍程度を想定し、患者の多数発生時に対応可能なスペースや医療資機材を有することが望ましいとされており、これを市内7か所の災害拠点病院における1日当りの患者数に照らしますと、市立川崎病院では、入院約870人、外来約5,970人、日本医科大学武蔵小杉病院では、入院約630人、外来約4,600人、市立井田病院では、入院約420人、外来約2,720人、関東労災病院では、入院約830人、外来約8,160人、帝京大学医学部附属溝口病院では、入院約620人、外来約5,020人、聖マリアンナ医科大学病院では、入院約1,600人、外来約10,030人、市立多摩病院では、入院約470人、外来約3,780人に対応できるスペース等の確保が一つの目安となるものと考えております。

受入れ枠の更なる拡大についてでございますが、現実的には、被災状況によって、個々の病院の受入キャパシティは大きく変化することが想定されますことから、本市におきましては、市内病院全体で増大する医療ニーズを受け止める体制の構築が重要と考えております。
そのため、市内の災害医療に精通した医師等で構成する「災害医療コーディネーター会議」における定期的な議論や、官民共同の訓練・研修等の取組を通じて、病院機能に応じた役割分担と連携方法の全体共有を図りながら、災害拠点病院を含めた、市内医療機関総体としての災害対応能力の向上に取り組んでいるところでございます。

質問

併せて川崎市立病院経営計画との整合性をどのように図るのか伺います。

答弁

(病院局長)
現行の川崎市立病院経営計画では市立3病院について、災害拠点病院等の機能維持・強化に関する取組を定め、推進しており、今後につきましても、引き続き市の災害対応に関する考え方等を踏まえ、取り組んでまいります。

質問

医療の遅れは首都機能回復や復興に大きな影響を及ぼすため、強靭な医療提供体制の構築が必要とされますが、地元医師会、医療関係機関との連携のみならず、域外の病院や自治体との連携強化も重要であると考えます。域外の病院や自治体との連携計画では受け入れ可能な患者数をどの程度予定しているのか、また搬送手段、医師の広域連携など現状ではどのような計画になっているのか伺います。

答弁

発災時における病院ごとの受入れ可能な患者数をはじめ、医療・救護に関わる各種情報につきましては、厚生労働省が全国運用する「広域災害・救急医療情報システム」にて、市内外の情報を把握し、搬送調整などに活用することとなります。
また、重症者等の搬送調整につきましては、国の中央防災会議にて方針が示されておりまして、市内の調整は本市保健医療調整本部が、市域を超える県内の調整は県保健医療調整本部が、県外への広域搬送調整は国が、それぞれ役割分担と連携の下で行うこととされております。

併せて、「災害派遣医療チーム」通称DMATの応援派遣につきましては、全国一律の仕組みとして、被災県知事の要請、または国の判断に基づき行われることとなります。
本市におきましては、県や市内病院等と連携しながら、これらの実効性を高める訓練を定期的に実施しているところでございます。