議会報告

令和3年9月21日決算審査特別委員会

5款7項7目成人保健対策費について

2021.09.21

令和3年決算審査特別委員会の健康福祉分科会で質問しました。

質問

5款7項7目、成人保健対策費のうち、がん検診事業実施委託料について伺います。

令和2年度決算では19億円ほど計上されていますが、健診内容の内訳について伺います。また本市の実施するがん検診で発見した症例数について伺います。

答弁

令和2年度決算額の内訳につきましては、

胃がん検診、約5億7,400万円、
子宮頸がん検診、約3億3,000万円、
肺がん検診、約4億1,200万円、
乳がん検診、約2億400万円、
大腸がん検診、約3億1,500万円、
その他、がん検診の推進及び受診率向上事業、約7,600万円でございます。

次に、本市がん検診受診者で、精密検査の結果が「がん」であった方につきましては、令和元年度実績として、胃がん101名、子宮頸がん14名、肺がん54名、乳がん100名、大腸がん258名となっております。

質問

健診内容やその予算配分の決定プロセスについて伺います。

答弁

対策型がん検診の内容につきましては、国の「がん対策推進基本計画」等に基づくとともに、「川崎市がん検診連絡調整会議」の各委員の御意見を伺いながら、決定しているところでございます。

また、検診委託料につきましては、5つのがん検診の過去の実績等を勘案し、受診見込者数を推計の上、各がん検診における必要経費を計上し、市議会の承認をいただき予算化されたものでございます。

質問

ABC検診など、1がん症例を発見するために他の検診の費用の低減、あるいは早期発見につながるがんスクリーニングの導入に向けた検討状況、またその見通しについて伺います。

答弁

対策型がん検診につきましては、国の「がん対策推進基本計画」の中で、指針に基づいて実施することとされていることから、本市におきましては、その指針で示されている有効性が科学的に証明された「胃部エックス線検査」と「胃内視鏡検査」を実施しているところでございます。

ヘリコバクター・ピロリ抗体検査とペプシノゲン検査の併用法、いわゆる「ABC検査」につきましては、個別の胃がんリスクに応じた胃がん検診の提供体制の構築には、検診への応用が可能な新たなリスク層別化の方策とその有効性の科学的根拠を求める必要があり、現時点においては胃がん検診に用いる科学的根拠が不十分な状況にございます。

一方で、胃がん罹患リスクを適切に分類し、低リスク者の検診間隔を延長して受診者の負担を軽減し、検診対象者を高リスク者に集約できるようになれば、限られた医療資源を有効に活用して効率的な検診提供体制が構築できることが期待されることから、現在、日本医療研究開発機構における研究が進められている状況にありますので、本市といたしましては、それらの動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。

(上原)

例えば胃がん患者を発見するのに、500万円程度がかかっています。この数値自体は各種調査を見ても妥当な範囲ですが、国の補助も政令市なので1/3と不利な状況です。低廉なスクリーニング検査で、高リスク群の事前特定を組み合わせれば、発見率は飛躍的に高まるので、一症例当たりのコストもこれに応じて下げていくことができる、また早期発見にもつながる、さらには医療費低減にもつながりうるという方向性で、市の独自の検査としても検討されることを望みます。