議会報告

令和5年2月27日代表質問④

川崎市地域エネルギー会社の設立に向けた進捗状況について

2023.02.27

質問

事業パートナーの選定過程についてです。サウンディング調査時点では、参加意思のあった企業が、公募不参加であった理由について見解を伺います。
またその前提となる、評価配点の基準と妥当性について見解を伺います。

審査講評における評価ポイントでは特に、収支計画面で、「想定よりも規模が大きい」との表現があります。詳細を伺います。またその他にも、独自提案の内容など、講評ポイントからは、事業者の提案内容が読み取り切れず、事業全容が見えません。事業者による提案内容を織り込んだ計画の正式公表はいつ、どのように行われるのか、伺います。

答弁

(環境局長)
事業パートナーの応募につきましては、多くの事業者に応募いただくことが望ましいと考えておりましたが、サウンディング型市場調査時点以降、電力事情が大きく変化したことにより、新規事業への参画に対するリスクなどを踏まえ、公募不参加とする事業者が多くなったのではないかと考えております。

評価配点の基準と妥当性につきましては、サウンディング型市場調査による事業者提案を踏まえるとともに、民間活用推進委員会の選定部会におきまして、電力・エネルギー分野や財務の専門家である、委員の方々に議論いただき、決定したものでございまして、適切に設定されたものと考えております。

提案された収支計画につきましては、小売電気事業の早期の開始など、事業者のノウハウを活用した精緻な収支計算により、安定的な収益を確保できる見通しを示したことなどが、審査において評価されたものでございます。

質問

同社が中核となる地域エネルギープラットフォームの、段階を示す各ステップについてです。ステップ1では高圧電流対応の公共施設市内企業、大規模住宅などの需要家への供給を想定しているとのことですが、当面の課題について伺います。

答弁

(環境局長)
地域エネルギー会社の事業計画の公表につきましては、事業スキームや収支見込など、交渉権者と綿密な調整を行ったうえで、本年8月頃を想定している合弁契約締結後に、概要について速やかに議会報告を行う予定としております。

地域エネルギープラットフォームについてでございますが、ステップ1におきましては、会社の創成期であるため、電力事情が大きく変化する中、事業運営の安定と需要家の拡大を図ることが当面の課題であると認識しております。

質問

ステップ2では、令和11年度までに、再エネ電源の開発を行うとあります。開発主体、開発場所、想定規模について、具体的に伺います。またその際は、資金調達が必要と考えられますが、調達方針について伺います。同時にエネルギーマネジメントの取組を開始します。具体的な内容について伺います。

答弁

(環境局長)
ステップ2におきましては、廃棄物発電有効活用計画において、電源開発の主体は地域エネルギー会社を想定し、令和12年度までに市内で累計4,400キロワットの導入を目指していることから、今後、地域エネルギ一会社と連携しながら検討を進めてまいります。

電源開発の資金につきましては、事業自体の収益性に着目した資金調達である、いわゆる「プロジェクトファイナンス」の手法を用いて、地域エネルギー会社に出資を行う金融機関から調達することを想定しております。また、エネルギーマネジメントの取組につきましては、電力逼迫時だけでなく、平時におけるエネルギー需給の平準化を目指し、ピークカットやピークシフトなどの手法を活用するなど、今後、地域エネルギー会社と連携しながら検討を進めてまいります。

質問

ステップ3は2050年までのものですが、具体的内容の記載はなく、実質的にはステップ2の2030年までのロードマップの提示がされたといえます。2030年以降のロードマップを提示するタイミングについて伺います。また地域エネルギープラットフォームの早期実現が望ましいと考えられますが、想定よりも早く実現が可能にならないのか伺います。とりわけ、VPPやDRなどの需給制御関連技術は、早々に導入する必要があると考えます。見解を伺います。

答弁

(環境局長)
2030年度以降の具体的な取組につきましては、技術革新の動向や社会状況の変化を踏まえるとともに、地域エネルギー会社における事業の進捗を考慮しながら、適切な時期に公表してまいりたいと考えております。
また、地域エネルギープラットフォームの早期実現は、再生可能エネルギーの普及拡大のため重要と考えておりますので、地域エネルギー会社や市内事業者などと連携しながら、取組を進めてまいります。
電力需給制御関連技術につきましては、地域エネルギー会社の事業進捗にあわせ、事業パートナーが保有する蓄電池システムや制御技術などを活用して、高度なエネルギーマネジメントである、VPP、いわゆる「仮想発電所」にも可能な限り早期に取り組む必要があると考えております。

質問

地域エネルギープラットフォームの概念図には、供給サイドとして、廃棄物発電、工場イメージ図が添えられた市内再エネ、市外再エネに加えて、川崎市民の記載があります。一方で、企業選定における審査講評では、電力調達計画、電力供給計画それぞれの評価ポイントに、川崎市民の記述はありません。各ステップにも、川崎市民の関わり方が明確に示されていません。どのステップで、どのように市民生活に影響してくるのか、見通しについて伺います。

答弁

(環境局長)
市民の関わり方につきましては、再エネの普及拡大のために、地域エネルギー会社を中核とする、地域エネルギープラットフォームへの市民の皆様の参画も重要であると考えておりますので、他都市の地域新電力で実施している家庭の卒FIT電力の買取や、金融機関と連携した再エネ普及策などの取組について、早期に地域エネルギー会社において事業として展開できる可能性があるものと考えております。