議会報告

令和5年9月25日決算審査特別委員会①

6款3項1目ごみ処理総務費及び4目焼却場費について

2023.09.25

質問

6款3項1目ごみ処理総務費及び4目焼却場費について伺います。代表質問にて、世界的な原油価格高騰に伴う本市の費用負担について伺いました。まずは、昨年度と比較して、ごみの運搬量、収集に係る燃料費高騰の影響などを踏まえた決算額の増減要因分析を願います。

答弁

(収集計画課長)
決算額についての御質問でございますが、ごみ処理総務費のうちのごみ収集車両維持費の前年度決算額との比較につきましては、車両用燃料費が約600万円の増加となっており、その要因といたしましては、燃料費が高騰したことによるものと考えております。なお、普通ごみの収集量は減少しておりますが、ごみ収集車両の走行距離に大幅な増減がなかったため、燃料費の増減の要因とはなっておりません。

質問

年間30万トンぐらいですか、発生量は安定しているということと、ごみの多少の増減では、焼却場についての費用も、収集に係る費用も大きな増減はなく、現況では燃料費の影響が大きいということが分かりました。ありがとうございました。

代表質問では、多摩川梨生産に係る剪定枝の受入れについて質問させていただきました。年間の発生量は予測ベースで100トンほどというふうに推定されています。御答弁からは、一般廃棄物としてはサイズ規定をして、産業廃棄物としては特段の措置は今のところないというふうに把握しております。これまで、生活環境事業所などを通じて、梨の剪定枝の受入れに対する要望を把握する機会はあったのか伺います。また、多摩川梨の生育事業のほか、川崎市の事業者特有の廃棄物受入れについての、市民であったり、市内事業者からの要望があれば伺います。

答弁

(収集計画課長)
梨の剪定枝についての御質問でございますが、剪定枝に関する相談につきましては、生活環境事業所において、一般家庭から排出される市民の方々や農業者などの民間事業者から、年に数回相談を受けており、排出方法や処理方法について説明し、御理解をいただいていると認識しておりましたが、今般、環境局に対し、農業生産者団体から、受入れ基準の緩和に関わる御要望があったところでございます。

質問

今の御答弁は剪定枝全般のお話をしていただいたかと思います。後段の要望に関しては、農業生産者団体さんからの要望があったということで、ちょっと今後の話なんですけれども、本市が梨を名産とするというのはずっと変わらない話で、都市農業を進行するという点に関してもそんなに、フラットというか、やっていきましょうというのはスタンスとして間違っていないと思うんですが、その上で、都市化が進んでいくというのも、ここ最近の話ではない。そうなってくると、長年、生産者さんに寄り添っていたはずの、事情に精通していたはずの経済労働局は一体何をやっていたんだという話になってくるわけで、これが環境局さんに対して事前に相談がなかったというのは、ちょっと残念に思っているところです。

一方、いわゆる排出作業をされている方に対して御理解いただいているものと考えているという御答弁をいただいていますけれども、生産者さんからの声は実際あったわけで、環境局さんから経済労働局さんに対して、これはどうなっているのというお問合せをしていただいてもよかったのかなという点に関しては、ちょっと今後の検討というか、経験として生かしていただければというふうに思っております。
今般、要望を受けて、今後の実施に当たっては、環境局の独自の財源での措置のほかに、目的に応じては他局の財源を使うということを考えなければいけないのかなというふうに思っております。他局財源に依拠することを検討する必要性についての見解を伺いたいと思います。

答弁

(処理計画課長)
要望についての御質問でございますが、農業生産者団体から剪定枝の受入れ基準の緩和に係る御要望がございますが、ごみを焼却炉へ投入する受入れ口の構造上、基準以上のごみが投入されますと詰まりが発生し、焼却炉が緊急停止するなど、安定的なごみ処理に支障を来すおそれがあるため、剪定枝を長さ50センチメートル程度に切断するなど、基準に適合した性状及び形状のものでなければ受け入れることができない旨、説明させていただいたところでございます。また、経済労働局では、農業経営の安定化を図るため、ウッドチッパーの導入に対する補助や、剪定枝を簡易な機器を用いて炭化する試行的取組を行ったと伺っております。

質問

専門部署らしい技術的な背景の御解説をありがとうございますというところではあるんですが、ほかにも梨を名産とする自治体というのはたくさんございまして、その地域地域では都市化がやっぱり進んでいるというのも往々にしてある話でして、それに対し様々な取組がなされているんですが、ちょっと財源についての話に移りたいと思うんですが、例えば梨の剪定枝の場合、市民が増加する、従来は野焼きをやっていました、野焼きができなくなりますよね。これももう本当に全国的によくある話らしくて、どうやって処理するのか、その処理方法を模索するわけなんです。ほかの都市では剪定枝をそのまま受け入れる、もっと大きなサイズであったりとか、いろんなパターンで受け入れるケースがあるというふうに聞いているんですが、他都市でのその受入れ方法に係る財源の確保の方法について伺いたいと思います

答弁

(企画課長)
他都市における剪定枝の処理についての御質問でございますが、近隣都市のうち、東京都稲城市におきましては、農業振興をはじめ、周辺住民等に影響を及ぼすような野焼きを防止するため、農家が剪定枝等を焼却処理施設へ持ち込む際、必要となる処理手数料を減免するほか、剪定枝の破砕専用車を貸し出すなど、支援を行っていると伺っております。

質問

一応財源について伺ったつもりなんですが、どういう事例があるのか御紹介をいただきたいというふうに思っています。

稲城市の事例が出ました。私たち自民党では、稲城市に視察を申し込んで、実際にウッドチッパーを搭載した車であったりとか、受入れの体制であるとかというのを視察で伺ってきたところであります。その稲城市というのは、3つの自治体と一緒に多摩川衛生組合さんを組成していらっしゃって、実際には稲城市の大丸にあるクリーンセンター多摩川でごみ処理を行っている。剪定枝に関しての受入れの条件なんですけれども、川崎市は50センチなんですけれども、稲城市は80センチなんですよね。太さに関しては30センチ直径まで受け入れる。まあまあ頑張って受入れをされているのかなというふうに思っています。

今、技術的には、受け入れると炉が止まってしまったりとか、もうこれは炉の特性がありますので、十把一からげに同じようにやれよというのは無理だと思いますので、これもちょっと条件の中に加えつつも、ほかの都市ではこれぐらいできているという部分もちょっと勘案して進めていただきたいんですが、財源の話に戻しますと、その組合に参加する4つの自治体、府中さんとかも含めて4つの自治体で、梨に対する姿勢、梨の生育に関してどれぐらい力を入れていくのか、補助を出していくのかというのは、多分それぞれの御判断があろうかと思います。そうなってくると、要は各自治体によって、組合さんに対して負担金をどれぐらい出していくのかという考え方が必要になってくると思います。

そこで、本市でも、都市農業振興の観点から、経済労働局さんに予算立てをしっかり求めて、名産の多摩川梨の剪定枝の受入れを実現することは可能なのか。また、その際の課題は何になるのか伺いたいと思います。

答弁

(企画課長)
剪定枝の受入れについての御質問でございますが、梨の生産に伴って生じる剪定枝の効果的な処理方法等につきましては、剪定枝以外の廃棄物の取扱いの観点から、処理手数料の免除について、現段階では課題があると認識しておりますが、様々な手法の実現可能性や課題等について、都市農業振興の観点もございますので、経済労働局と共に検討してまいりたいと考えております。

要望

ありがとうございます。まさにそのとおりで、公平性とか、いろんな事業者さんがいらっしゃいます。川崎市がここに力を入れる、ここに力を入れるというのはいろんな考え方がある中で、いろんな事業者さんがいて、その事業者さんたちに公平性であったりとか、平等性みたいなものを担保するのに、環境局さんとしてどの事業を選択するというメッセージを出すのはちょっと違うのかなと思いまして、やはり経済労働局さんがしっかり予算立てをして、環境局さんにその負担をお願いするというか、財源はそちらに求めるような格好でやらないと、ちょっとこれは実現できないのが今の川崎市の体制なのかなというふうに私は思っています。

一方で、やっぱり皆さんにも、研究というか、調査も進めていただきたいところもございまして、今回、稲城市だけ事例に挙げていただいたんですけれども、先ほど申したように、梨というのはもう全国的にはやった生産物でして、都市化が進んでいるのも一般的な話で、みんな同じように苦労しているんですよね。調査研究の論文が出ていて、廃棄物として処理していくには補助金を出すのが正解なのか、さっき言った破砕機――ウッドチッパーが正解なのか、はたまた廃棄物の処理及び清掃に関する法律に関わることもあります。なので、これって難しい話なんですけれども、年間100トンなので、これを川崎市の環境を重要視するような政策にどうつなげていくのかというのが論点というか、未来的な発想なのかなと思っていまして、ほかの自治体では、そもそも堆肥化を自治体側で進めていって、その堆肥を販売するということもやっていますし、それに向けた協議体の組成だったりとかもしているところもありますし、あとはチップ化して燃料にしてバイオマス、発電してという話はあるんですけれども、じゃ、これは誰がやるのかとなった場合に、今度、川崎未来エナジーさんが出てきますので、チップにして川崎未来エナジーさんに買ってもらうというような形も考え得るようなことかなというふうに思います。よそではもうやっているので、ぜひそういった研究を進めていただきたいというふうに思います。

その際に、やっぱり生産者さんの実態がどうなのかというのを環境省さんのほうでも把握するために、経済労働局さんと環境局さんと、できれば生産者さんも交えて、少しお話合いをされるような場を設けていただければなというふうに思います。目線の高い、環境意識の高い政策、取組に期待して、質問を終わりたいと思います。