議会報告

令和1年9月26日決算審査特別委員会(まちづくり分科会 第2日)

多摩川施策推進費、多摩川施策推進事業について

2019.09.26

決算審査特別委員会(9月26日)で質問しました。

・多摩川施策推進費、多摩川施策推進事業について

質問

8款8項3目多摩川施策推進費、多摩川施策推進事業について質問いたします。

同事業のうち、平成30年度決算においては、主要な部分を見ますと、おおよそ4割が緑地維持管理、整備にかかる費用が3割、その他サイクリングコース維持管理事業費などが計上されています。それぞれ、当年度の取り組みについて伺います。

答弁

平成30年度の主要な事業における支出済額と主な取り組みでございますが、初めに、多摩川緑地維持管理事業費につきましては約1億4,673万円で、広場等の草刈りや野球場、サッカー場など運動施設の維持管理、トイレ清掃、増水時の施設撤去・復旧等でございます。

次に、多摩川プラン整備事業費につきましては約1億1,962万円で、サイクリングコースの橋梁整備や野球場など運動施設の再整備、簡易水洗トイレの整備、サイクリングコースの拡幅や路面標示の設置等でございます。次に、サイクリングコース維持管理事業費につきましては約1,620万円で、サイクリングコース脇の草刈りやコースの補修でございます。

質問

緑地維持管理については定常的なコストがかかるものとして確認いたしました。一方で、整備面においては、地元からの要望のもと建築されて、今般、地元より命名提案もあった多摩区下布田のピクニック橋の整備に多くのコストがかかったと聞いております。この橋が開通することにより、多摩川沿いにおいては上流、下流の行き来がスムーズになりました。これに伴って、本市民の利用のみならず、他市の利用者による交通量の増が見込まれます。見解と対策について伺います。

答弁

ことし5月にピクニック橋が完成し、菅地区と中野島地区との往来が容易にできるようになり、さらに上流の稲城市のサイクリングロードにも接続したことから、より多くの方に御利用いただいております。

サイクリングコースの安全性向上につきましては、可能な箇所において、幅員が2メートルの箇所を3メートルに拡幅する整備を進めております。あわせて、歩行者優先の空間であることから、自転車通行マナーの向上が必要であると認識しており、路面標示の設置などに取り組んでいるところでございます。また、サイクリングコースという名称のため、自転車優先との認識を持たれる場合もございますので、歩行者と自転車が共存する空間にふさわしい愛称について、広く公募を行い、今年度中に決定してまいりたいと考えております。

質問

今、2メートルから3メートルというお話がありました。安全に配慮して拡幅を行うことができる2メートル幅のコース長は、沿線20.2キロのうち、どの程度が3メートル幅への拡幅が可能なのか、またコストがどの程度予想されるのか伺います。

答弁

平成27年度から今年度までに、サイクリングコースの幅員を2メートルから3メートルへ拡幅する整備を約1.9キロメートルの区間で実施しており、今後、拡幅可能な延長約10キロメートルの区間について整備を進めてまいります。また、今後の拡幅にかかる費用は、過去の整備費から算出して約1億5,000万円と想定しております。

(上原)

1メートル当たり1万5,000円程度、過去の経緯を見るとそれぐらいのコストがかかると。また、残分が20キロのうち10キロで半分程度と考えての1億5,000万円との想定をいただきました。

最初の質問への答弁のとおり、現状の予算にはほかの重要な整備事業を多く含んでおります。サイクリングコースだけにお金をかける、予算を割くというのはなかなか難しいと思われます。したがって、現状の取り組みだと多摩川が全体的に安全に利用していただけるような状況になるには相当な時間を要すると思われます。総額1億5,000万円程度、余り大きな事業費でもない感じもしますので、川崎市新多摩川プランにのっとってサイクリングコースの充実を進めていくというのが基本スタンスであるのであれば、ぜひしっかりと予算取りをお願いしたい、スピード感を持って取り組んで、安全性の確保、利便性の向上に努めていただきたいということを要望いたします。

質問

本事業は、新多摩川プランにおいて、基本目標に多摩川とともに歩むみんなの暮らしという標語がついております。推進施策の一つとして掲げられているものですが、同じくこの施策の中にアクセス向上というものがございます。現状では、多摩川にアクセスするためには階段等の整備やベビーカー、車椅子の通行者のためのスロープの整備も十分ではないと思っております。現況のアクセスの向上に向けた取り組みやこれを推進する上での障壁になっているものがもしあれば御教示願います。

答弁

河川敷へアクセスする坂路等については、河川管理者である国と連携しながら整備を行っているところでございます。多摩川には市街地との間に堤防や多摩沿川道路などがあり、それらを越えてアクセスすることになりますが、堤防は、洪水から市民を守るために設けられているものであるため、坂路等の施設については、治水機能を阻害しないよう、整備箇所や構造等に配慮する必要があります。また、多摩沿川道路などを安全に横断して坂路等へアクセスする必要がございます。こうしたことから、国や交通管理者などと十分に協議を行いながら、多摩川へのアクセス向上への取り組みを行ってまいりたいと考えております。

(上原)

アクセス向上についての要望を申し上げます。市民の皆様の心のふるさとという大きな題目を与えられた多摩川ですけれども、多摩川へのアクセス向上は、新多摩川プランを推進する上で最も重要な課題であり、いかに多摩川沿いにいい施設がそろったとしても、それを利用するためのアクセスがそろわなければ本市民が利用できない、そういう矛盾をはらんだところがあるかと思います。せっかくの整備も目的を果たすことはできない。

ぜひアクセス向上についても、国との協議検討を進めていただいて、また、その結果を御報告いただき、取り組んでいただきたいことを御要望申し上げます。