議会報告
令和7年第2回定例会一般質問
市民防災農地制度について
2025.06.24
質問
登録用地は、一時避難場所として用いることが想定されています。市民防災農地の設置経緯、制度の内容、実際の運用はどのように行うのか、行政内の意思決定のプロセスを経済労働局長に伺います。
答弁
(経済労働局長)
設置の経緯につきましては、平成8年に当時の川崎市農業協同組合協議会から川崎市長に対し、地震などの大規模災害が起きた際、市民の一時避難場所等として市内の農地を活用する制度創設の検討の依頼があり、本市としても、市民生活の安全の観点から、市民防災農地制度を平成9年に開始したところでございます。同制度につきましては、農地所有者の御協力により登録された農地を、大地震発災時に市民の安全確保のため、一時避難場所等として利用できるものとなっております。実際の運用におきましては、大地震による災害が発生した場合に、所有者の許諾なく市民が利用することができるほか、本市が所有者と協議の上、応急仮設住宅の建設用地等として利用させていただくこともできる制度となっております。
質問
今、御答弁の中で、所有者の許諾なく市民が利用することができるという、なかなか踏み込んだ制度だということがよく分かると思います。
この登録用地にいっとき避難をすると想定される市民はどのような方々なのか危機管理監に伺いたいと思います。
答弁
(危機管理監)
市民防災農地についての御質問でございますが、市民防災農地につきましては、大地震による災害が発生した場合に、近隣にお住まいの方々などが安全確保を図るために利用していただくことを想定しているところでございます。
質問
平常時は民地である登録用地に対して、近隣住民が一時避難場所として避難するためには、そもそも当該農地が一時避難場所に位置づけられているという事実を近隣の住民の方々が知らないといけないんですけれども、近隣の住民の皆さんはどのようにしてその事実を知ることができるのか危機管理監に伺います。
答弁
(危機管理監)
市民防災農地であることを認知していただくため、農地所有者の御了承をいただいた上で、市民防災農地の制度趣旨の表示を含めた標識の設置を進めているところでございます。また、市民防災農地の制度等につきましては、関係局と連携した市ホームページ等を活用した広報や、関係機関の機関誌に掲載いただくなどの周知を図っているところでございます。
質問
ありがとうございます。民地の利用をすることでございますし、特に食べ物を作る土地、敷地ですので、避難の際でも避難者のルール整備と啓発が必要かと思います。危機管理監に見解を伺います。
答弁
(危機管理監)
市民防災農地を利用する際のルールについての御質問でございますが、市民防災農地は、防災機能に加え、食料生産拠点としての重要な機能を有していることから、災害時においてもルールを守っていただき、利用いただくことが重要であると認識しております。そのため、利用する際のルールにつきましては、市民防災農地の標識に、平時に所有者の許可なく立ち入ることはできません、農地内の農産物を取ったり、食べたりしてはいけませんとの注意事項を表示しているほか、市ホームページにおいても周知しているところでございます。
質問
ありがとうございます。農地内の農産物を取ったり、食べたりしてはいけませんということですが、当然ですよね。この市民防災農地の件なんですけれども、避難訓練はしなくていいんですかということで、その必要性について危機管理監に伺いたいと思います。
答弁
(危機管理監)
市民防災農地は、農地所有者の方々に対しまして、災害時において一時避難場所等として提供されることや、避難訓練等を含め平時の利用は行わないことを周知いたしまして登録いただいておりますことから、訓練を実施することは難しいものと考えておりますが、今後、地域や農地所有者等の御意向を伺ってまいります。
質問
掲示について、看板を立て、ホームページ等に掲載すれば、ここに逃げられると思うのは少し浅いのかなという感じがしておりまして、その上で避難訓練のお話を伺ったんですけれども、避難訓練は適さないという見解を今お示しになったかと思います。ほかの地域では、農協さんと連携して、避難訓練、炊き出しもやられているところがあるなと。
ネットで調べていたら、本年4月18日付のタウンニュースを見ると、西野川町内会さんが農協さんと一緒に避難訓練を既に実施されているというところもあります。避難訓練ができないと決めつけるのではなくて、できるところはやったほうがいいんじゃないかなと思います。
その点をお願いした上で次の質問になるんですが、登録者の方から、避難が長期化した際、トイレが必要になっちゃったりするんじゃないのということと、あと、それこそ、さっき例としてお出ししました炊き出し、食の確保まで必要なのではないかという疑問の声が上がっているんですけれども、この件につきまして危機管理監に見解を伺いたいと思います。
答弁
(危機管理監)
市民防災農地での避難者のトイレ及び食料の確保についての御質問でございますが、市民防災農地につきましては、一時的に避難する場所であり、引き続き避難が必要となる場合には、小中学校等の指定避難所を利用いただくことを想定しておりまして、市民防災農地内において、避難者が利用するトイレや食料の備蓄等を行っていないところでございます。しかしながら、避難された際、特に排せつについては我慢することができないもので、こうした災害時のトイレ環境の確保については、能登半島地震でも大きな課題となり、本市においても喫緊の課題として検討を進め、本年4月に新たな災害時のトイレ対策の考え方を議会にお示しさせていただいたところでございます。今後、避難所以外の場所にも災害時に使用できる環境を増やしていくことが必要でございまして、公共施設における仮設トイレなどの活用や、携帯トイレの家庭内備蓄の確保につながる支援など、自助、共助による面的な災害用トイレの確保につながる支援の在り方について、地域からの御意見を伺いながら検討を進めてまいります。
意見
ありがとうございます。やっぱりトイレは必要そうだという見解だと思います。平成9年に制度がつくられて、その後、看板がぼんぼん立っていって、今、544か所あると思うんですけれども、これはどうやって使うのという話が詰め切れていないというか、焦点がぼやけちゃっているのかなという気はします。今回、一部ですけれども、生産者さんからそういう声も上がっておりますので、ぜひ焦点をしっかりと絞っていってもらいたいんですが、本市には防災協力事業所という制度があると思うので、各生産者さんは事業者さんなので、事業者さんとして、各自、各戸、何ができるのかということを詰めていっていただけたら実際に使える防災農地になるんじゃないかなと思います。