議会報告
令和2年9月24日決算審査特別委員会②
令和元年度川崎市一般会計歳入歳出決算認定について
2020.09.24
令和2年9月24日決算審査特別委員会で質問しました。
質問
歳入1款4項1目市たばこ税です。令和元年度歳入における市たばこ税は、前年度比、予算比ともに上振れしていますが、その要因について伺います。
答弁
初めに、令和元年度予算におきましては、消費税率引上げによる値上げや喫煙率の低下による売渡し本数の減少、紙巻きたばこと比較して税負担の低い加熱式たばこの普及などの減収要因を踏まえ、86億円の税収を見込んでいたところでございますが、決算におきましては、これらの影響が見込みより小さかったことから、予算と比較いたしまして3億円の増となったものでございます。
次に、令和元年度の決算額を前年度と比較いたしますと、消費税率引上げによる値上げや喫煙率の低下により売渡し本数が3.4%減少したことなどを要因として3億円の減となった一方で、平成30年10月からの税率引上げの影響が平年度化したことにより4億円の増となりましたことから、差引き1億円の増となり、決算額は89億円となったものでございます。
(上原)
増減自体は実はそんなに重要ではなくて、そもそも市たばこ税というのは一般財源への繰入れなので、特別な目的を持てないというのは重々承知しているのですが、少なくともお話を伺っていますと、歳入の部分で喫煙者数の予測であったりとか、電子たばこの普及率であったりとか、結果として出てくる売払い本数までをモデルにして予想されて認識されている、この事実が一番重要になるのかなと思っています。予算比等々で多少のぶれはあったものの、喫煙者は来年度にかけて半減するとか、そんな極端な話にはなっていない。言わばまともな精緻な予想がちゃんとできているということだと思います。
一方、市の喫煙者数、少なくとも売払い本数の減がこの程度と認識していながら、喫煙所はあまり増えていない、喫煙所面積も増えていないというのが事実としてある、これは皆さん承知のことかと思います。我が会派の議員から既に財政以外の複数の局に対して設置に向けたメッセージが示されていますが、この際、大体主語は吸う人の立場ということが多かったと思うのですが、本当に重要なことは吸わない人の立場を重視するということでございまして、喫煙所というのは吸わない人を守るための場所ということを考えなければいけないと思うのですね。マナーの点であったりとか副流煙のストレスがない環境を目指す、簡易的かつ機能要件を十分満たす喫煙スペースの増設は不可欠という結論に関しては、皆さん、違和感はないのではないかと思っています。
今後、長期的に喫煙率が下がる可能性が高い、だから喫煙スペースの設置には検討が必要であるみたいな声があちこちの局から聞こえてきそうなところではあるのですが、実際に見ると、こういうパンフレットを見ても、短期的に設置できる装置であったり、業者によってはリースの採用もできるようですし、財政上の選択肢は、ほかの自治体ですと民地に対して10分の10補助みたいな形も取っていますので、いろいろなオプションを考えながら進めていく必要があるのかなと思っています。設置場所によっては担当局が異なる、喫煙自体はそれほど減っていない、これを事実として認識している財政サイドから、本当に原局は喫煙所を必要としていないのかというのをもう一度確認していただくという動きが必要かなと思います。
これは何かというと、とてもいいデータが残っているのです。EBPMと言うのですか、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングと言うのですね。しかも、それのモデル化されたデータまであるわけですから、これを活用して、データを活用した政策推進のための必要なデータソースとしての役割を財政局には大変期待したいなと思います。
質問
令和元年度決算における災害時協力に対する本市の工事契約の実績等についてです。
いよいよ出水期が来てしまいましたが、去年10月の台風及び水害では多くの企業に御協力をいただきながら、一方で要請が行き届いていなかった、もしくは協力企業に対して、その協力を勘案することができていなかった事例が見られたということです。まず前提として、本市の災害時における応援協力に関する入札契約制度について確認させてください。
答弁
本市におきましては、事業者の災害対応を適正に評価するため、平成25年度から主観評価項目の一つである災害時における本市との協力体制を入札参加条件とするインセンティブ発注を実施しているところでございます。また、平成28年度からは、総合評価一般競争入札においてアシストかわさきを導入し、本市との災害協定に基づいた災害対応の実働実績や、突発事故などによる緊急対応工事の実績を評価項目として加点しているところでございます。
質問
今の御答弁を前提に、令和元年度における災害対応を評価した入札の実施状況について伺います。
答弁
令和元年度の災害時における本市との協力体制を入札参加条件とするインセンティブ発注の実績は94件で、対前年度比7件減となっております。また、アシストかわさきを評価項目として実施した総合評価一般競争入札は14件で、対前年度比4件増、このうち加点された事業者が落札した案件は11件で、対前年度比6件増となっております。
質問
増という言葉が続きましたが、基本的にそんな10倍になるとか、思っていない変化が見られたというわけではなさそうだということと、市内事業者さんにとって取組が実際に生かされたという証拠につながりにくい状況なのかなと思っています。それが率直な感想です。それでも、入札の仕組みそのものは、徐々に方向性としては地元への協力が重視されているようにはお見受けします。特に災害時に動ける、ポンプもしくは重機等を保有して実際に作業ができる建築土木の業界からの協力が必要なのは自明とも言える状況でございます。
次に、令和2年4月にも入札契約制度の見直しがなされていますが、内容と検討状況について伺いたいと思います。
答弁
本年4月からの見直しといたしましては、総合評価一般競争入札において事業者の社会貢献への取組の評価を充実させるため、災害時における協力体制や実働実績に対し、取組状況に見合った評価となるよう、災害時における本市との協力体制及びアシストかわさきの評価項目や配点の拡充を図ったところでございます。
アシストかわさきの評価項目につきましては、本市との災害協定に基づいた災害対応の実働実績と突発事故などによる緊急対応工事の実施の2項目をそれぞれ加点対象とすることにより、令和元年東日本台風において多くの事業者の方に御尽力いただいた復旧作業の実働実績を個別に加点対象として評価するものでございます。今後につきましても、地域に貢献する市内中小企業者の取組状況に見合った評価となるよう、さらなる制度改正の取組を推進してまいります。
(上原)
今、令和元年東日本台風の話が出ましたが、私も被災地域の一市民でございまして、一般市民の感覚的には、災害などの非常時にはすぐに情報と、実際に動ける何か物理的な助けというものが必要になってくる。心の底から欲するものなのですね。地元の業者も当然被災地にいるわけですから、そもそも準備をお願いして構えをお願いしておけば、理屈で言えば一番早く動いていただける。答弁の中で多くの事業者に御尽力いただいたという内容がありましたが、実はこれというのは、多くというのは物差しのない話でして、どれぐらいのうちのどれぐらいが動いていただいたのかというのはまだ明確ではないのですが、地域によってはもっと早くお願いをできたりとか、もっと多くの企業に参加していただいたりとか声かけすべきだったという反省も、先週の決算審査特別委員会の分科会では伺っているところでございます。
災害時協力をインセンティブとして発注するということは、協力していただいた際に、よほどの人員を抱えていなければ、結局は工期のずれが発生するのは自明であり、もしそれが去年みたいに土日にかかった場合には、週休2日のシステムになっているわけですから、彼らの休息も必要になってきますので、工期に対してはすごくぶれの要素が大きくなっているという状況だと思います。せっかく入札時の条件に加点評価しているのですから、実際にちゅうちょなく動いていただくためには、事業者の責によらない工期の延長であったりとか、これに伴って人件費が増えたりとか、底地、借りているところの家賃が増えたりとか、それなりの経費の補償みたいなものも、応札の当初から契約内容に織り込むのが妥当と考えております。
また、今し方、答弁で市内業者の取組状況、つまり言い換えると地域への貢献などに見合った評価ということだと思いますが、ついに本市では今年の2月、ほかの定例会とかでも触られている話ではありますが、令和3年、令和4年にかけて主観評価項目に消防団協力事業者を項目化し、90点満点を100点満点に、これに伴い、入札参加資格の評価基準の見直しなど5項目の見直しも予定されていると伺っております。
これは非常に前向きなものとして評価させていただきたい部分なのですが、昨今の災害発生状況を鑑みると、災害時の協力に見合った評価の在り方については、これまで以上に市内企業の皆さんと協議を重ねていっていただきたいということが1つです。制度の見直しをされるからには、数値に表れるような努力をされたしということが2点で、災害時に協力する企業と出動を想定した自発的な契約条件、いわゆる工期等々を勘案すること、この3点で、これに対して進捗の御報告をいただく、この4点をお願いします。